小ネタ 10 (2023.10~2023.12)
ぬいになったアベル、ベッドに腰掛けたシャロンと話してたら箱を持ったメリルが来て咄嗟に枕の影に潜んだところ、「先日手配した下着が届いて」とか聞こえてきて全力でベッドと壁の隙間にダイブしてほしい(この後まだぬいの体に慣れてなくて自力で出る事ができず、無念にもシャロンに助けられる)
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443.応えるために
「一瞬口調が荒くなっていたようですが、ダンの影響では?」
「あはは、俺元から素だとけっこ~口悪いよ。知らなかった?」
「…まぁ、知りませんでしたね。」
「サディアス君って割と俺に夢見てるよね☆」
「見てませんが???」
「フフッ、すごい顔…冗談だよ」
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445.萎縮したら終わり
ウィルフレッドのマントの替えを取ってくるよう騎士に命じたのはサディアスですが、「あのまま戻ってくるかもしれないわね」と言ってサディアスを見やったのはシャロンです。
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剣闘大会が始まる前、とにかく戦ってほしいものだからどうにかして大会中にレイクスvsホワイトのエキシビジョンマッチを入れられないか数ヶ月レベルで考えていたのですが、どう足掻いてもやってもらえませんでした。
何故かと言えば、やる理由が無くて言い出す人がいないから…
レイクスとしては、戦いの腕を落とさないためにホワイトと試合をしたい気持ちはかなりありますが、あくまで互いの鍛錬の一つとしてであって、生徒が主役の剣闘大会で時間をとってまで公衆の面前でやる事ではない。
ホワイトには、誰と戦ってみたいという欲はまったく無いです。
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446.いつか届かせる剣
シャロンとアベル自身はどちらも「身体強化」と呼んでいますが、厳密に言うとアベルは違うという解説でした。
使い慣れた今、アベルの頭の中では強い力を出す事とそれに耐えうる体である必要性は完全にイコールなので、このくらいの力を出すと決めた時にはそれに見合った《加護》による身体保護が済んでいます。
フェルとしては「《加護》って普通そういう使い方するもんじゃないから!」という所
同じスキルを持つ父ギルバートは言うなればバリア的な使い方が多く、自分を守る時もそうなので、《加護》を自身の肉体そのものにかけた事がありません(そんな事ができると知らない)。王都を囲む《加護》を張る場合は、アベルよりギルバートの方が圧倒的に魔力消費が少なくて済みます。
自分が死ねば国のためになるとすら考えたギルバートは、ある意味自分の守りに対する意識が低いわけで、それも体に《加護》を使った事がない理由の一つと思います。
アベルも似たようなものですが、こちらは正体不明の殺気に苛まれている事や、いつかその時が来ると察しているが故に、今はまだ、壊れるわけにはいかない。
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152.いずれ失われるもの ◆
シャロンは(眠った後寄り掛かってそして…となるくらい)リラックスしてくれて嬉しいので喜んで膝を貸してますが、アベルは予想外だったし断固として防いでほしかったし、万一の際にすぐ守れる体勢ではないという点からも、どちらかと言えば膝枕否定派です。
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アベルとホワイト
ホワイトは何かに反応する際「どうでもいい」と感じる割合が高く、例えるなら5つを同時に処理できる頭があっても、普段1、2しか処理しません。
アベルはホワイトの能力の高さを無意識に見抜いているので、それが「常に手を抜かれている」ように感じます。
319.胸に湧いた不快感 でホワイトがアベルに「どけ」と言わず、説明もせずに突っ立っていたのも、全体的に彼にとって些事だったから。シャロンが急病や怪我で急ぐならともかく、何も急がないし重くもないし、何か話しかけられたからとりあえず対応しているだけです。
また、アベルが考える時は脳内で明確に言葉や要素が並び、A+B=Cのように理路整然としている事が多く、普通の人より頭の回転が早いため(兄やシャロンに一時思考停止させられた場合を除く)、相手はその早さについていけなかったり、また本人の威圧感で怯んだりします。
ホワイトの場合はA…(脳内で言語化に至らない感覚上の思考)…Cのように飛ぶ事があったり、途中で考える事を放棄したりするため、その空白が余計に相手へ「何を考えているかわからない」印象を与えます。相手によって怯えたり苛立ったり、ミステリアスだと沸き立ったり反応は様々。
シャロンとのやり取りでは(彼女が素直に聞くのとホワイトが教える立場であるため)きちんと言葉で伝えられる事が多いのですが、アベルは警戒しつつ言葉少なに聞く上、ホワイトもまた「なぜ、何が聞きたいか」を(どうでもよくて)深くは考えずに返すので、よくズレます。
いつか終わりがくるアベルは少し生き急いでいるので、もっと国の為に動けるはずなのにそうしない点も、ホワイトに対して思うところがあります。
そういった関係で、アベル目線だと「何なんだこの男は」となりがちです。敵に回すと厄介な能力があり、味方とするには非協力的(積極性に欠ける)で、目的や考えが読めない男。
しかしホワイト側は基本的に何の思惑も無いため、「何なんだ」に対する答えはそもそも最初から存在しない(アベルにわかるはずが無い)という事も多く、そうとは思わないアベルは余計訝しむ、そんな叔父と甥です。
ただ、「シャロンを守る」ぐらい優先度が明確な目的があって、共通の敵に対し咄嗟の戦闘になった場合、ものすごく噛み合った連携を見せると思います。
どこまで相手に任せて良いか、目的のためにどうすべきかの判断が早く正確で、およそ同じ答えを出すため。
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剣闘大会、特に出番がなかったので本文には書いてなかったと思いますが、万一に備えて試合中の審判と司会のエンジェル、学園長シビルは遠隔で話せるようになってます。
複数同時接続できる小さい《水鏡》を《固形化》して専用の金具などで片耳に装着しておくのですが、できる術者が限られているので結構な費用がかかります。魔力にも限度があるので昼休憩で交替。《障壁》チームやアナウンスの《遠吠》なども含めて経費がかさみます(教師がスキル持ちだった場合でも普段の給与と別で報酬)。
学園は商人達に大会中の客席での販売権を売ったり、騎士団本部から将来のスカウト目的で内密の視察が来る代わりに無償で警備の騎士を派遣させるなど、上手くやっています。
大会を終えると、上位成績者や祝福に選ばれた女子に対し、学園を通じて依頼が届く事もあります。
たとえば店なら、来てくれた実績があるとそれだけで客寄せになるため。ちょっとした護衛(一時的に大金を持つ、久々に高額商品を運ぶ等)の依頼などは、デュークのような生徒にとって大歓迎のバイトです。
学園は依頼主の身元等を確認し、生徒の意思確認をし、生徒への報酬と別で依頼主から仲介料を取ります。学園長はドレーク公爵=リラの領主一族が代々務めるため、ここで悪巧みするとリラから放り出されます。
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451.祝福を貴方に
常識的にありえない上、シャロンが動揺してない(事前にわかってれば登壇までに相談されるはず)ので公爵のハッタリで確定。
しかし彼女が照れ笑いするとは予想してなかったので、(453話で明かされたように)実はごくごく僅かな時間「……??」状態にはなってました。
短時間過ぎた&余裕がなくてシャロンは気付いてません。「さすがアベルは冷静なままなのに、私ときたら緊張してしまって、ちょっぴり恥ずかしいわね」といったところ。
アベル側はシャロンがそんな事考えるとは微塵も思ってないので予想できませんでした。
予想できなかったので「なぜ…?」とはなったけれど、要はシャロンは演技する仕掛け人側だったのに、アベルが引っかからなかったわけで。なぜも何も彼女の台詞通り、「やはりバレてしまった」と、ある種演技の失敗を恥じただけのこと。(理解した顔のアベル)
特に自覚はしてませんが、自分に向けられた笑顔を見つめてほんの少し優勝を噛み締めたため、シャロンの「おめでとう」に対して返事が遅れています。
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452.冗談が通じない男
離し忘れたのは考え事もそうですが、アベルが「魔法を発動させた何者か」を警戒している状況(人がまだかなり残っている=犯人がまだいる可能性が高い)で、無意識/意識的どちらでも「守らなければ」と気負っていたせいでもあります。
シャロンは「??(いつ離すのかしら……今?まだ?…今?)」と思っていたけれど、流石にフェリシアに指摘させるわけにはいかないので合図しました。それがなければフェリシアは、言葉ではなく視線で注意を促した(けどできればそれもしたくはない)ところ。
先に名を呼ばれたにも関わらず、フェリシアの「また後ほど」に対してシャロンの返事が遅れたのは、ホワイトに対して抱いた違和感について考えながらだったせいです。
シミオン達を見やりもせず「お前達は帰っていい」と言ったため。
ここの塩梅はシャロンにはわかっても、アベルにはわかりません。
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※不治の病で死に際の恋人に与えるのはどっちか問題のやつ
(概要)
鎮痛剤:10分話せるが10分後苦しんで死ぬ
睡眠薬:話せないが苦しまずに死ぬ
「相手は鎮痛剤が良いと言ってる」前提との事なので、鎮痛剤投与前でも息も絶え絶え苦しみながら辛うじて僅かな会話が可能な状況を想定しています。
シャロン:苦渋の決断だが相手の望みを尊重、苦しむ姿から目を逸らす事もない。たとえ涙が出ても最後は笑顔で感謝と愛を告げる。
ウィルフレッド:鎮痛剤と偽り睡眠薬。眠くなった相手に「痛みが弱まってきたか?よかった」と優しく言う。たとえ君の意に背いたとしても、苦痛の中で死んでほしくない。
アベル:相手に許可を取った上で鎮痛剤を与え10分後に苦しまないよう自分の手で即死させる(相手が許可しない場合は強制的に睡眠薬を飲ませる)。
ただしシャロンの場合、考えを見抜かれて先に睡眠薬の瓶を割られ、その上で「絶対に許可しない」と言われてしまい困り果てた挙句、結局は意思を尊重する
チェスター:震えながら鎮痛剤を選ぶ。恋人の手を両手で握り「それじゃ後で君が苦しむってわかってるのに、俺はまだ君の声を聞いていたい。ごめんね」と泣く
サディアス:相手の精神強度による。「それが貴女の選択なら」と尊重できる人か、優しく嘘を吐いて眠らせた方がいい相手か。
ホワイト:相手が鎮痛剤を望んでいる以上、鎮痛剤一択。相手の選択を見届ける。
カレン:二択しかない事に絶望し「選べないよ」と泣きながら悩む。相手側の説得技術次第だが、一任されると最終的に睡眠薬を選ぶ。




