第42話 刹那の暴威
お読みいただきありがとうございます!
久しぶりの更新です!
中々…展開が読めません。
では第42話…始まりです!
???:「あ〜あ…オレがやるつもりだったのにぃ…」
少し気怠げな高い声。
(カツ…カツ)
足音が少しずつ近づいてくる。
「誰だ!」
俺は問いかける。
???:「…はぁ」
誰かのため息の音。
俺:「何も…いない?」
俺心:なんなんだ?
声の主がいない。
足音だけが通り過ぎる。
クマ:「…気を抜くな!」
何もない空を睨んでいる。
クマ:「みんな!…気をつけ…」
殺気を感じ、声を荒げる!
(ドゴッ!)
俺の後ろから低い打撃音が耳に届く!
(ドガーン!!)
続いて…壁に叩きつけられる音!
(パラ…パラ…)壁が崩れる音。
俺:「一体…何が?!」
突然の出来事に理解が追いつかない!
崩れた壁に視線を向ける。
壁にはマリルが叩きつけられていた。
マリル:「うっ!…くぁ!?」
呻きながら立ち上がるが、ダメージは重い…
膝から崩れ落ちる。
???:「何してくれてんだ…オイィ!」
何者かの声が怒り狂う!
マリル:「きゃぁ!」
目に見えない襲撃で体勢を立て直せない?
???:「おらぁ!…聞いてるのかぁ?」
声と共に(ドゴ!)と音がして壁が振動する。
クマ:「む…?!」
それはマリルに攻撃が当たる瞬間!
襲撃者が…一瞬だけ見える!
???:「おらぁ!…おらぁ!」
壁にマリルが殴り付けられ…宙に浮いていく!
それは壁に磔にされた様だ。
俺:「今…助ける!」
襲撃者に向かっていく!
マリル:「ぐっ…」
どうにか壁から離れようとする…
しかし攻撃は止まらない!
???:「お仕置きだぁ…とっておきをくれてやる!!」
空間の一点が歪む…それは拳大!
相手の姿は見えない…声は聞こえる…
しかし確実にマリルは目の前にいる敵を感じてる!
マリル:「はぁぁ!」
声を上げて腕を振り上げる!
???:「あぁ?…させねぇよ!」
マリルの首を掴む。
マリル:「…あ!…っ…!!」
呻き声と共に反撃が途絶える!
???:「それで…抵抗のつもりかよぉ?!」
「オイィ…聞いてんのかぁ!」
(ドゴ!…ドゴ!)と2回踏み鳴らして床が砕ける!
マリル:「がぁっ!…あぁ!」
???:「ん?…あぁ…喋れないのか!」
俺:「マリルを離せぇ!」
そこにいるであろう襲撃者に回し蹴りを放つ!
???:「うるせぇ!」
軽くいなして俺を投げる!
俺:「うおぉ!?」
3メートル程飛ばされ床に背中から落ちた。
俺:「がはっ!」
背中を強く強打して…息が出来ない!
???:「お前らの相手は、あとだあとぉ!!」
マリル:「…ぐぅ?!…はぁはぁ!」
???:「…はぁ…アハハハハ!」
マリル:「な…なにを?!」
???:「くらえぇ!…ブロオォオ!!」
歪んだ空間が放たれる!…マリルに向かう!
俺:「ヤバい…」
俺心:奴は異常だ…まずい!
オウル:「ふぅ!…やれやれ」
ヴァーリ:「貴方は!」
襲撃者に全員の意識が集中していた。
だから…復元したオババに気が付かなかった。
???:「あ〜?…なんで拳が動かねぇんだ?」
見えない力で見えない腕が止められた。
マリルを掴む手を外される。
マリル:「コホッ…ゴホゴホ!」
解放され…息を整える。
???:「それに誰だ…お前?」
オウル:「ワシじゃ…ワシ」
???:「あぁ?…なんだ生きてたのか…チッ!」
「今度はガキになったのか…ババァ!」
一瞬でオウルがオウルだと理解する。
オウル:「…!!」
(スパーン!)と一撃が入る!
???:「ぐわ!?…何しやがるババァ!」
オウル:「お前は…何回言っても…」
???:「ババァはババァだろ…ガキになっても!」
オウル:「ややこしいわ!」
俺:「お前だわ!」
俺心:老婆が子供…それだけでもややこしいのに!
オマケに名前まで略してオババって…もう!!!
俺:「しまった…つい口が滑った」
オウル:「おっと…やはり歳は取りたくないのぅ」
「意識が逸れる…身内がやりすぎたかのぅ?」
マリル:「いえ、ご心配なく…全然効いてませんから」
???:「あぁ?!」
声だけが聞こえるが…きっと睨んでいる。
ヴァーリ:「本当ですか?」
心配そうに聞く。
俺心:やめてあげて!…そこ詰めないで!
さっきゴホゴホ言ってたし…かなり呻いてたから!
オウル:「オホン…そうか、まぁよいわ」
「さて、次は…!」
ジッと睨みつける!
俺達は全員…殺気を感じ体勢を立て直す!
オウル:「フゥ…ワシの欲しいのはマリル…お前じゃ」
マリル:「…させな…い!」
声を絞り出す。
ヴァーリ:「私が相手です!」
マリルを庇って剣を向けた。
オウル:「むぅ…ヴァーリか…厄介な」
「また邪魔をされては面倒じゃな…トウマ!」
トウマ:「あぁ?!」
オウル:「ワシを守れ…!」
トウマ:「あぁん?…何で俺がぁ!」
オウル:「そうか出来ないのか…ならいい」
トウマ:「出来るわ!…諦めんな!」
オウル:「いいわい…やりたくないんじゃろう…?」
はぁーと溜め息をつく。
トウマ:「出来るって言ってんだろーがぁ!」
「もういい!…俺が勝手にやってやらぁ!」
オウル:「無理しなくていいからなぁ!」
トウマ:「うるせぇ!」
オウル:「ふふ…昏き闇より我…オウルが呼ぶ!」
魔法陣が発動…床が光っていく。
クマ:「させるわけないだろう!」
銃の引き金を引く。
トウマ:「邪魔するんじゃねぇ!」
銃を蹴り上げる!
「我が力を糧として、あるべき事象を覆さん!」
魔法陣からゴゴと音が鳴り黒煙が噴出する!
ヴァーリ:「くっ…これは?」
黒煙がヴァーリを包む!
俺:「何をしている?」
トウマ:「お前には関係ねぇ!」
言葉と同時に見えない攻撃がハクを襲う!
オウル:「ぐうっ…顕現せよ…魔族祭壇!」
黒煙が立ちのぼりオウルを覆い隠す。
クマ:「ぐわぁ…なんだこの悍ましい臭い!」
鼻を抑えて転がる。
トウマ:「やっとか…この臭いが最悪なんだぜ?」
—黒煙内—
オウル:「契約じゃ…我の血で扉を開けろ!」
祭壇という名のどす黒い沼に血を垂らす。
沼は紫色の怪しい光を放つ…
(ジャバァ)と沼から怪しい腕が出てくる!
腕はジャラジャラと貴金属を付けていた。
オウル:「久しぶりじゃなぁ…!」
手:「オォ…オオ!」
「ギャハハ…ササゲモノはマダかァ?」
その掌には目玉が無数にある。
一際目立つのは真ん中の大きな目玉。
全ての目がオウルを睨みつける。
オウル:「醜悪な掌じゃ…相変わらず!」
手:「オマエの顔もナ!」
声は何処から出てくるのか…
喋りながら目玉がギョロギョロと動き続ける。
オウル:「依代は黒煙でよいじゃろぅ?」
「ヴァーリの〇〇を奪うのじゃ!」
手:「贄は何ダ?」
オウル:「ヴァーリの〇〇で十分じゃろう?」
手:「…ワカッタ」
—黒煙外—
戦闘中…クマと俺が戦っている。
トウマ:「もう慣れたのかぁ?…デカケモノ!」
クマ:「慣れるわけ…ないだろう!」
放たれる弾丸は当たらず…行き場を失い壁へ。
俺:「ヴァーリに何してんだ…お前は!」
トウマ:「何かしてんのは…ババァの方だろうが!」
見えない連打で崩れ落ちる。
俺:「ぐはぁ!」
トウマ:「でも…もうそろそろかぁ?」
ヴァーリ:「くっ…」
辺りを縦横無尽に駆け回る。
しかし…黒煙を振り切れない。
黒煙が徐々に目に見える形に…手になろうとする。
ヴァーリ:「やぁ!」
連斬りにより一瞬…手が散り黒煙に変わる。
しかし黒煙から手に変わるのは一瞬。
ヴァーリ:「また…マスターごめんなさい!」
黒煙はゆっくりと標的を握る。
俺:「またか…またなのか?」
嫌な予感が消えない…
――――――――――
ルビー:「あぁ…透明化かぁ」
マテリアル:「でも中途半端じゃない〜?」
ルビー:「そうかもね…でもそうとも言えないかも?」
マテリアル:「何が〜?」
ルビー:「いや…見えないと心眼?…的な展開になるじゃない?」
マテリアル:「そうかもね〜」
ルビー:「でも今回はそうじゃないのよ!」
マテリアル:「そうかなぁ〜?」
いかがでしたでしょうか?
話を書くと…どうしよう?
でも…こうすると…こうなるかな?
とか、色々考えるとアタマが爆発しそうです。
更新…大分遅くなってます…ごめんなさい。
長く…そして優しい目で見守っていただけたらと。
ここまでお読みいただきありがとうございました!