第5話 戸惑いと騎士団…あと喜び
お読みいただきありがとうございます。
小説?は難しいですが…楽しいです。
今回文字数ちょっと多めです。
読みづらいかもしれませんので、ごめんなさい。
では、始まります。
夕暮れを、過ぎ夜になった。
今日は満月か…この世界にも月があるんだな。
三頭の合体魔獣を倒した…俺の黒歴史。
月明かりで、銀色の長い髪がキラキラ輝いている。
(シャキン…シャキン)とゆっくりと音を立ててこちらに近づいてくる。
碧色の雷を使うからこう呼ばれた…天雷の碧姫と。
俺心:イイヤァア!
本人の前で叫ぶわけにもいかず…心でさけぶ!
ヴァーリ:「マスター?…マスター!」
俺に向かって呼びかける。
俺:「すまない…呆けていたようだ…」
聞こえていたが、現実を直視できない。
どう接したらよいか?をうつむき…考えていた。
ヴァーリ:「マスター?」
首をかしげながら、上目遣いでこちらを見る。
俺:「すまないヴァーリ…マスターはやめてくれないか?」
「恥ずかしすぎて、顔から火が出そうだ」
もう、出てるんじゃないかと思う。
ヴァーリ:「マスターはマイマスターです!」
「私の創造主でありマイマスターです」
「でも、マスターがそう望むなら…そうします」
俺:「そうだな…俺はこの世界に来たばかりだ」
「なにも知らない世界で、他の転送者もいると知ったから…」
「うーん…(ハク)で…どうだろうか?」
マスターマスター呼びすぎだっつーの!!
ヴァーリ:「マス…いえ…ハク様、ここは…どこでしょうか?」
一瞬躊躇しながら、呼び方を変える。
悲しそうだな…でも、耐えられないからごめんなさい!
俺:「そうだよな…ゲームの世界から来たんだもんな」
「いや…俺も来たばっかなんだけど、ここはケンウッド村の近くだよ」
出きる限りの情報を伝える。
ヴァーリ:「はい…分かりましたマス…ハク様」
「とすると…これからどうされますか?」
俺:「そうだな…とりあえずヴァーリ…君の事を調べたい」
ヴァーリ:「え…ななな何をですか?」
真っ赤になりながら、うつむくヴァーリ。
俺:「いや…ステータスだよ、ステータス!」
「ヴァーリが俺のプレイしていた、ステータスかどうかだよ」
「確か…結構やりこんだ筈だったから」
なぜ…こんな反応なのだろう?赤くなっている…?
ヴァーリ:「分かりました…どうぞ!」
少しガッカリしたように、腕をだし宝石が光る。
情報が立体的に表示される。
ヴァーリ:クロエルト
種族:黒闇の戦乙女
性別:女
称号:雷術技の支配者 猪突猛進 XXXXX
スキル:聖騎士 武士道 格闘王 XXXXX
魔法系統:XXXXX
XXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
突然…ザザッと砂嵐のような画面になり消える。
ヴァーリ:「あれ?…あれ?…」
壊れた家電のように宝石を叩く。
ヴァーリ:「…表示できません…ハク様、申し訳ございません」
俺:「大部分のスキルが、XXXXXだったな…なぜだろう」
「うーむ…なにか条件でもあるのか?」
「…異世界召喚の制限…と言う可能性も考えられるな…」
あっ!もしかしてさっき落とした時の…?
家電じゃあるまいし…黙っておこうか…。
俺:「あとは…魔法は使えるのか?」
ヴァーリ:「魔法は…使えないようですね」
腕の宝石を叩きながら答える。
俺:「そうか…」
まぁ使えなくても、俺が少し使えるしな。
ヴァーリ:「えーと…ですが、アイテムボックスは使えそうです」
残念そうに思ったのか、慌てて答える。
俺:「おー!いいな!当面の問題がほぼ解決されたぞ!」
「でかした!ヴァーリ」
ヴァーリ:「喜んでもらえて私も嬉しいです!」
これは、本当に重要だ…何でも入るアイテムボックスだからな。
俺:「じゃあ…とりあえず3匹とも入るかな?」
と…あたりを見回すが…そうでした…2匹は縦割りにしたんだっけ。
血塗れの惨状を思い出す。
俺:「間違えた…1匹分でいいかな」
ヴァーリ:「かしこまりました」
ケルベロンの頭X3 ケルベロンの体を手に入れた。
俺:「そろそろ…」
言い終わる前に、声が聞こえる。
(おーい!大丈夫かー!)
甲冑に身を包み…颯爽と馬に乗って、騎士団が現れた!
身分の高そうな男:「私は王国軍騎士団団長のハインリヒ=タイナー=ビスマルクである」
馬に乗り、精悍に答える。
お付きの兵士「ウルフルの群れに襲われてると報告を受け、討伐に参ったが…対象はどこか報告せよ!」
厳しく強い口調で威圧的に答える。
俺:「俺はハクと言います…こちらはヴァーリです」
「…全部かは不明ですが、俺たちが倒しました」
ビスマルク騎士団長:「ほう…たった2人でか…面白い事を言う!」
馬上から、見下ろすように話す。
ヴァーリ:「ハク様は本当の事を言ってます!」
可愛い顔が、騎士団に敵意を向ける。
俺:「ちょっと!タンマタンマ!…」
「ヴァーリ!落ち着こうか…お願いだから!」
今にも、斬りかかりそうだ…。
いくら直情型に設定したからって考えて~!
ビスマルク騎士団長:「…さっさと本当の事をいってくれないか…」
お付きの兵士:「そうだぞ、騎士団長のご命令だぞ!」
ビスマルク騎士団長:「やめたまえ!ロイド副長」
ロイド副長:「はっ!申し訳ございません」 一瞬でさがる。
ビスマルク騎士団長:「申し訳ない、私たちにも面子があるんだ」
「…騎士団が出撃して、何もいませんでした…では納得できないんだ」
「何か…そう!討伐した証拠はあるのかな?」
ヴァーリ:「証拠なら…ここにあります!」
アイテムボックスから、取り出す。
ボトンボトンボトンドスンと、頭と体が地に落ちる。
ビスマルク騎士団長:「ほぅ…見事な切り口だ、コレは君が?」
俺に向かい問いかける。
ヴァーリ:「いえ…わたしが倒しました」
ヴァーリが答える。
ビスマルク騎士団長:「ハハハハハ…なるほど…そうか」
突然笑い出す騎士団長!
ビスマルク騎士団長f「いやぁすまない…」
「では討伐完了したと報告しておこう」
「少ないがコレを渡しておこう…討伐金だ、受け取りたまえ」
俺にお金の入った袋を渡してくる。
ビスマルク騎士団長:「こちらは、代わりに貰っていくぞ」
ケルベロンの部品を持っていく。
ビスマルク騎士団長:「ちなみに、ジョセフとやらは無事に村に送り届けたので心配はない…では、王国巡回の任に戻るとしよう!」
「帰るぞ、騎士団…出発!、ではさらばだ!」
走り去る騎士団。
俺:「はぁ…何だったんだあいつら?」
ヴァーリ:「王国軍騎士団と仰ってましたね…」
俺:「そうじゃなくて…まぁいいか、村に戻るか!」
ヴァーリ:「はい!」
ニッコリと笑顔で笑ってこちらを見る。
先程までの騒がしさが消え去り、丘の静けさが残る。
ヴァーリと共に村へ戻る。
―――――――――――
村の入り口で、神妙な面持ちのジョセフさんとバース夫妻が待っていた。
ジョセフ:「よかったぁ!よかったぁ!」
「おら、無事で…本当になによりだよぉ!!」
泣くほど…嬉しいのか?
見てると無事に帰れて良かったと思う。
バース:「本当に良かったなー!」
「ほら…おまえもそんなに泣くなよ…困ってるだろう」
ジョセフ:「ちなみに…そちらのお嬢さんは誰だ?」
ヴァーリを連れてきた俺に問いかける。
ヴァーリ:「初めまして、私はヴァーリ=クロエルトと申します」
「ハク様により、つく…」
俺:「新しく出来た仲間なんです」
言葉を遮ってジョセフさんに伝える。
ちょっと勘弁して…変なやつだと思われるじゃないか!
ジョセフ:「いや…でも、ハクって誰だ?」
俺心:しまったー!ヴァーリに説明して無かったわ…どう説明する?
俺:「あだ名なんですよ…」
苦しいか?…ジョセフを、ちらっと見る。
ジョセフ:「じゃあ、おらもハク君って呼ぶから」
俺:「えぇ!是非お願いします!」
かなり不自然に苦笑いしながら答えた。
イリーナ:「さぁさぁ!無事に帰れたんだ、ご飯にしよう」
「かわいいわ…ヴァーリちゃんもよろしくね!」
ヴァーリ:「よろしくお願いします」
少し戸惑いながら、笑顔で答える。
ジョセフ:「じゃあ…おら、村長に心配かけたからちょっと伝えてくるだ!」
バース:「まったく…あいつは昔からあぁなんだ」
「まぁ、仲良くしてやってくれると助かる…今日は泊まってくんだろ?」
俺:「そうですね…ジョセフさんさえ良ければ」
バース:「あいつが、嫌がるわけないじゃないか…」
ジョセフ:「おーい!」
「伝えてきただ、今日は遅いし泊まっていくだろう?」
俺:「ありがとうございます、よろしくお願いします。」
イリーナ:「じゃあ…ヴァーリちゃんはうちで預かるから!」
ヴァーリ:「えっ?…あの…」
戸惑うヴァーリをイリーナさんが引きずっていった…
――――――――――――――――――――――
寝床にて…
ジョセフ:「明日はどうするんだ?」
俺:「お世話になって申し訳ないですが、町に行こうと思います」
ジョセフ:「そうかぁ町か…心配だな…」
俺:「何かあるんですか?」
ジョセフ:「いや…街道沿いにデカい魔獣が出るって噂だから」
俺:「なるほど、気を付けます」
魔獣か…ケルベロン見た後だと…なぁ…。
ジョセフ:「明日早く出た方がいいから寝るかぁ」
俺:「そうですねおやすみなさい…」
続く
今回、ヒロイン登場後のシーンなので、
大部説明が長くなり、ごめんなさい。
再度になりますが、お読みいただきありがとうございます。