この気持ちは···───
亀更新に失礼します。
この回は砂糖多めです。
文章力皆無に泣けます。文章力身につけたい。
ティナ達はクラークを見送り、セオドリックが専属侍女頭を呼び鈴で呼び出した。
チリリンチリン····───
すると、既に呼ばれるのが分かってたかの様に直ぐに侍女頭が現れた。
コンコンコンッ───
「入れ」
「失礼致します。セオドリック殿下、何か御用にございますか?」
「第二講義までに時間が出来たから、僕の専用庭でお茶をするから用意を頼む。ちょっとしたお菓子も摘まめる様に」
「畏まりました」
侍女頭の女性は一礼して直ぐ退室した。
「それじゃ、ティナ行こうか!ゆっくり歩いていけば廊下の道中にも季節の花が咲いてるから見て行けるよ!」
「うん!」
セオドリックは当たり前の様にティナの手を握りながら部屋を出た。
講義をしに来た当初は普通に手を繋ぐ様にしてたが、ここ最近は所謂恋人繋ぎの様に手を絡ませて一緒に歩く事が多い。
ティナも最初は戸惑い、セオドリックに問いかけたりもしたが、セオドリックの甘い説得に絆され今では普通の様になってしまった。
端から見れば幼児が仲良く手を繋ぐ光景にしか見えないが、ティナ本人は中身は半分既に大人であったが免疫が余り無い為、毎回ドキドキしている。
少し赤面しながらティナもセオドリックと素直に手を繋いで廊下を歩く。
するとセオドリックが言ってた通りにちょうど、庭園に行く途中の廊下でも季節の花が咲き乱れていた。
「とっても綺麗···」
「ここも庭師が手入れしてくれてるから毎日綺麗な花を見れるよ。ティナにもっと城にあるいろんな場所に咲く花を見せてあげるね!」
「ふふふっ、これは毎日城に来てっ事ね」
「そうだよ?毎日一緒にこの景色を見ようね!それとたまにティナの家にも遊びに行きたいな」
「我が家に来るのはお母様に相談してまた連絡するわね」
「僕もスケジュール調整して連絡するよ」
2人で歩きながら話してるといつの間にかセオドリック専用の庭園に着き、お茶の準備がされた場所に着いた。
席は本来なら対面して座るが、セオドリックが侍女にいつの間にか指定したのか隣り合わせで座る配置になっている。
「さあ、ティナ座って」
「ありがとう!」
「さっきの話の続きだけど、まだそこまで講義も多くはないから近いうちに連絡するね」
「わかったわ!お母様にも伝えとく·····でもそうね、セオは王子様だから公務もこの先増えるから大変ね」
「まだまだ公務を任される年齢まで時間はいっぱいあるから、それまではティナとの時間にする予定だよ!···それに」
用意されたティーセットにお互い手を付け、2人共温かいお茶を飲みひと息着いた。
一国の王子となると年齢は幼くとも公務が出てくる。
隣国との交流も兼ねての交友会がまずは公務として出席する事が増える。
「それに?」
「これはまだ未定の話だけど、僕が7歳になったら公務が始まるんだ。まずは隣国との交友会が主な公務になるんだけど、それにティナも参加して欲しくて今、父上に打診してるんだよね···ティナはどうかな?」
婚約者ではあるが、公式発表をしてないので、王子と一緒に行動を共にする令嬢となると、皆に知れ渡ることになる。
セオドリックの発言にびっくりしたティナは持っていたティーカップをテーブルに置こうとしたら音を立ててしまった。
「ええっ?!私なんてただの一介の貴族なのよ?そこに私が参加するのはダメなんじゃないの?」
「ふふふっ、一介の貴族って···公爵家は貴族社会のトップだよ。それにまだ打診中ではあるけど、母上がティナの事を凄く気に入ってるから問題なく通る案件かなーって思うよ」
「お父様もその件については勿論知ってるのよね?」
「そうだね、宰相だし。むしろ直接執務室に行って話したから直ぐに話し合いしたと思うよ」
クスクスと思い出し笑いしながらティナに説明する。
「婚約発表なんてしてないし、本当に大丈夫なの?」
「従来の婚約発表するには年齢が少し早いけど、その隣国との交友会の時にする予定だよ!その方が隣国にも情報が行き渡るし、ティナを婚約者に選んでる事を知らない隣国やティナよりも下位の貴族から何通も縁談が来てるからいい機会だし」
「そうだったの?まだ私達子供なのに縁談が来るなんて···そうよね、セオはプラントン王国の王子様だもん」
何か胸の辺りがチクリとする。
何だろう···──
「ティナもその年で縁談はいくつも来てるはずだよ?婚約者が内定している事を知らない貴族から···多分あらかた公爵が揉み消してると思うけど」
「ええー!!お父様何も言ってなかったわ!」
「そりゃそうだよ。可愛いティナがそんじょそこらの子息になんて嫁に出すはずが無いよ」
「まだ子供だもん、考えてもなかった」
お互いにまだ子供であるが話してる内容はどこか大人びている。
それに···
セオドリックに縁談が来てると聞いてビックリして戸惑ったけど、それ以外の感情が私の中に有ることにも驚いた。
少し前のお茶会で初対面して、そのまま婚約者にセオドリックがなるってなって、そこからはお父様と一緒に登城し、セオドリックと一緒に過ごすうちに私の中でセオドリックへの想いが溢れ出てくる。
それにさっきセオドリックが隣国からも縁談が来てるって聞いて凄く胸の辺りがモヤモヤした。
この気持ちは···何?
「ティナ?縁談の話をして気分を害してしまったかな?大丈夫?」
「えっ···!?あ···だ、大丈夫よ!ちょっと考え事してただけ···うん」
「悩み事?それなら僕にも共有させて欲しいな!ティナにはいつでも笑顔で居て欲しいし、悲しい顔は似合わないよ」
セオドリックはそう言って少し沈んだ表情のティナの頬を優しく触れる。
「ふふっ、くすぐったいわ。セオ、心配してくれてありがとう」
「どういたしまして。それで?何に悩んでるの?」
ずっと頬を触られながら見つめ、ティナの悩みの種を聞くまで離してくれない雰囲気を醸し出す。
「うぅ···あ、あのね···私もこれが何なのかわからないんだけど、さっきセオにも私にも縁談が来てるって話をしてくれたでしょ?」
「うん、したね」
「その、セオに縁談がいくつも来てるって思ったら何か胸がモヤモヤして···これが何なのかわからなくて」
「!!」
「何かの病気なのかしら?セオ!私どうしよう!!」
切羽詰まった様子で話すティナにセオドリックは触っていたティナの頬を両手で挟み向かい合わせる。
「ティナ?それは私に来ていた縁談に対しヤキモチを妬いてるって思っていいのかな?それにそう感じてくれてるって事は少しは私の事を想ってくれてるって捉えていいのかな?」
「!?」
「胸の辺りがモヤモヤしたのは私に対して、好きという気持ちを抱いてると思っても···いい?」
セオドリックはティナに優しく問いかける。
前世では恋をする間もなく学業に専念したり、アルバイトに勤しんでた生活をしていたから、その感情がわからないままこの世界に転生してティナとして暮らしている。
それにまだこの世界に来て3年目だ。
このモヤモヤした想いがセオの言ってた通りヤキモチと呼ぶのかも正直わからない。
でも、セオの隣に私以外の女の子がいるのも凄くモヤモヤして、良い気分では無い。
·····これが、好きって気持ち
確かにそう自覚するとしっくりくる。
お父様お母様に対する親愛、愛情とは別の感情。
セオに私の事をもっと知って欲しい。
私もセオの事をもっと知りたい。
1人悶々と考え事をしているティナをとても愛しそうにセオドリックは見ていた。
ティナの頬を両手で挟む事は止めていない為、顔を覗き込む。
「ティナ?大丈夫?」
「ふぇっ···え?せ、セオが近い!!」
「1人百面相みたいな感じで表情がコロコロ変わるから気になって」
ティナはセオドリックの顔がとても近い事に茹でダコの様に真っ赤になる。
目の前には愛しそうに見つめながらも心配そうな表情を見せるセオドリック。
その表情をティナも見つめ返す。
「ん?·····ティナ?」
「セオの瞳ってとっても綺麗ね。私好き」
「っ!!」
「ぁっ!···あ、あの好きって、セオの瞳も好きって事で···その、わ、私セオの事」
「可愛いティナ、凄く恥ずかしがってるね」
「そ、そりゃこんな告白なんて、は···初めてだし、セオの顔がとても近いし」
「ふふっ、こんなに早くティナが僕の事を意識してくれたのは嬉しい!ティナ、大好きだよ。僕の一目惚れだからティナに一方的に想いを告げてるだけかと思ってたけど···でも、あまり無理はしちゃダメだよ?まだまだ僕達には時間がいっぱいあるからお互いの事一緒に知っていこうね」
「っ!!う、うん」
この会話が4歳と3歳がする内容では無いけど、セオドリックの純粋な告白と、私のセオドリックに対する感情の名前が分かってホッとする反面、とっても恥ずかしい。
これからもまだまだ一緒に勉学やマナー講義を一緒にするけど、こんなドキドキした状態が続くのは身が持つのだろうかとちょっと心配になる。
けど、セオドリックの事をもっと知りたいって思っちゃうのは良いことよね···
好き···ってとっても心がフワフワするのね。
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