第7話 森に響く雄叫びと謎の少年
お読みいただきありがとうございます。
設定をねるのは難しいです。
多少強引かもですが…
第7話 始まります!
森の中を歩く。
だんだんと…歩く速度が速くなる。
いつのまにか…走っている俺。
俺:「ウォオオー!恥ずかしいィィ」
両手で顔を抑え、雄叫びを上げながら走っていく。
俺:「ヒィヤァア~!」
まさか…ノリノリで魔法を唱えていたなんて!
俺:「おわっ!」
木の枝に引っ掛かり、顔面から…地面にダイブする。
俺:「いったぁ!なんだよもう!」
起き上がりながら、叫ぶ。
声:(だいじょうぶ?)
なんだ…どこから聞こえる?
声:(こっちこっち)
木の茂みの方から聞こえる?
俺:「!…あの、なにしてるんだ?」
少年が…うつ伏せで倒れている。
少年:「いやー、お腹空いて倒れちゃって」
「君こそ大丈夫かい?」
俺:「俺はビックリして痛みが飛んだから…大丈夫だよ」
なんだコイツ?一人か?なぜこんなとこにいる?
少年:「大丈夫ならよかった」
「うわぁ!…大丈夫じゃないよ!血塗れのダラダラだよ?」
驚いて俺を見る。
言われて俺は、反射的に顔を触る。
手が血で濡れる。
俺:「なんかフラッと…く…る」
そこで意識が途絶えた。
声:「マ……マス……スター……マスター!」
目が覚める。
ヴァーリが泣きながら俺を呼んでいる。
俺:「…マスターって呼ぶなっていっただろう…」
俺は…そうだ…転んで…変な少年にあって…
俺:「ヴァーリ!…分かったから…大丈夫だから…」
ヴァーリを落ち着かせる。
ヴァーリ:「マスターが、血だらけで…ぇ…心配で…ぇ」
泣き続けるヴァーリ。
俺:「すまないヴァーリ…心配かけた」
「あと…マスターはやめてくれ」
少年:「まぁまぁ…いいじゃないか…」
「必死だったよぅ…彼女、あなたが倒れてから…」
「マスター、マスターって」
先程いた少年がニヤニヤしながら言う。
俺:「ん?傷は?」
頭に手を当てる…傷がない?
少年:「僕が治療しました!」
「出血がまだ回復してないので、しばらく安静にしててね!」
俺:「そうかありがとう…まだ頭がボーっとするな」
膝でヴァーリが泣いている。
俺:「すまない」
謝りながら…ヴァーリの頭を撫でる。
ヴァーリ:「マスター…」
まだ泣いているが、徐々に泣き止み始めた。
俺:「…で…お前は誰なんだ?」
「助けてくれた事には、礼をいうがアヤシイな」
少年:「ひどい!…僕はラシル!
「そして!通りすがりの吟遊詩人だよ!」
俺:「アヤシイ!」
強く言いすぎて…頭がクラクラする!
いや、ホント何コイツ?
ラシル:「えー!」
明らかに不満そうだ。
俺:「だってラシルくん…通りすがってないし、倒れてたじゃないか」
ラシル:「それはそうですよ…旅をするのが仕事だから」
「道に迷ったり、行き倒れたりもするのさ!」
俺:「嫌…だめだろ、行き倒れたら」
ラシル:「まぁまぁ、ハクさんも行き倒れみたいなものじゃないか」
手を振りながら言う。
俺:「ぐ…まぁ、そうなんだけど…」
ラシル:「まぁ…これも何かの縁って事で…」
「街道まで、一緒にいこうか」
俺:「まぁ…助けて貰ったみたいだし、いいけど…」
ラシル:「やったぁ!じゃあ僕歌おうか!」
俺:「なんでそうなる!モンスターが寄ってくるだろうが!」
「とりあえず、俺は疲れた…寝る」
「ヴァーリは?…寝てるし…まぁいいか」
ヴァーリが膝で寝てたので、座ったまま寝た。
――――――――――――――――
朝になって…大分回復したようだ。
俺心:森で野宿か…前の世界でも、やったことなかったな。
そういや、昨日あいつに名乗って無かったな。
一応名乗っておくか…でも呼んでたような…なら別にいいか。
ラシル:「お早うございます、ハクさん」
「朝の目覚めに歌はどうかな?…そうか…歌うね」
俺:「おはようラシル…歌はいらない!」
何この歌押しわ!!
ヴァーリ:「お早うございます、マスター」
俺:「おはよう、ヴァーリ」
あぁ…またマスターって呼んでるよ…
ラシル:「おはよう…ヴァーリさん」
「爽やかな朝だよ~歌はどうだろう?それでは歌おうかな」
俺:「ラシル…くん!歌はいりません!」
ラシル:「そうですか、残念だよ…ホントに残念だ」
「仕方ないか…ではまたの機会にとっておこうか」
朝食を用意し食べる。
食べたあと、また歌い出しそうなのですぐ出発した。
ラシル:「ごめんなさい!忘れ物をしました!」
街道に近づいたところで、そう言った。
ラシル:「取りに行きたいのだけど…一人では大っ変不安なんだ」
「ハクさん、一緒に来てくれないかい?」
「駄目ならここで、歌うよ?」
俺:「分かった…分かった」
あからさまな誘い…あやしさ満載だな。
俺:「何を企んでる?」
ヴァーリに聞こえないよう小声で伝えた。
ラシル:「いえ、ヴァーリさんの事でお話があっただけですよー」
俺:「わかった…付いてくよ」
何を考えてるかは不明だが、聞くだけ聞いてもいいかもな
―――――――――――――
―森の中 ~ヴァーリから見えないところ―
ラシル:「さて…ここまでくればいい…と思うよ」
「話はヴァーリさんについて…だよ」
「この世界であの子を召喚して、呼び方を変えたんだよね?」
俺:「なんのことだ?…お前は俺の何を知っている?」
ラシル:「とぼけても無駄だよ」
「僕、ハクさんとヴァーリさんに会いに来たから、ここにいるんだ」
「だから…見てられなくて助けに来たんだよ」
何も言えない俺に話を続ける。
ラシル:「あの子には悪魔の召喚により魔核という心臓があるんだ」
「このままでは…いずれ死ぬ、もしくは壊れてしまうんだ」
俺:「はっ?なんで?…そんな事わかるんだ?」
意味が分からない…疑問が頭の中であふれる。
ラシル:「何も知らないみたいだから説明するね…」
「召喚は、ハクさんが考えているような通常の魔法とは違うんだ」
「超難度の最上位魔法…で悪魔の卵について条件もあるみたいだ」
「ヴァーリさんは、かなりのレアケースなんだ。」
俺:「レアケースってなんだ…何が言いたい?」
ラシル:「最初にマスター認証はしただろう?」
「呼び名を変えたら、嫌がったはずだよ?」
「多分それが…不具合の原因だと思うけど…」
「とりあえず、寝ている時に術式を施したので問題ないよ」
俺:「なんで…そんなに詳しい?俺に教えるメリットはなんだ?」
ラシル:「僕は、ただ…あなたたちが心配なんだよ」
「今は…それだけしか…伝えられないんだ…ごめんね」
申し訳なさそうに言う。
俺:「まぁいいたい事は、いろいろある!」
「でも…悪いやつじゃないのは…分かるから…」
俺がそう言うと、ラシルはホッとしたような表情をした。
それに俺に危害を与えようとすれば、出来たはずだしな。
俺:「とりあえず、ありがとう」
ラシル:「いや、僕こそ勝手に…悪いと思ってるよ」
俺:「まぁいいさ…」
「これからどうするんだ?」
「街道までの約束だろ?」
ラシル:「ヴァーリさんに気まずいから、ここでお別れするよ」
俺:「そうか…色々聞きたい事があったが、またの機会にしよう」
ラシル:「うん…それじゃまたね」
言い終わると、風になり…消えた。
俺:「え?…消えた?」
突然の事に驚く俺。
俺心:本当なんなんだアイツ?
まぁ異世界だし、不思議なことも起こるだろう。
そう…無理矢理自分を納得させた。できるか!
―――――――――――――
―ヴァーリと合流し、街道を歩く―
俺:「なぁ、ヴァーリ…」
ヴァーリがこちらを見る。
俺:「これから…マスターって呼んでいいからな」
ヴァーリ:「はい!…マスター!」
本当に嬉しそうに返事をする。
俺:「ヴァーリ…仲良くやろうな…」
今はこれだけしか言えないが…彼女を作ったのは俺。
少しずつ、少しずつ…受け入れていこう。
(パァン)と遠くで音が鳴り響く。
俺:「今のは…銃声?…ヴァーリ!大丈夫か?」
ヴァーリを見る。
ヴァーリ:「大丈夫です、問題ありません」
俺を守りながら言う。
声:(中々やるじゃねーか…完全に仕留めたと思ったのによ…)
俺:「誰だ?」
どこだ?声からして近くにいるようだが…
ヴァーリ:「あそこです…かわいい」
続く
――――――――――――――――
マテリアル:「おいしいわ~」
ルビー:「そうね、仕事の合間のティータイムは格別ね!」
マテリアル:「そうだわ~デザートが足りなかったわ~」
ルビー:「あーそうね、私の分もお願い…ってそうじゃなくて!」
マテリアル:「なによ~急に~」
ルビー:「あいつ!誰なのよ!」
マテリアル:「ラシルくんでしょ~」
ルビー:「知ってるの?」
マテリアル:「さぁ~分からないわ~でも悪い子じゃないわね~」
ルビー:「…まさか…あの」
マテリアル:「すと~っぷ!それは~またの機会にね~」
ルビー:「あーもう!なんなのよ?ホントに誰よ…あいつ!」
いかがでしたでしょうか?
会話が多くなると入力が長い…です。
再度になりますが、お読みいただきありがとうございました。