第33話 ハッタリ
ご覧いただきありがとうございます!
やっと…書けました!
では第33話 始まりです!
(パラパラ…)瓦礫から破片が落ちる。
盗賊達が倒れている…
俺:「うおっ…これは…やりすぎたかな?」
俺心:…しかし盗賊か…初めて見た。
瓦礫の中から、女盗賊が最初に立ち上がる。
メリル:「何が…起きたんだ…」
ガイ/バン:「う…うーん」
続いて二人立ち上がる。
俺心:とにかく!…やっちまったもんは仕方ない!
覚悟を決めろ…俺!
俺:「俺の乗る馬車を襲うとは良い度胸だ!!」
メリル:「なんだ…なんなんだお前は!」
俺:「俺を知らないのか?…そうか…運が悪かったな!」
ハッタリをかます!
俺:「命が惜しかったら帰れ!…さもないと…」
掌を大きな岩へ向けて…後ろ手に指でヴァーリに合図する。
(スパッ)と俺の進行方向に斬撃が飛び…地面が裂け岩が割れる。
バン:「ひ…ひぃ!」
驚いて尻餅をつく。
ガイ:「びびるんじゃねぇ!…舐めた真似しやがって」
ナイフを構える。
メリル:「ガイ…待ちな!…分かった…アタシ達は帰る…そのかわり」
俺:「追わない…だな、もちろん分かってる…」
ガイ:「なっ!…メリル!…ふざけんな!まだだろ…」
メリル:「ふざけてんのはお前だ…決めるのはアタシだ!」
ガイ:「何故だ…奴は1人だ…まだ仲間もいる!」
メリル:「…こんだけ大きい音だ…直ぐに王都の兵が来る」
「バン!…ガイを連れていきな!」
バン:「俺が?…」
ガイをチラッと見るが…物凄い形相でバンを睨んでいる。
バン:「…無理です」
直ぐに答える!
メリル:「はぁ…仕方ないな…光よ我が願いにより集まれ!」
「アタシの邪魔をする奴を捕まえな!…ライトバインド!」
ガイを光が包み…体が光の鎖で拘束されていく。
メリル:「おい!バン!…そいつを連れてきな!」
バン:「はい!…すんませんガイさん!」
ガイを担ぐ。
ガイ:「おいバァン!…ちっ!…誰なんだお前!覚えてやがれ!」
バンに担がれながら叫ぶ。
俺:「俺はハクだ…逃げはしないから、いつでも来い!」
ガイ:「ハク!…顔覚えたからな!…必ず殺してやる!」
走り去りながら…遠くで叫んでいる。
メリル:「いくよ…皆!」
メリルが号令を出すと…草むらから盗賊が出るわ出るわ…
メリル:「覚えておきな…ハク!…盗賊団草獅子は必ず忘れない!…それに」
俺の後ろの方へ視線を向ける。
メリル:「まぁいい…行くぞ!」
メリルの後に続き、盗賊達は去っていく…
俺:「…俺も必ず忘れない」
盗賊達が去った後で呟く。
俺:「ヴァーリ…ありがとう」
ヴァーリ:「いえ…私が倒せばよかったのでは?」
俺:「それもそうだが…1人か2人…いや、それ以上を斬る事になったかも知れないだろ?…だから俺が出て追い払ったんだ」
「それに収穫もあったからな!」
ヴァーリ:「収穫?」
俺:「そう…光よ集まれ…我の敵を縛り付けろ…」
ヴァーリ:「まさか?…新しい魔法ですか?」
俺:「そう…見てろ」
ガサガサっと草むらが揺れ、クマチャイルが飛び出してくる。
クマ:「あぁ!…馬車が…」
瓦礫を見て言う。
俺:「なんだ…クマか」
クマ:「何だじゃない!…何してたんだ…お前!」
俺に向かって飛び蹴りを放つ。
俺:「ライトバインド!」
光が集まり…クマチャイルを光の鎖が締め付ける。
クマ:「ぐぁ…何するんだ!」
俺:「はぁ…それはこっちのセリフだ…」
「それより!クマ…もう酔いは大丈夫か?」
クマ:「酔い?…何の事だ?」
しらを切るクマチャイル…目が泳いでいる。
俺:「大丈夫なら良いさ…それよりどうするか…」
馬車の残骸を見る。
ヴァーリ:「とりあえず…王都に行くしかないのでは?」
俺:「まぁ…そうなんだけど、そうじゃなくて…」
「とりあえず…墓でも作るか…ヴァーリ、クマ手伝ってくれ」
三人で御者の墓を作った。
俺:「御者の遺品は…めぼしいものは何も無かったな」
「強いていえばペンダントぐらい…一応持っていくか」
俺心:なんか…俺達が盗賊みたいだな…違うけど!
俺:「さて…そういや荷物が沢山あったな…」
クマ:「何する気だ?」
俺:「使えそうな物があったら…貰っておこうと思ってだ…な」
言いながら瓦礫の中を確認する。
クマ:「お前が盗賊だな…」
俺:「違うって!…ここに野晒しより良いだろう?」
思ってた事を言われてドキッとする。
ヴァーリ:「マスター…ここに誰か近づいてます!」
俺:「どっちだ…ヴァーリ?」
ヴァーリ:「あちらです、もうそろそろ…」
指をさす。
(ドドドッ…)足音が聞こえる。
レザーの鎧を着た兵士達が現れる。
兵士A:「音がしたので来てみれば…これはどう言うことだ?」
歴戦の兵士だろうか…腕に大きい傷がある。
俺:「すみません…自分はハクです…」
事情を説明する…が馬車を破壊したのは盗賊にしておく。
兵士A:「なるほど…そういう事か…ハク君だったか?」
「私は、王都の警備隊に所属しているニールだ…よろしく」
手を出す。
俺:「よろしくお願いします」
握手をする。
ニール:「だが…君達は何者だ?…何か証明できるものはあるだろうか?」
俺:「証明?…あっ!…コレではどうですか?」
俺はポーチからギルド証を出す。
ニール:「これは…タイタンズフェイスの…そうか…」
何か納得したようだ。
ニール:「君が噂の新人なんだな…とするともう二人が…」
ヴァーリとクマチャイルを見る。
ニール:「ふむ…そうは見えないがな…いやスマン」
「メアリーが言うならそうなんだろう…とりあえず…御者の荷物を運ぶとするか…遺体も運ばないとな」
俺:「遺体は…あそこに埋めましたが…メアリーさんと知り合いなんですか?」
ニール:「あぁ…メアリーは私の娘だ…おい!ザック…回収してきてくれ」
言いながら…近くの兵士に声をかける。
ザック:「はい…分かりましたニール隊長」
俺:「そうなんですか…あっ!あとこれも…」
御者の遺品であるペンダントを渡す。
俺心:どこで繋がってるかわからないものだな…
ニール:「これは…?!」
俺:「王都で御者の知り合いがいたら渡そうと思いまして…」
ニール:「そうか遺品か…預かっておこう」
ペンダントを受け取り…グッと握りしめる。
俺:「すみません…王都は近いのですか?」
ニール:「来たばかりだったな…王都はここを行った直ぐだ」
親指で後ろへ示して…場所を教える。
俺:「俺達はもう…行ってもいいですか?」
ニール:「そうだな…状況からすると問題なさそうだ」
「メアリーからの紹介もあるからな…」
俺:「すみません…ご迷惑をお掛けして」
ニール:「それと念の為だが…犯人は草獅子で間違いないんだな?」
俺:「はい…メリルと名乗る頭代理?が言ってました」
ニール:「メリル!?…頭代理?…いやまさか…」
俺:「何かありましたか?」
ニール:「いや…なんでもないんだ…すまない…気を付けてな」
俺:「有難うございます…ヴァーリ!…クマ!…行こう」
ヴァーリ:「はい!」
クマ:「おぅ!」
俺:「それでは失礼します…」
一声かけて、歩き出す。
ヴァーリ:「…」
ペコッとニールに会釈する。
クマは無言でついてくる。
ニール達と別れて王都に向かっていく…
続く
――――――――――
マテリアル:「う~ん?」
ルビー:「どうしたのよ?…マテリアル」
マテリアル:「う~、魔法って~あんなに~簡単に使えたっけ~」
ルビー:「そういえば、そうね…」
マテリアル:「う~ん?魔法適正が~あるから~?」
ルビー:「それにしても…簡単に…!!」
マテリアル:「どうしたの~?ルビーちゃん~?」
ルビー:「あの子の力よ!…絶対記憶能力!」
マテリアル:「そんな力は~無いわよ~?」
ルビー:「詳しくはまた…今度ね!」
マテリアル:「え~?」
いかがでしたでしょうか?
悩みます…本当に悩みますね。
うー…頑張ります。
ここまでお読みいただきありがとうございました!