登城····───
文章力が欲しいこの頃です。
ちぐはぐな文章で申し訳ありません。
城の正門から入り、正面入口ホール前に到着した公爵家専用の馬車から、公爵家当主はじめ夫人と息女のティナが降り立ち、城の中へと歩みを進めた。
─────·····
「ティナ、お城へ着いてもお父様とお母様から離れてはいけないよ!とっても大きい建物だからティナはすぐ迷子になってしまうよ、わかったかい?」
「はぁい!ぜったいついてゆよー!」
3歳児の歩みはとてもゆっくりだ。
両親共にティナに歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれる。
「ふふっ、サミュエル様ったらティナに本当にメロメロですこと」
「仕方ないじゃないか、君という美しい女性から生まれた我が子だぞ!1人で歩いたら善からぬ者に連れ去られてしまうぞ!それに···」
「もうっ、私の事はいいのです!お恥ずかしい!」
何なんだ、このゲロ甘い会話のやりとり。
至って普通の3歳児には何てこと無い会話なのかも知れないけど、私にはこのゲロ甘い会話はムズムズするぞ。
「はははっ、ソフィアは本当に出逢った時から変わらず可愛い反応を見せてくれる」
「サミュエル様!わ、私の事はいいのでティナに構ってあげて下さいませ!」
「ふむ、ティナ、君のお母様は世界一可愛いな~」
「あいっ!おかあーさま可愛いです!」
「もう!ティナまで!」
第三者から見たら、夫婦でゲロ甘い会話しても微笑ましい家族団欒の光景に見えるだろう。
こっちはもうお腹いっぱいではあるが、本人たちはまだまだ甘い雰囲気のままだ。
「しかし···ティナも全妖精王様より加護を授かった身だということを今一度肝に命じねばならぬ」
「そうですわね···私の祖国ですら全妖精王様からの加護を授かったという文献はございませんし」
妖精王曰く、とても純粋で清らかでないと、王族ですら直々には加護を授かることは難しい。
純粋で清らかな~というのの基準は妖精王にしかわからないので比較の仕様が無い。
サミュエルは妖精王からの加護の話をしながら城の中を進む。
しかし、謁見の間に行くのかと思ったらそのまま城の中庭方面へ歩みを進めた。
「ああ···ティナにはいい忘れてたけど、今日の王族謁見は公式的なものでは無いから、そんなに畏まらなくていいからね」
「え···しょうなの?」
何とも拍子抜けだ。
こんな謁見用のドレスにまで着替えたのに···あ、国王様だからやっぱりそれなりに着飾らないとダメだった。
うーん···ダメだ。
謁見の間に貴族方が大勢いる中に呼ばれるのかと思ってたから、気が緩んじゃったよ。
「今日は国王夫妻と殿下だけでお茶会だよ、ティナからすると殿下は1つ年上の従兄弟になるね!」
「そっかぁ、おにーたまね!」
「ふふっ、お兄様呼びは許可を得てから呼ぶようにね」
「はぁい!」
「ほら、城の中庭に着いたよ」
そう言ってサミュエルが一歩横へ行き、ティナに中庭の光景が見える様に移動した。
そこに見える中庭の景色はここが城の中心部である事を忘れる様な絶景だ。
我が家にある庭にも咲いている花以外にもとても珍しい花が色とりどり咲き乱れている。
木々も青々としとても爽やかな微風が頬を掠めていく。
何て澄んだ空気なんだろう。
そう感動していたら、中庭のちょうど真ん中ら変にあるガラス張りの温室っぽい所から人が出てきた。
「サミュエル、ふふっ···さっきぶりだな」
お父様そっくりなイケメンが此方に手を振ってるんですが。
「シルヴィ兄さ···んんっ!···国王陛下、お茶会にお招き頂き恐悦至極にございます」
お父様、思いっきり身内の話し方に。
私とお母様が居る手前言葉遣いを改めたみたい。
プラントン王国の国王であるシルヴェスター·プラントン·スリズィエ
お父様と容姿は似ていて、王族特有のプラチナブロンドに碧眼であるが流石、国を統べるお方だけあって威厳を放つ。
若くして国王を継ぎ、国を豊かにするべく宰相である弟のサミュエルと一緒に多方面に渡り政策を打ち出してる。
「そんな畏まらなくても、私とお前の中であろう···何時も通りでいいよ」
「はあ···シルヴィ兄様ありがとう」
「国王陛下、ご無沙汰しております」
「ああ、ソフィアも元気そうで何よりだ、何時ぶりであろうか···そなたの娘を見に公爵家に行った以来か?」
「そうでございますね、私共の娘ももう3歳になりました」
「もう3年も経ったのだな···うむ、立ち話も何だ、温室内でゆっくりお茶でも飲みながら話そうか」
そう言って国王陛下は温室内に案内した。
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