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告白───·····

自己満足な作品なのでおかしい表現もあるかもしれませんが、あたたかい目で見て頂けたらと思います。

『それじゃあ、私は他の妖精王にこの事を話してくるわね!ティナ、またね!·····あ、そうそう!ティナは他の妖精王もだけど何時でも私達を呼んでいいからね!セオドリックも私に用があれば何時でも呼んでね!じゃあねー!』



水の妖精王はそう告げると一瞬にして消えて行った。

シーンとその場の空気が静まる中ティナが皆に向かい話し出した。


「あ、あの!皆様、本当に申し訳ございませんでした。お父様であるサミュエル様、お母様であるソフィア様におかれましては···生まれた瞬間からこの様な私が···あなた方の子供であると·····ず、ずっと····」


両親に謝罪を言おうとすると涙が溢れる。


これはずっと思ってた事だ。

妖精王からのお願いで私が前世の記憶を持ったままティナとして生まれてしまい、本来なら別のティナがこの世に生を受ける筈だったのに、それを優しい両親に嘘を付いたまま3歳まで過ごしたのだ。

実際は3歳になって前世の記憶が目覚めた為に2歳までの私はもう居ない。

確かに2歳までの幼児の記憶も朧気ではあるが記憶している。

けど、両親に嘘をつきながら生活して居たのだ。

それに、セオドリックにもこんなのが私···ティナだって事を知ったら幻滅してしまうのでは無いだろうか。




「ふぅ···では、ティナ? 私達に隠してる事を全て話して?」

そう言って、母親であるソフィアがティナに目線を合わせ、話す様に促す。


「はぃ···私の、前世はこの世界では無い場所でした。そ、その世界では20歳まで普通の学生でした·····学生でも働ける仕事をして、その帰り道に事故にあい、妖精王様に逢い、約束してティナの身体に転生しました·····あの、ソフィアっ、様·····ごめんなさい!」


全て話すと泣きながらティナはソフィアに向かい勢い良く頭を下げる。


「とてもっ·····優しぃ··グスッ、ソフィアっ様に、嘘をっ、つきながらティナとして·····過ごしてっ、ました···ごめんなさっぃ····ヒック」


そういい終えると嗚咽を溢しながら泣くティナにフワリと優しく抱き締めるソフィア。


「······──やっと、全部話してくれましたね」


ギュッとティナを抱き締める力を強める。


「貴女が3歳の誕生日を迎えた日からそれまでのティナとは全く違う事をいっぱいして、教えたことの無い物事を答えたりしたのには凄く驚きましたけど、それでも私達の愛したティナには変わらなかった。貴女は貴女なんだから」


サミュエルがソフィアとティナの2人を抱き締める。


「そうだよ?ティナには見せたことも無い政治経済について発言したのにはビックリすることばかりだったよ。でも愛くるしい姿に私達は日々癒されてた。例え前世の記憶を持っていたとしてもティナには変わらない。全てを話してくれてありがとう。これからも可愛いティナでいてくれるかい?」


「はぃぃっ···!!ありがとうっございますっ!!」


両親2人に抱き締められ、このままありのままの私で居ていいのだと言ってくれる2人に安堵し、更に号泣する。


「それに、無理して幼く喋らなくていいのですよ?そのままのティナの喋り方で大丈夫、それに今までのようにお父様とお母様と呼んで頂戴な、急に名前で呼ばれるのはお母様とても寂しいわ」

「本当に?こ、このままでっ···いいの?」

「ええ!ティナと一緒にお話するのお母様とても楽しいもの!」

「ふえぇぇっ···ありがとう···お母様ぁー!!」


落ち着くまでずっとお母様は抱き締めてくれた。




────·····


公爵家の会話を離れて見ていた国王夫妻とセオドリック。

セオドリックが気まずそうにティナ達に声を掛ける。


「あ、あの!ソフィア叔母上?···私もティナとお話してもいいですか?」

「ええ、セオドリック殿下。ですが、少々お待ち頂いてもよろしいでしょうか?ティナの顔が涙で濡れておりますので」

「わかりました」



ソフィアはそう言ってティナの頬に伝う涙を所持していたハンカチで拭いていく。


「さあ、ティナ。涙は全て流れましたか?セオドリック殿下がお待ちよ?」

「はぃ、ありがとう!」

「ふふふっ、セオドリック殿下お待たせ致しました」


両親に全てを打ち明けた後に、以前の様に会話するのは少し恥ずかしいけど、大好きな両親とは普通に会話したいと思う。



「あ、あの···セオ···ドリックで「セオ!でしょ?さっき名前呼んでくれるって言ってくれたよね?」


また被せる様に愛称呼びをお願いするセオドリックに戸惑うティナは、再度確認する。


「本当に、セオって呼んでも良いの···でしょうか?」

「うん!是非、ティナにはセオって呼んで欲しい!それにその可愛いティナなら敬語もお互い無しでいいよね?ティナとはこれからも仲良くなりたいし···ダメかな?」


コテン、と首を傾げながらセオドリックはティナに乞う姿にティナも赤面する。


「!!·····う、ぅんっ!わかり、わかった!私もこのままの喋り方でセオといっぱいお話したいし、いっぱい会いたい!」

「ありがとう!ティナにそう言って貰えるといろんな意味で期待しちゃうけど···いいのかな?」


あ····

私、いっぱい会いたいって勢いで言ったかも。

は、恥ずかしい!!!


「あー!あの!えっと、あ、会いたいのは···その、勉学とかね?一緒に、出来たらなーって···えっとその·····」

「うん、わかってるよ!僕にいっぱい会いたいんでしょ?」

「ぼ、僕って···それに、会いたいって!····うぅぅ、恥ずかしい」



最後の言葉なんて尻すぼみになるくらいに、もういろいろキャパオーバーかもしれない。

セオドリックも王子という肩書きで話さず、一個人としてティナと接する事にしたみたい。



「うむ、皆それぞれ話しは終わったかな?私もオーロラも蚊帳の外で少し寂しいぞ」


国王夫妻が事のなり行きを見守ってたが、漸く落ち着いたのでそろそろ団欒して話してもいいのでは、と声を掛けてくれた。


「シルヴィ兄様!申し訳ない!私達だけで話しをしてしまって·····」

「いや、構わないよ。セオドリックもティナ嬢と打ち解けたみたいでこちらもホッとしてる」

「ありがとう。私達もセオドリック殿下がティナと仲良くなってくれると心強い」

「妖精王様からのお願いもあるしな、これからもっと会う機会を増やし、穢れた魂の転生者についても情報共有し調べねばならぬ。」


これからの方針を決める為それぞれ席につく。

セオドリックは先程同様そのままティナの隣に座った。

ご購読ありがとうございます。

誤字脱字等ありましたら、ご指摘下さい。

よろしくお願いいたします。

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