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1人目の出会い···────

本編になります。

亀更新、文章力の皆無にすみません。

「やあ、ティナおはよう!今日はこの国の妖精について一緒に勉強しよう!」

「セオ、毎日出迎えなくても私ちゃんと行けるよ!」

「ふふふっ、僕が早くティナに会いたいから来てるんだよ。気にしないで」

「もー、恥ずかしいよ···」

「可愛いな、ティナは」

「うぅ···」



この間初対面して、セオドリックが私と婚約するという話になり、勉強を共に行うということにもなって最近ほぼ毎日登城してセオドリックと一緒に勉強するようになった。

毎日お父様と一緒に城に行くけど、セオドリックが出迎えしてくれるのがとても恥ずかしい。

一国の王子が公爵令嬢を毎日出迎えするのは些か大丈夫なのか?と疑問に思うけど、まだまだお互い4歳と3歳という事で目を瞑ってくれてるみたい。


まだ公には婚約者の公表をしてない。

私の立ち位置的には、お父様が陛下の弟で宰相という地位にいるので、回りからは今のところ何も言われない。

公爵家に縁のある貴族以外の、他の派閥貴族にも会ってはいない。

多分お父様とセオドリック辺りが目を光らせてるからなのかなーって思ってる。



「セオドリック殿下おはようございます。今日も我が娘をよろしくお願いいたします。帰りは我が家の侍従が迎えに行きますので」

「いや、昨日も言ったけど私が公爵家に送り届けるから侍従は来なくていい」

「!···ですが、今以上に娘1人に対し構い過ぎるのも他の貴族の手前いかがなものかと」

「外野には言わせておけばいい。この件に関しては既に決定していることであって、とやかく言われる筋合い等無いのだから」

「はあ···」


セオドリックは有無も言わさずサミュエルの意見を拒否する。



「殿下がそう言うのでしたら娘をよろしくお願いいたします。此方も非常時に備え、万全は尽くさせて頂きます」

「そうしてくれ。では、ティナ!先生がお待ちだから行こう!」


セオドリックはティナの手を取り家庭教師の居る部屋へ向かい始めた。

城の中とはいえ後ろに護衛を連れて向かう。



サミュエルはそんな2人を見守りつつ仕事場である執務室へと向かった。



「セオ、今日は妖精の加護について詳しい方からご教授下さるのよね?」

「そうだよ!もうティナも私も知ってる事もあるかもしれないけど、お互いに妖精王からの加護も受けてるから再確認も兼ねてって感じかな」

「私はまだまだ知らない事のが多いから楽しみかなー」

「そんな事言って、この間なんて先生の質問に対して複数の回答方法を話してたじゃん」

「あの時は前世の時の私が知ってた分野が偶々出ただけだから答えれたのよ·····」




ドンッ!


「きゃっ!」

「ティナっ!!大丈夫?!」




ティナ達はお互いに見合って会話しながら廊下を進んでいた為、曲がり角から来る人に気付かなかった。

弾みでティナは尻餅をついてしまいそうになったが、セオドリックがすかさずティナの手を掴み倒れることはなかった。




「っ!!た、大変申し訳ありません!!私の不注意でぶつかってしまい······っ!!」

「いや、私達も話しながら歩いてたのも悪かった···ってクラークじゃないか!」

「あ!セオドリック!やっと見付けた!今日は俺と一緒に勉強するって約束してたじゃないか!」

「あー·····そうだったね、ごめんごめん。つい私の婚約者に夢中になってしまって他の予定が抜けてたよ」

「!?·····その年でしっかりしてるお前にしては珍しいな」

「君に言われるのは嬉しいね」

「はぁ·····そちらのご令嬢がセオドリックの婚約者?」



一国の王子であるセオドリックと対等に話をするのは誰だろう?


そんな疑問を頭に浮かべながらセオドリックとぶつかった相手を交互に見やる。

それに気付いたセオドリックはティナに相手の自己紹介をする。


「そうだよ。ティナ、紹介するね。こちらは摂政の子息でクラーク·プラント·アザレアだ。」

「お初にお目にかかります。クラーク·プラント·アザレアと申します。先程は私の不注意でぶつかってしまい申し訳ございません」

「私の方も不注意によりぶつかってしまいごめんなさい。ミュゲ公爵家の長女ティナ·プラント·ミュゲと申します」




ニコッと微笑みながらカーテシーと共に自己紹介をするティナにクラークは息を飲む。

「っ!!」


アザレア侯爵家の長男クラーク·プラント·アザレアはセオドリックと同年の4歳。

摂政を父に持つクラークもまた4歳にして勤勉であり、聡明。

将来の次期摂政になるべく幼い時から勉学、体術、剣術等を学ばれてるらしい。


この間、お父様に貴族関係図とそのご子息ご令嬢について聞いたことを思い出す。



「ティナ、僕とクラークは君と出会う前からの付き合いなんだ。クラークの父親である摂政のアザレア侯爵と一緒によく城に来ていて、同年ということもあり僕と講義を受ける事が多いんだ」


セオドリックからクラークとの関係性を教えて貰ったが、当の本人はティナの可愛さに見惚れてしまい頬を赤らめていた。


「?···クラーク様?どうかされました?」

「クラーク?」

「······あ、いや、ティナ嬢に会えて嬉しく思います。とても可愛らしいお方ですね」

「ぇっ!そ、そんな!まだお会いしたばかりですが、お褒め下さるなんて!お恥ずかしい」

「クラーク!!ティナは私の婚約者だぞ!!」

「何だよ、セオドリック。ティナ嬢に本当の事を言ったまでだろう!可愛い人に可愛いと言ったらダメなのかよ!」

「ティナが可愛いのは事実だが、私の婚約者だということを忘れないようにな!!ティナも僕以外の男性にあまり関わってはダメだよ?可愛い君と会うと男性が皆虜になってしまう」

「セオ!そんな大袈裟よ!私なんて至って普通の女の子だし!」



女の子に対して可愛いって言葉は社交辞令だということは承知の上だ。

前世で可愛いとか言われなれてないから過敏に反応してしまう。

それよりクラークがとてもグイグイ来るタイプなんだと驚く。



「はぁ···ティナは今一度鏡を見て、自分がどれ程可愛いのか確認した方がいい」

「えー!これくらいの子なら貴族令嬢どこでもいらっしゃるでしょう?」

「自己評価が低いのもティナのいい所だけど、やっぱり自覚した方がいいよ」

「うーん···そうなのかしら」

「そうですよ!ティナ嬢!貴族令嬢の中でも群を抜いてとても可愛いので、今後お気を付けください!」

「ク、クラーク様まで仰るなんて···」




「セオドリック殿下!ミュゲ公爵令嬢!こんなところにいらっしゃったのですか!探しましたよ!」



ティナ達が立ち話をしていると、前から今日の講義の教師らしき人が探しに来てくれた。


「ルィエ伯爵、あれ?今日は魔法師団長が講義する予定では無かったですか?」

「はい、その予定でございましたが、師団長の方が急遽別の予定が入ってしまい、師団長にしか出来ない仕事内容でしたのでそちらに向かって頂きました。ですので、私が本日は代理で講義させて頂きます」

「そうだったんですか。私の方にはまだ連絡が来てなかったので、連絡が行き違いましたかね」

「大変申し訳ありません!師団長自ら連絡すると言ってましたが、あの性格上わすれているのかもしれません···はぁ」

「そうですね、あの師団長ですし。まあ、しょうがないですね」

「ありがとうございます!以後この様なことの無い様改善致します」


どこの世も上司が個性的だと部下が大変なのは一緒みたいだ。

ルィエ伯爵は少し疲れた顔をしてセオドリックに陳謝した。



「セオドリック殿下、その講義に私も参加したいのですが宜しいでしょうか?」


クラークはルィエ伯爵が近くに居るため、さっきみたいな砕けた話し方ではなく、ちゃんとした敬語を使ってセオドリックにお願いをした。


「クラークも講義を受けたいの?」

「はい!是非とも殿下とティナ嬢と一緒に受けたいです」

「別に構わないよ。ティナもクラークと一緒に講義受けてもいいかな?」

「ええ、こちらこそよろしくお願いします」



ぼそっ···

「ふーん····本当はティナと2人で受けようと思ったのに」


1人呟くセオドリックの言葉は誰も聞き取れないけど、ティナは影を落とすセオドリックが気になった。


「セオ?どうかした?大丈夫?」

「ううん、ティナ気にしないで。ちょっと残念だなーって思っただけだよ」

「残念?」

「そう、折角ティナと2人で講義を受ける予定だったけど、クラークも一緒に受ける事になったからね。ティナも了承しちゃったし」

「あ、ごめんなさい!セオと約束してたのに」

「別に構わないよ。ティナが僕の婚約者には変わらないし、学園に行くまでは僕とずっと一緒に講義受ければ誰と一緒だろうが気にはしないよ···けど、僕以外の異性と2人でとかは許さないけどね」

「ほぇっ!う、うん!分かってるよ!」



4歳児なのに独占欲丸出しですけど!!

まあ、私も友好関係は広めといた方がいいかなーっては思ってたから、セオも知ってる人の方がいいだろうし。

同性異性とも隔てなくお友達になれたら楽しいだろうし。


セオドリック、ティナ、クラークの3人は臨時講師であるルィエ伯爵と共に講義室である部屋へと向かった。

ご購読ありがとうございます。

誤字脱字等ありましたらご指摘ください。

よろしくお願い致します。

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