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【小ネタ集】ハッピーエンドがない乙女ゲームの世界に転生してしまったので  作者: 鉤咲蓮


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23/29

if 異変探し(アベル)



普通ではありえない幻【異変】を生み出すスキルを持つモブ(そんな人はいない)の暴走に巻き込まれたアベル


アベル「言ってる意味がよくわからないんだけど。」

モブ「すみません、殿下が対象になってしまったので自分と一緒に巡ってください!異変ありかなしか見て、10回合ってれば出られるので!」


---


1st

アベル「異変と言われてもね…」

グレンがしがみついた金属杖で素振りするレイクス「おはよう!良い朝だな!」

振り回されるグレン「おはようございます~」

空を見るアベル「…昼、か?」

モブ「殿下、異変の定義について少し…先生がたについて何か…やりかねなくはないと思った?…いやいや…」


2nd

サングラスをかけたサディアス「おはようございます。アベル様」

とりあえず見るアベル「………おはよう。」

サングラスをかけたチェスター「おっはよ~アベル様、サディアス君!今日も頑張ろっか~」

アベル(これは異変…か?)


サングラスをかけたウィルフレッド「おはよう、アベル!あれ、サングラスはどうしたんだ?今日は皆でかける約束だっただろう。ほら、これをかけなさい。」

アベル(………どっちだ…?)

渡されたのがハート型と気付いたアベル「異変だ」


3rd

シャロン「おはよう、アベル。」

アベル「………ああ。」

床や壁まで伸びた髪が勝手に蠢いているダン「…ぇげな…れこだん…」

シャロンを見るアベル「………、何か言う事はないのか。」

シャロン「なぁに?」

アベル「…何でもない。異変だ」


4th

教室の扉を開けたアベル「特に変わりは…」

背筋を伸ばし机の上を整理し教科書とノートを広げ真剣な顔で授業を聞く姿勢でいるジャッキー「これはこれは、殿下。おはようござい」

扉を閉めたアベル「異変」


5th

女子生徒を両腕に侍らせたウィルフレッド「やぁ、アベル」

アベル「異議あり」

モブ「異議あり!?」

一秒もなくモブの腕を捻り上げたアベル「ウィルはあんな事しない」

モブ「すみませんでした!わざとじゃないけど!すみませんでした!!」


6th

爽やかな笑顔のホワイト「こんにちは、アベル殿下。」

鳥肌が立ったアベル「っ……!?」

穏やかな笑顔のホワイト「今日は鳥達の歌声が耳に心地良く、素晴らしい日だね。」

無意識に後ずさりするアベル「………。」

和やかに微笑むホワイト「女神の祝福を受けたような温かさ。僕もつい眠くなってしまうけど、教師としては気をつけないといけないね。えへへ」

青ざめたアベル「やめさせろ…」


7th

ノーラの話を10分続けているシミオン「その時の笑顔が大変愛らしかった。何度惚れ直せば良いかわからない」

うんざり顔のフェリシア「そろそろ黙りなさい、シミオン。口を縫いつけるわよ」

モブ「殿下」

アベル「なに」

モブ「あの、異変…」

アベル「普通だ」

モブ「どっちが!?」


8th

見知らぬ女子生徒「あ、殿下じゃないですかー。やほやほ」

不快そうに眉を顰めたアベル「誰?」

白茶色の縦ロールに厚化粧の女子生徒「えーやばば!ほらわたし!ネイトですよ~。新作のコスメど?お母様とオソロ!可愛いっしょ?」

アベル「終わらせてやれ。…不憫だ」


9th

ホールケーキ10個を前にしたロズリーヌ「幸せですわぁ~っ!ほっぺが!まぁほっぺが!ねぇ!落ちそうで!!」

ちゃっかり自分にも取り分けるラウル「落としたら物が食えませんよ」

目を見開くロズリーヌ「確かに!?」

判断に迷うアベル「……。」

モブ「異変なしですかね…」

目を細めるアベル「…いや……ラウル・デカルトの利き手が逆になってる」

モブ「細かっ!!」


10th

頬を染めてアベルを見つめるシャロン「あの、ね…?」

アベル「?」

シャロン「私、ウィルよりも…貴方のことが好」

アベルに関節技をかけられたモブ「いだだだだだ!」

アベル「こんな事言わない」

モブ「すみません!わざとじゃないけど!すみません痛いっ!折らないで!!」


---


結果的にノーミスで脱出

説教中アベル「特に最後のは何かな。君はわざとじゃないと言うけど、仮にそうであっても王家並びにアーチャー公爵家への侮辱と捉えられても文句は言えないよね」

モブ「誠に申し訳ございません…二度と!二度と幻とはいえアーチャー公爵令嬢に」

シャロン「私が何?」

アベル「何でもない」


シャロン「?でも今……そちらの方は?」

アベル「通りすがりの不審者だ」

シャロン&モブ「えっ」

アベル「レイクスに突き出してくる」

モブ「え!?待っ…許してーー!」



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本編:ハッピーエンドがない乙女ゲームの世界に転生してしまったので

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