第35話 双子
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第35話 始まりです!
賑やかな声が店内を満たしている。
あちこちから、笑い声が聞こえてくる。
俺:「賑わってますね…」
店員A:「おかげさまで!お客さん達のおかげですっ!」
俺:「はははっ…ちなみにここは酒場ですか?」
店員A:「うちは酒場も兼ねたギルドです!」
クマ:「合理的だな…」
店員A:「そうなんですよ、情報も勝手に集まってくるんです!」
俺:「なるほど…お店が賑やかに成る程…都合が良くなるんですね」
店員A:「えぇそうなんですよ!おっと!…着きました、こちらです!」
扉のノブに手を掛ける。
扉がギーッと完全に開いた。
開いた部屋から膜の様な物が…飛びだして、俺達を通り抜ける。
俺:「うおっ!」
全身に不快感を感じて声を出す。
俺:「なんだなんだ?…気持ち悪っ!モワッとしたぞ?」
ヴァーリ:「何がです?…マスター?」
クマ:「そんなに大きい声を出さなくとも…聞こえている」
俺:「モワッとしたぞ?…ゾクッとかも!…感じなかったのか?」
クマ:「はぁ…何を言ってるんだ?お前は…」
俺:「えっ?…生暖かい膜みたいなのがあっただろう?」
ヴァーリ:「…マスター」
心配そうな目で見ながら俺を呼んでいる。
俺心:やめてくれ…そんな目で見ないでくれ。
クマ:「しかし…確かにおかしいな…店員が消えた」
俺:「あれ?…さっきまで、そこにいたのに…」
クマ:「それに…音が止んだ」
ヴァーリ:「えぇ…そうですね、確かに声が聞こえないですね」
俺:「何が起きたのだろう?」
先程までの、喧騒が一気に止まり…人の気配がしない。
俺達は警戒しながら…部屋の中に入る。
部屋は殺風景で何もない…が、とても大きな部屋だ。
俺:「ここは…一体?…!」
辺りを見回すと…視界の端でキラリと何かが光った!
ヴァーリ:「マスターっ!」
(ガキッン!)と金属がぶつかる音!
???:「へぇ…すごいや…なるほどねぇ…」
俺:「…?」
声のした方を見る。
ヴァーリが…ナイフを二対持った少年?と剣で競り合っている。
クマ:「何者だお前は!」
部屋の大きさに不釣り合いな銃を構える!
俺:「バッカ!…止めろ!こんなとこで撃つなよ!」
言いながらナタを取り出し構える。
少年:「アハハ…いいよぉ…別に撃って…もっ!」
言い終わるとヴァーリを避ける。
ヴァーリ:「あっ!」
流れるように避けられて、態勢を崩す。
少年は…片方のナイフをクマに投げる!
ヴァーリから少し離れ…残りのナイフで牽制する。
俺:「あぶないっ!」
頭からダイビングしてクマを突き飛ばす!
避けきれず、ナイフが俺の肩を掠める。
俺:「いっつ!」
肩を手で押さえると血が掌に付いていた。
クマ:「ったく…何してやがる!」
ナイフを拾い構えて俺の前に立つ!
少年:「フフ…それは僕のナイフだよ?まぁいいけど…」
「武操術…一操」
(カタカタ)とクマの持つナイフが動き始める!
クマ:「何だ?」
動くナイフを…ギュっと力強く握りしめる!
動きは直ぐに大きくなり…ナイフは上、下、左、右に動いていく!
ナイフが、クマごと上下左右に振り、回転をし始めた。
誰も気づいてないが…徐々に部屋が広くなっていく。
(スポーン)とナイフの持ち手から刃先が抜けた。
クマ:「うおっ!…ぐはっ!」
壁に叩きつけられ…気を失う。
ヴァーリ:「クマ!」
駆け寄っていく。
少年:「へぇ…その子はそのぐらいなんだ…じゃあ次は!」
クマに興味を失い、俺の方をギラッと見る!
ヴァーリ:「マスター!」
少年:「行け!」
ナイフが意思を持った様に、空中を飛びながら俺のほうに来る。
俺:「てやぁ!」
ナタで、打ち落とそうと力強く振るう。
少年:「フフ…さぁどうするのかな?」
俺:「何ぃ!」
ナイフに直撃する寸前、あり得ない軌道でナタの一撃を避ける。
(シュッ)とナイフが頬を掠める。
俺:「くぅ!」
少年:「えっ?…避けると思ったのに、ふーん…君はもういいや」
ナイフが少年まで飛んでいき、また同じように握られる。
少年:「武操術…一操」
俺:「今度は何をするんだ?」
近くに…武器は無いはず?
俺:「がはっ!?」
ナタが俺を…壁に叩きつけている。
俺:「そういうことか…」
力が抜け…倒れる。
少年:「ガッカリだよ!…もう少し出来ると思ったのに…はぁ」
ヴァーリ:「何なんですか!…あなたはぁ!」
剣を振り上げ、今までにないほどの殺気を込めて向かう。
俺:「まずい…ヴァ…」
???:「大丈夫だから…」
俺の肩をポンと叩く。
俺心:少女?…いやそんな事より!
少女:「やめなさい!」
ヴァーリの前に立ちふさがる!
少年:「マリル?…どけ!今いいとこなんだよぉ!」
マリル:「やめてって言ってるでしょ…マナン!」
マナン:「そこをどけ!」
マリル:「はあ…もういい!…えい!」
地面に向かってパンチを打つが…当たる相手は何もない。
マナン:「ぐっ?!…ぎゃ!」
突然マナンの上に、巨大なパンチが出現して押し潰す。
少年は少女の一撃により、地面に叩きつけられ血だまりとなる。
マリル:「ごめんなさい…ハクさん…」
そう言うと…(パン)と手を叩く。
――――――――――
部屋が元の殺風景な部屋に戻り、入る前の状態に戻る。
ヴァーリ:「一体何をしたんですか!」
剣を構えたまま、俺とクマの前に来る。
クマは立ったまま、気を失っている。
マリル:「そうだよね…でも!」
もう一度と手を叩く。
血だまりになり、圧死したはずの少年が再構築される。
少年:「うん?…そうか、また死んだのか…」
少女:「マナン!…まったくもう!」
マナン:「マリル…いいじゃないか!僕を、また殺したんだし…」
マリル:「そういう問題じゃないよ!私がいない時に何してたの!」
マナン:「いやぁ…フフ…力を試したくてさぁ」
マリル:「どうして、そんなにおバカなの!」
マナン:「仕方ないだろう?…僕はマリルなんだからさ…」
マリル:「はぁー…もういい!…ハクさん…ごめんなさい」
俺:「えっと…君達は誰なんだ?」
マリル:「私…いえ、私達は…タイタンズハンドのリーダー代理です」
マナン:「そう僕が右手でぇ…マリルが左手だよ!」
「でも君達、弱いね!負けて…どんな気分?どんな気分なの?」
俺達に顔を近付けて聞いてくる。
俺:「まだ…俺達は!」
大人げないと感じたが…つい、言葉にしてしまう。
マリル:「マナン!やめなさい!」
マナン:「ちぇ~!いいじゃん別に~!」
ヴァーリ:「まだやりますか?」
剣をもう一度構える。
俺:「ヴァーリ…俺もだが、一旦落ち着こう…クマもだぞ…!」
クマ:「…」
返事は返ってこない。
ヴァーリ:「クマ?…大丈夫ですか?」
声をかけ、手を目の前で振ってみるが反応は無い。
俺:「クマ?…どうした!」
揺すってみるが…やはり反応は無い。
マリル:「ちょっと、ごめんなさい…」
手をかざすと…暖かい、ぼんやりとした光でクマを触る。
クマ:「ぐ…はぁ!はぁ!」
荒い息を吐き、目が覚めた。
俺:「クマ!…大丈夫か?」
クマ:「はぁ?…何が!…と言うかお前は誰だ!」
マリル:「ごめんなさい…私のせいです」
悲しそうにクマチャイルの事を謝る。
続く
――――――――――
マテリアル:「いいな~私もお酒飲みたいわ~」
ルビー:「あんた…お酒飲む意味あるの?」
マテリアル:「その言い方~!ルビーちゃん、ヒドいわ~!」
「私は~天使よ~そのぐらい出来るわよ~」
ルビー:「はいはい…私も付き合うわよ」
マテリアル:「え~1人で行くわ~ルビーちゃんは来なくていいわ~」
ルビー:「なんなのよー…それぇ!」
マテリアル:「冗談だってばぁ~」
いかがでしたでしょうか?
元ネタ分かりますかね…
大分改変してるから分からないかなぁ。
ここまでお読みいただきありがとうございました!