第43話 重なる鎖
ご覧いただきありがとうございます。
久しぶりの更新…です。
間隔が短くなってきてるの…かな?
では第43話 始まりです!
黒煙は手の形に成る。
それはヴァーリを荒々しく掴み、意識を断ち切る。
手:サテ…コイツの〇〇を奪うノか。
…ソレダケじゃつまらんなァ?
手の声は捕まったヴァーリにのみ聞こえる。
俺:「ヴァーリ…聞こえるか?」
返事はなく問いかけのみ。
ヴァーリ:「くああ!」
手は小指から順番に力が強くなっていく。
更に握りしめる様に…締め付けていく。
俺:「何して…このぉ!」
呻くヴァーリを助ける為、思い切り拳を放つ。
しかし、スカッと拳は振りぬける。
俺心:手応えがない?
手には俺の拳は当たらない。
まるで、宙に浮く煙を払うかの様。
拳を放った場所が…一瞬黒煙に変わるだけ。
クマ:「どいてろ!…2弾でも散弾!」
俺:「くっ!」
クマの声を聞いて地面に掌を触れて飛び退く!
弾丸は散弾へと変わって、光る軌跡を残す。
そして、無数の弾丸が手を貫く。
クマ:「やった…か?」
穴の空いた手は直ぐに形を取り戻す。
クマ:「なに!?」
弾丸は黒煙をすり抜けてしまう。
俺:「!?…コレもダメなのか?」
ヴァーリ:「うっ!」
そして変わらずヴァーリを締め付ける。
オウル:「…無駄じゃ…何故なら」
トウマ:「馬鹿じゃねぇのか…お前ら?」
オウルの声を遮り…言い放つ!
トウマ:「コレはババァ特別な召喚なんだぜ!」
オウル:「そう…呪召喚じゃ!」
「呪いの根源たる、魔族を召喚する!」
「魔族直接により人間の呪いを超える力じゃ!!」
俺:「解説ありがと…う!」
「でも!…今の俺にはコレしかないんだよぉ!」
「クマ…援護は任せた…うおぉぉお!」
トウマ:「無駄っつったろ?…馬鹿じゃねぇのか?」
俺心:殴りながらでも考えろ!
俺がコイツと戦う意味はある!!
クマ:「任せな!」
銃を構えて撃ち続ける。
俺:「うおぉぉ!」
黒煙に向かって殴り続ける。
俺心:何故だ…オウル達はどうして攻撃してこない?
トウマ:「アイツ…まだ諦めねぇのか!」
ジリと一歩前に踏み出す。
オウル:「待て、トウマ…動くな!」
トウマ:「チッ…分かってる!」
俺心: アイツら…もしかして?
考えてる時間もない、これしか…ない!
手:うっとおしイな!…気が散るワァ!
ヴァーリにしか聞こえない声。
ヴァーリ:「マスター?…!」
苛立つ手の声がヴァーリを起こした。
ヴァーリは感じる…諦めない俺達の事。
もう一度こころが奮い立つ!
ヴァーリ:「くっ…体は動かない」
「私が出来る事!…ふうう…はっ!」
それはスキルにもならない基本的な事。
雷を体から放ち…再度暴れだす!
手:「ムムム…なんダコイツは?」
注意がヴァーリに向く。
手は雷を抑え込む。
俺:「後、少しだ…ヴァーリ!!」
引きつけている間に準備を終わらせる!
オウル:「ほほぅ…なるほどのぅ!」
俺:「うっ!」
オウルの強い視線が突き刺さる!
俺心:不味い…感づいたか?
あと少し時間が欲しかったけど今しかない!!
俺:「俺の願いよ…届け光!集まり鎖となれ…ライトバインド!」
地面から光の鎖が現れる。
俺:「まだだぁ!…ライトバインド…ライトバインド…ライトバインド…ライトバインドォ!!!」
唱えるたびに光の鎖が更に発動する!
俺:「これで…どうだぁ!」
手をぐっと握り…強く思う!
それは鎖を編むイメージ!
光の鎖が光の網に繋がっていく。
マリル:「光の鎖を光の網に?…これは多重詠唱?」
「凄い…やはり、マスターと同じ…なの?」
光の網はヴァーリを捕まえた手を捕らえる!
俺:「来い…ヴァーリぃ!」
光の網を力強く引き…手を引き裂く!
手に捕まったヴァーリを引き摺り出した!
ヴァーリ:「うう…」
黒煙の影響からか倒れたまま。
俺:「よし!…成功!」
俺心:しまった…これフラグになるのか?
手:「グァぁああ!」
手の形だった黒煙。
引き裂かれて一塊の黒煙まで小さくなる。
俺:「見たか…手だけの下級魔族が!」
俺は心の中でガッツポーズをする。
ビシッと指を差す!
手:「オウル!…俺に体をヨコセ!」
「コイツらに身の程を教えテヤル!」
オウル:「ふむ…先程の魔法は素晴らしい」
手:「聞いてルのか?…オウル!」
オウル:「あ〜…すまんかったのぅ」
「もう十分じゃ…消えて良いぞ?」
パンと手を叩くと黒煙が完全に消えた。
トウマ:「あぁ?…今度は俺の番だ!」
オウル:「トウマ…もういい!」
トウマ:「これも…ババァの予想通りか?」
オウル:「そうじゃないわい…」
「出来れば今、ヴァーリを止めたかったの…う」
ガクッと力が抜けてよろめく。
トウマ:「ババァ…引くぞ!」
俺たちをキッと睨んでいる…そんな気がする。
オウル:「そうじゃな…成果はあるからのぅ」
体をパンパンと叩きながら言う。
「それに…種は蒔いたしのぅ」
チラッとヴァーリを見る。
マリル:「待ちなさい!…逃がさ…」
最後まで声が出ない。
オウル:「無理をするでない…大事な半身よ」
体が抱き抱えられた様に浮く。
トウマ:「次は倒す!」
ボンと煙が辺りを包む。
マリル:「…いないわ」
煙は直ぐ消えるも…オウルとトウマは居ない。
俺:「忍者みたいだな…」
ボソッと言う。
クマ:「ニンジャ…?」
俺:「えーっと…ちょっと似てたんだよ」
俺心:忍者が通じない…のかぁ。
ヴァーリ:「…うーん」
俺:「あっ!…ヴァーリ起きたか?」
俺心:おっけぇ!…ナイスタイミング!
ヴァーリ:「マスター…!」
クマ:「無事か…ヴァーリ?」
ヴァーリ:「クマ…ありがとう…大丈夫よ」
クマ:「なら…問題ない」
マリル:「みなさん…ごめんなさい!」
突然頭を下げる。
俺:「お!…おっお…おう?」
俺心:超ビックリ〜?
どうしたんだ…マリルは?
クマ:「…アイツらは何者だ?」
後ろから声がする。
俺心:ソレ!…俺もソレ知りたかった!
流石クマさんだね!
マリル:「オウルとトウマはギルドで手配中の賞金首です」
俺:「ふーん…」
俺心:なに!…ヤバい奴…そうだろうなぁ。
冷や汗がタラリと出る。
ヴァーリ:「どんな賞金首なんですか?」
マリル:「それは…」
バタッと倒れた。
俺:「マリル?!」
マリル:「………」
俺心:声をかけるが返事がない…屍のようだ。
ヴァーリ:「マスター!」
マリルを揺すりながら呼ぶ。
俺:「スマンスマン…ボーっとしてた」
「マリル…大分、攻撃されてたからなぁ」
俺:「とりあえず…安全なトコに連れてこう」
「よっ!」
マリルを抱き抱える。
ヴァーリ:「!!!」
声にならない声を出す。
俺:「どうした…ヴァーリ?」
ヴァーリ:「いえ…なんでもないです」
背中を向ける。
俺:「ん?…ならいいんだが?」
向こうを向いてるヴァーリ…ちょっと気になる。
クマ:「オイ…光ってるぞ?」
後ろから俺に言う。
俺:「はっ?…何が?」
クマを見るが…何処も光ってない。
クマ:「マリルが光ってる…」
ヴァーリ:「…本当です」
俺:「え〜?」
俺心:マジだった〜…手の中で女の子が光ってる!
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ルビー:「ふう…ついに出たわね」
マテリアル「いつにも〜増して〜変だよ〜?」
ルビー:「…今日は別に怒らないわよ」
マテリアル:「あ〜やっぱりそうなんだ〜」
ルビー:「え…なにが?」
マテリアル:「いつも怒ってたんだね〜♪」
ルビー:「違うわよ…いやそうじゃなくて!」
マテリアル:「あの魔族〜?それとも魔法〜?」
ルビー:「はぁ…呪召喚よ呪召喚!」
マテリアル:「あの手だけの事〜?」
ルビー:「そうよ…魔族を呼び出して直接放つの」
マテリアル:「知ってるよ〜?」
ルビー:「アンタは黙ってなさい!」
「とにかく…ヴァーリが心配…ね」
マテリアル:「大丈夫でしょ〜」
「だって〜悪魔からの〜プレゼントだし〜」
いかがでしたでしょうか?
近いうちに更新したいです。
まぁ…希望です。
ではここまでお読みいただきありがとうございました!