第37話 世知辛い
ご覧いただきありがとうございます!
第37話!…始まりです!
アザラに促された建物の前に立つ俺。
俺:「ココ?」
聞いてみるが…もういないので勿論返事はない。
建物は…驚きの大きさだった。
俺:「小さい!」
俺心:ナニコレ!…俺は怪獣か何かですか?!小さすぎるやん!…入れないよコレ!
ミニチュアの建物の前をウロウロしながら考える。
「うるせぇ!」
いきなり、甲高い声がする、
俺:「おわっ!…なんだなんだ!」
驚いて飛び上がる!
(ドン)と着地する。
謎の声:「こらー!…うるせぇって言ってんだろが!」
俺:「???」
声は聞こえるが…姿は見えない。
謎の声:「下だっつーの!…気づいてるだろお前!」
俺:「下?」
下を向くと親指ぐらいの人…が喚いている?
小人:「……」
何か言ってるが聞こえない。
俺:「え?…なんて?」
小人:「やっと気付いたかって言ったんだぁ!」
甲高い声で叫んでいる。
俺:「すいませーん!」
少し大きな声を出す。
小人:「うるせぇって言ってんだろうがぁ!…お前は普通で良いんだよ!」
俺:「あ…はい」
小人に言うと…小人に別の小人が話しかけている。
小人:「おいー!…そこにーボタンあるだろー?」
俺:「ボタン?…あ!…これか!」
建物の天辺にボタンがある…押してみる。
(シュルルル…)と目線が一気に地面まで落ちる。
俺:「うっ…脳が揺れた」
少し気分が悪くなった。
小人:「よう…大丈夫か?」
先程の小人…小さいおじさんが話しかけてくる。
俺:「いや…ちょ!…えっ?」
自分が小さくなった事を把握する。
小人:「どうした!…お前?」
俺:「小人になってるぅ?…え…戻れるのコレ?」
さっきの小人と同じくらいの大きさになっている。
小人:「一回落ち着けって深呼吸してみ?」
俺「スーッ…ハーッ…スーッ…」
小人に促され深呼吸をする。
小人:「落ち着いたか…?」
俺:「…はい、一応…」
俺心:落ち着ける訳ねーだろ!
小人:「そうか…オレはボヨー、お前は誰でココでなにしてたんだ?」
俺:「俺はハク、ここへは女の子が…」
俺心:とりあえず話さないと…確認が先だ
ボヨー:「女の子?」
俺:「そう!…ドアを出して突然消えた、アザラって言ってました」
ボヨー:「おぉ…アザラ、あの子かぁ…」
ボーッとして察したようだ。
ボヨー:「そうか…それで?」
俺:「えっと、この書類はどうしたら?」
書類を取り出す。
ボヨー:「ほぅ…ふむふむ」
書類を受け取り読んでいる。
ボヨー:「成程…分かった!」
俺:「何がです?」
ボヨー:「ハクは入学希望なんだな…」
「なら!…入学金100万ロゼを貰えるか?」
俺:「はっ?…」
驚いて固まる俺。
ボヨー:「ん?…聞こえなかったか…入学金だ?」
「100万ロゼだよ、100万ロゼ!」
俺:「100万ロゼ…入学金ですか」
金額をオウム返しし事実を口に出して確認する。
ボヨー:「そうか…」
俺の様子を見て呟く。
俺:「この金額は値引きされないのですか?」
俺心:入学金を値引きするって…出来ないだろうなぁ
ボヨー:「この金額は冒険者用の値引き価格だからなぁ…値引きは出来ないな、何かスマン」
俺:「はぁ…そうですか」
俺心:予想通りだな…はぁ、何か考えないとな
ボヨー:「…払えるようになったら、また来てくれ」
手持ちが無いことに気づいたようだ。
俺:「分かりました」
帰ろうとするが…気付く!
俺:「ちょっと!…どうやって元に戻るんですか?」
ボヨー:「おぉ!…そうだったそうだった!」
「俺達は魔法が得意じゃないから、ついてきてくれ」
建物の中の小部屋に案内される。
俺:「えっ?…何も無いですけど?」
ボヨー:「それでいいんだ…準備はいいか?」
俺:「準備って…何をどうしたら」
ボヨー:「そうだよな、その辺に捕まっとけ」
「それじゃあ行くぞ!…3…2…1」
俺:「えっ…えっ…えっ?」
無我夢中でその辺に捕まる。
ボヨー:「行くぞ?…0!」
(プシュー)と小部屋が煙に満たされる。
俺:「ボヨーさん?…煙が出てますけど?」
ボヨー:「大丈夫だって…元に戻る煙だから!」
「…ちょっとアレだけど」
俺:「ちょっとアレ?…どういう意味?!」
元に戻る所までは聞こえたが、途中から声が小さかったので嫌な予感がする。
煙が俺の全身を全て覆い尽くす。
俺:「おはっ!…ごほっ!」
喉まで煙が届いて咳をする。
俺心:苦っ…まずっ!…つかナニコレ!
煙を吸ってから数分、口の中に広がる不味さ。
ボヨー:「もういいかな…戻すぞ?」
俺心:「えっ?…何て?」
ボヨーが何か話してるがそれどころじゃないから、頭に入ってこない。
(ガコン!)と大きな音がする。
俺心:何だ何だ?
(シュボッ)と火が着いた。
(ボン!)と煙ごと俺は爆発した。
煙に悶えながら見た景色は…光る爆閃だった。
意識を失う俺。
――――――――――
ボヨー:「おーい…大丈夫かぁ?」
甲高い声が耳に届いてくる。
俺:「はっ!…ごほっ!ごほっ!」
目を覚まして、先程の爆閃を思い出す。
俺:「一体何が…?」
辺りを確認する。
ボヨー:「問題、無かったか?」
声が下から聞こえる。
俺:「あぁ、ボヨーさん…」
身体を触って、元の大きさに戻った事を確認する。
ボヨー:「無事、元に戻ったみたいだな…良かった良かった」
俺心:良かった良かったじゃねーし!
びっくりして死ぬかと思ったわ!
ボヨー:「入学金用意出来たら、また来てくれ」
イラつきに気付かず続ける。
俺:「はぁ…分かりました」
とりあえず挨拶して戻る。
俺心:元に戻る魔法があれば、アレをやらなくていいのかなぁ?
そんな事を考え、ミニチュアの建物を後にする。
――――――――――
元来た道を歩く俺。
遠くにヴァーリが手を振っているのが見える。
…クマチャイルは結界にもたれて座っている。
ヴァーリ:「マスター!」
元気な声で呼んでいる。
犬尻尾があったら思い切り振ってるだろう。
俺:「スマン、待たせたな…ヴァーリ…クマ」
クマ:「帰ってきたか…遅いぞ?」
無愛想だが、尻尾が立っている。
俺:「スマンスマン…色々あってな」
俺心:クマは猫だから喜んでる…のか?
ヴァーリ:「遅いから心配したんですよ!」
クマ:「あぁ…結構凄い音が聞こえたからな」
俺:「あー…多分ゴーレムかな?」
ヴァーリ:「ゴーレム!?やっぱり私も行けば…」
俺:「大丈夫だったって!…何とか」
俺心:そんなに強くなかったし…それにアザラって言ってたかな…あの子。
ゴーレムとの戦闘を思い出す。
クマ:「どんなゴーレムだったんだ?」
ヴァーリ:「マスター?…大丈夫ですか?」
固まる俺を心配そうに見る。
俺:「あぁ…スマン、でも新たな魔法を覚えたぞ!」
クマ:「へぇ…どんな魔法なんだ?」
ヴァーリ:「私も知りたいです!」
俺:「2つとも今は意味ないから今度な?」
俺心:ドアの魔法はちょっと厄介そうだからな。
クマ:「そうか…残念だな」
意外に興味があるようだ。
ヴァーリ:「残念です」
少しションボリしている。
俺:「まぁでも!…それよりも学院だよ学院!」
ヴァーリ:「どうかしたんですか?」
俺:「いや…聞いてくれよ!」
――――――――――
アニメやゲームではスルーされてきた?
入学金…リアルな現金問題。
月謝とか有るんだろうか?
――――――――――
俺心:金…どうしようか?
続く!
――――――――――
マテリアル:「小さい建物ね〜」
ルビー:「そうね…ノームの大きさは5cmくらいね」
マテリアル:「へ〜そんなに小さくなったのね〜」
ルビー:「いやいやいや…あんたも使えるでしょ!」
マテリアル:「ん〜多分〜?」
ルビー:「アンタも私も魔法は大体使えるでしょ!」
マテリアル:「え〜私のは〜ちょっと違う〜」
ルビー:「はぁ…似たような効果でしょうが」
マテリアル:「む〜」
ルビー:「何むくれてるのよ…」
マテリアル:「む〜」
いかがでしたでしょうか?
活動報告とか…毎日更新とか…新たな構想とか
色々やりたいんですけどね…
仕事が段々、忙しくなって来てますね!
ごめんなさい…落ち着いたら書きます!
ここまでお読みいただきありがとうございました!