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幸せな報告···───

亀更新失礼します。

これからもキャラクターが増えていきます。

自分でも間違えないよう気を付けやきゃです。

ティナのセオドリックに対する感情を自覚してからも、ほぼ毎日一緒に勉学やマナー講義をして半年以上が過ぎた。




セオドリックが受ける剣術講義は騎士団総団長子息を始め、各隊長副隊長の子息方も一緒に参加していた。

その中でも騎士団総団長子息であるバートラント·テュリップはセオドリックより年は1つ上だが、セオドリックの護衛任務を幼いながらに受けてる為、必然とティナとも交流する機会があった。

剣術講義の時間は見学する女子はおらず、平民女性自ら志願したり、騎士団に縁のある貴族の子女が入団している事が多い。

この国は男女関係なく騎士になれるのだ。

女性であれば王妃の護衛や王女の護衛を任される。




キン──キンキンッ!!

カシャカシャン!!



「総員打ち込み止め!!集合!!」


今日もセオドリックが騎士団所属の騎士達の子息と一緒に剣術講義を受けている。

騎士団総団長の指示に皆が集合する。


「本日の特訓はこれまで!この後は今日の配置場所に各自行く様に!討伐部隊は編成後15分後に第一門に集合せよ!では、解散!」

「はいっ!」


騎士団総団長が各々団員への指示後にセオドリック達の所まで来る。


「セオドリック殿下、本日の剣術講義はいかがでしたか?同年代との打ち込みでは物足りなかったでしょうか?」

「いや、いい勉強になったよ。それにバートとも組ませて貰えたから自分の腕試しにもなったし、今の実力も知れた」

「左様ですか、今後も定期的に今回のような講義内容を設けようかと思うのですが、よろしいでしょうか?」

「ああ、いいと思うよ!私と年代が近い子息が強くなるに越したこと無いから頼むよ」

「承知しました。では、本日の剣術講義は以上になります」

「師匠、ありがとうございました」


一礼すると騎士団総団長はその場を後にした。

セオドリックの剣術師範は騎士団総団長が直々に行っている。

護身術も踏まえ、いざという時に備えて学んでいる。



「セオ、お疲れ様でした」


ティナはセオドリックへ近寄り汗を拭くタオルを渡す。


「ティナ!ありがとう。私の剣術講義の時間は退屈では無い?」

「いいえ、セオが頑張ってる姿を見てるのはとても楽しかったです!それに···」

「?」


最近は自分の気持ちを素直にセオに伝える事が出来てる気がする。


「···打ち込みしてる姿のセオも···とても、格好良かったわ」


でも、やっぱり恥ずかしい!!

自分の気持ちをセオドリックに言えるのはちょっとは成長したとは思うけど、その後は茹でダコみたいに顔が真っ赤になる。


「っ!!···ティナ!!」

「せ、セオ!?」


そんなティナをとても嬉しそうに抱き締めるセオドリックに、ティナはドキドキと鼓動が強くなる。


「おいおい、いつまでやってんだよ」

「!?」

「ああ、バートか」

「お前らの雰囲気に騎士方がお困りだから、早く自室に戻るなりして身嗜み整えて来いよ」

「そうだったな。ティナ、僕は一度自室に戻って着替えてくるね。その後は昼食になるけど···」

「セオ、今日はこのまま帰宅するわ。さっき我が家の使いから至急戻る様連絡があったの···お父様も一緒に帰宅するって言ってて」


そうなのだ。

さっきセオドリックの剣術講義を見てたら我が家から急ぎの連絡が来た。

内容はお母様の名前が出たので、頭がパニック状態だった為不明だが、お父様にも同様の連絡が行ってるそうで、我が家の馬車が門に準備されてるとのことだ。


「そうだったんだね。叔母上からの連絡?」

「そう·····何かあったのかもしれないわ。心配なの」

「それじゃ急がないとだね!ティナを門まで送るよ」

「ありがとう!また詳細は追って連絡するね!バートラント様もご迷惑おかけしました」

「いや、俺は特に何も無いから気にするな!早く帰った方がいいから、俺も一緒に送る」


2人から門まで見送ると言って貰えて少しホッとする。

朝、お父様と家を出る時はお母様の様子はいつもと同じだったのに、この数時間で何かあったのだろう。

何も無い事を祈るばかりだ。


その後お父様と合流して、セオドリック達にお見送られながら帰路に着いた。




···────


「戻ったぞ!」

「只今戻りました!!お母様は?!大丈夫なの?!」

「旦那様!!お嬢様!!」


ティナもサミュエルも慌てて玄関に入り執事のセバスティアンが驚いた表情をして出迎えた。

「ソフィアは!?何があったのだ!!」

「旦那様!!落ち着いて下さいませ!奥様は奥の部屋にお待ちでございます!あのっ···」


執事が何かを言おうとするが、それよりも先にティナとサミュエルが奥の部屋までの廊下を急ぎ足で進む。


バァンッ!!


勢いよく部屋の扉をサミュエルが開けてソフィアの元へ駆け寄る。


「ソフィア!!」

「お母様!!」

「あら?旦那様にティナ?どうなさったの?そんなに息が上がって、走ってはダメですよ?はしたない」


ケロッとした表情をするソフィアに2人は困惑する。

「ソフィア?君に何かあったと連絡を受けて急いで帰ってきたのだが···見る限りは大丈夫そうな感じだが」

「ええ、私の体調は至って良好ですわ。けど···」

「ゴクリッ·····けど?」

「お母様?」


とても不安な表情で2人はソフィアを見つめるけど、心配される側の本人はとても表情が明るい為、内容が掴めない。


「ふふふっ、2人共心配し過ぎですわ」

「だって!今まで城に急ぎの連絡が来たたことなんてティナがお腹の中に·····!!??」

「えっ?えっ?お父様?どういう事?」


サミュエルは連絡の内容が解ったみたいでとても表情が綻び、歓喜に満ちた表情にかわる。

ティナはまだ訳が解らず困惑した表情でサミュエルに問いかける。

そんな2人を微笑ましく見るソフィアはティナを自分の側へ来るように伝える。


「ティナ、こちらへいらっしゃい。お母様がお話ししましょう」

「??···はい」


ティナに呼び掛けるソフィアはまるで聖母の様だ。

サミュエルはソファーに座る我が家の愛おしい2人を見て、そう感じながら見つめる。

そして一人掛けのソファーへと腰を降ろす。


「お母様?」

「ふふふっ、ティナにも心配かけましたね。城に使いを走らせたのは仕事と勉学が終わったら、早く帰ってきてほしかったからなのよ。ごめんなさいね」

「いいえ、お母様の大事ですから!!当然ですわ!!」

「旦那様はもうご存知みたいですがティナはまだわからないわね」

「はい···お母様、どうなさったの?何か···ご病気···なの?」


とても不安そうにソフィアを見つめるティナ。

直ぐにでも泣きそうな不安な表情をしてソフィアを見つめる。


「いいえ、病気ではありません。ねぇ、ティナ?もしあなたに弟か妹が出来たらどうしますか?」


突拍子もない質問をソフィアからされて更に困惑する。


「えっ?弟か妹···ですか?うーん···わからないけど、いたら可愛いと思う!それにお母様とお父様と一緒にお世話したい!一緒のデザインの服も着てみたいし、勉強は私が教えてあげたいで···す·····ってもしかして!!??」

「そうですよ?ティナがお姉さんになるんです」

「っ!!」


ソフィアが2人に報告を早くしようと、城に使いを出し[今日は早く帰ってきて下さいませ。ご報告したいことがございます]という内容を、公爵家の使いから報告を2人が受ける筈が、2人の早とちりによりソフィアに危機があるのでは···と勘違いを起こし早々に帰宅したということなのだ。


「お母様!!お母様のお腹に···あ、赤ちゃんが?···いる、の?」

「そうですよ?私のお腹に新たな命があるのです。ティナもお姉さんですよ」

「っ!···お、お母様!!ふぇっ···よ、良かったよー!!···っ···お、お母様に···な、何かご病気っが、あった···かとっ思っ、て···ヒック!」


最悪な想定で無く、むしろ幸せな報告に安心して止めどなく涙が出てくる。


「心配かけて、ごめんなさいね。不安定な時期を過ぎてから2人に報告しようと思って内緒にしてたの」

「そうだったんだね。良かった、ここ最近ソフィアの食欲が落ちてる事も少し気掛かりでシェフにも相談したが、そう言う事だったなら納得だ」

「旦那様!!ご心配お掛けして申し訳ございません。旦那様にも安定したらご報告しようと侍医と相談した上で今に至ってしまい」

「いいや、いいんだよ」


サミュエルはソファーから立ち上がり2人をふわりと抱き締める。

「こんな嬉しい報告ならいつでも歓迎だ!ティナも心配だったろうが、これで安心したね」

「は、いっ!良かった···良かったぁー」


ティナはそれでも涙が止まらず、終いには安堵からかソフィアの膝へ頭を乗せ、ソファーで寝てしまった。


「ふふふっ、いつもティナは大人びてますから、今日のティナはとても可愛らしかったですわ。私の事を本当に心配してくれてて嬉しかった」

「そうだね。妖精王からティナの転生魂の事を聞いた時は驚いたが、私達のティナにはかわらなかった」

「ええ、ティナの口から前世の事を聞いても何もかわらなかったですわ。愛おしい私の可愛い娘」

「私達の···だろう?」

「ふふふっ、そうですわね。私達の可愛い娘がお姉さんになるのですね」

「そうだね。時間というのはあっという間だな」


2人は優しくティナの頭を撫でる。

とても幸せな家族の時間になった。


「さて、このままではソフィアも疲れるだろうし、ティナも風邪を引くといけないから、部屋へと運ぼうか」

「そうですわね。このお腹の子が生まれたらティナとの時間が一時的に取れなくなるので、それまでは名一杯可愛がりますわ」

「そうだね。私も今以上に2人との時間を作るよ。じゃぁ、連れていこうかね」

「ありがとうございます、サミュエル様」


ソフィアは2人きりの時に夫の事を名前で呼ぶ様にしている為、サミュエルはとても嬉しそうに頬を緩める。


ソファーに横になってるティナをサミュエルは抱き上げるとソフィアと一緒にティナの部屋へ向かった。

部屋から出て直ぐ執事のセバスティアンが待機していた。


「旦那様、ティナお嬢様は寝てしまわれましたか?」

「ああ、セバスティアンか。心配かけたな。ティナが安心してか寝てしまったから部屋を準備してくれ」

「畏まりました」

「それと、この後使用人をホールに全て集める様に」

「畏まりました。皆に伝えます」



その後サミュエルから公爵家に使える全使用人にソフィアの第二子妊娠を報告し、万全を期す様に通達した。

ご購読ありがとうございました。

誤字脱字等ありましたらご指摘ください。

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