第29話 実際に起きた事
ご覧いただきありがとうございます!
今回は…長いです。
話数が、微妙なので…次回もちょっと長いです!
第29話 始まりです!
―会議場前―
俺達は会議場に到着した。
ロシアンが立っている。
ミケ:「連れてきたッス!…ロシアン」
ロシアン:「マザーがお待ちだ…中に入ってくれ」
ロシアンに促され…会議場に入る俺達。
―会議場内―
ミャアマザー:「よく来てくれましたね…皆」
ロシアン:「いえ…マザーの呼び出しは何より優先です」
ミャアマザー:「さて…今回の会議は…言わなくても分かるわね」
ロシアン:「今後のニャンラットの方針と…サーバルの件でしょうか?」
ミャアマザー:「そう…私達は意思を統一しなければいけないわ!」
「サーバルや…ニャンラット族の未来のために…」
クマチャイル:「サーバル…」
悲しみと怒りが混ざり合う様に呟く。
ミル:「クマ…」
クマチャイルの肩を叩く。
ロシアン:「…オホン…まず情報の擦り合わせをしたいと思う」
ミャアマザー:「そうね…雷獣様の件からね」
「ハク君は…気絶してたから…あの時の話をしましょうか…」
――――――――――
―あの時…俺が気絶した後―
始祖:「さぁ!…来るが良い!」
ヴァーリ:「よくもマスターを!スキル:碧の連閃」
始祖:「ふん…爪手剣!」
ヴァーリと始祖の剣は嵐のように斬り合うが…互角だ。
始祖:「なかなかやる…やはりこれを使う事になるか…」
「スキル:雷装そして!…雷爆剣」
ヴァーリ:「そのスキルはもう見ました!スキル:碧の連閃…」
始祖:「そうか…?」
ヴァーリの攻撃を避けながら…辺りに爪を撃ち込んでいく。
ヴァーリ:「何をしているんですか!」
剣を振る!
始祖:「もう遅い!」
「必殺:雷牢雷爆陣」
ヴァーリ:「うっ?…体が動かない…?」
雷が包み…体を拘束し、指一本も動かせない。
始祖:「はぁはぁはぁ…これで!…終わりだ!!」
力を込める。
(ボガァァァン)
ヴァーリを包んでいた雷が白く光り爆発する!
悲鳴もなく一瞬にして、黒煙が立ち上る。
始祖:「やったか…?」
(ドカッ!)
背後から始祖へ一撃が襲う!
始祖:「何のつもりだ…?」
びくともせず、相手を見る。
ミャアマザー:「まだ…私は戦えるわ!」
スキルは既に時間切れだが、大きさを生かした一撃を加える!
始祖:「はぁ…お前には飽きた…だから退場だ!」
(ドゴッ!!)
ミャアマザーの腹にゆっくりだが強烈な一撃を放つ。
衝撃でミャアマザーはゴロゴロ飛ばされていく。
ミャアマザー:「くっ!…体が動かない!」
地面に打ち付けられ、身動きが取れなくなる。
始祖:「そこで…見ていろ!」
言い終わると爆発跡を見る。
(ガラガラ…)
爆発跡から音がして、ヴァーリが飛び出す!
ヴァーリ:「結構効きました!…でもまだまだです!」
「これではどうでしょうか…スキル:碧の連閃…」
ヴァーリはゆっくりと剣の先を始祖に向ける。
力を貯めながら…剣が碧く光り輝く!
始祖:「何をしている…?…来ないなら!こっちから行くぞ!」
ヴァーリに向かって雷のように走り出す。
始祖:「はぁぁ!…必殺:雷塵…」
剣を左から横薙ぎに振りかざしながら迫る!
ヴァーリ:「一突…」
それ以上の速度でヴァーリが間合いを詰める。
碧く輝く剣が…先に始祖の胸に触る!
始祖:「な…!?」
驚きは一瞬、胸を瞬く間に斬撃が襲う!
ヴァーリが放つ連続剣撃が一ヶ所に集約され…始祖を撃ち貫く!!
始祖:「がはっ!…見事だ!…これが!力の証明だっ!」
体に穴が空き…口から血を吐きながら叫ぶ。
始祖:「約束通り…クマチャイルに体を返そう…」
ミャアマザー:「本当に?」
始祖:「本当だ…中々楽しい戦いだった」
「だが!クマチャイルの体はまだ弱い…だから我の力をくれてやろう」
ヴァーリ:「なぜ…そんな事を?」
始祖:「元の体が強くなれば…更に良い勝負が出きるから…だな」
ヴァーリ:「分かりました…いつか必ず!」
始祖:「聞け!里長よ…いつか我は必ず復活する」
「その時は…こんなものではない!…準備を忘れるな!」
ミャアマザー:「分かりました…始祖様」
始祖:「後は…そこの男だが…いや…やめておこう…さらばだ!」
始祖の体は光り輝き…段々と体が変化していく。
光が消えて…クマチャイルに戻った。
――――――――――
―会議場内―
ミャアマザー:「…という訳よ」
俺:「俺が知らない内にそんな事があったんだな」
俺心:なるほど…そうなったのか。
ミャアマザー:「えぇ…だから今後の対応方針の会議ね」
ロシアンに目で合図を送る。
ロシアン:「キジトラとクマチャイルの件…ですね」
ミケ:「キジトラ!…あの後すぐ合えなくなったッス」
「キジトラは無事ッスよね?…マザー!」
ロシアン:「無事だ…皆の協力があり…元に戻せた」
「今は…雷獣変化の後遺症は無いか…確認する為、隔離中だ」
ミケ:「キジトラ…」
ミル:「大丈夫よ…ミケ!…クマは全然平気じゃない!」
ミケを励ます。
ミケ:「姐さん…ありがとうッス…そうッスよね!」
ミャアマザー:「後は…クマの…いえ、先にサーバルの事を話しましょうか」
ロシアン:「分かりましたマザー…サーバル…サーバルは!」
言いながら顔に手を当てて、言葉に詰まる。
ミャアマザー:「ロシアン…私から皆に話すわ」
「皆も知ってると思うけど…サーバルは…マジシャンにやられたわ…」
ロシアン:「そうだ皆…サーバルは勇敢に戦い…消された」
ミャアマザー:「サーバルは捜索中だけど、里の近くにはいなかったわ」
「ここから考えられるのは2つよ…皆も分かってると思うけど」
クマチャイル:「連れ去られたか…死んだかだな」
ミャアマザー:「そう…でも…もしそうなら…目の前で行う方が…」
クマチャイル:「効果的!だな…でもそれをしないという事は…」
ロシアン:「生きてる可能性がある!という事だ!」
ミャアマザー:「それにあたって…クマ…いえ!クマチャイル=サバイブ=ニャンラット!に…里長から伝えなくてはいけない事があるの」
重い空気が会議場を包む。
ミャアマザー:「最初に謝らせてね…クマ…本当にごめんなさい」
「…貴方は里の為に尽力してくれたのに…私は酷いお願いをしなくてはいけないわ」
クマチャイル:「…問題ない…分かってる里の為だ…俺は出ていく」
自分から切り出すクマチャイル。
ミャアマザー:「ごめんなさいね…クマ…」
ミケ:「どういう事ッスか…マザー!」
ミル:「納得できませんマザー!何故クマだけ!」
ミャアマザー:「そうよね…私も出来れば里に居てほしいわ」
ミル:「だったら!…なんで!」
ミャアマザー:「でも…クマは完全に雷獣様に変化した…それは里の脅威になる…私は里長として皆を守らなくてはいけない…だからミケ…」
ミケ:「でも今回は…元の兄貴に戻ったッス!」
ミャアマザー:「えぇ…今回はヴァーリさんが、いたから…」
「あの時…ヴァーリさんがいたから、雷獣様は何とか退けたわ…」
ミル:「なら…!」
ミャアマザー:「でも…私達には…悔しいけれど何も出来なかったわ」
「私達では…クマを止められなかったでしょう?」
ミル:「だからって…だからクマを追い出すんですか?」
ミャアマザー:「追い出すのとは違…いえそうね…同じ事ね」
「クマは危険かもしれない…でもヴァーリさんと一緒なら!」
ミケ:「嫌ッス…嫌ッス!ボクが強くなって!…兄貴を守るッス!」
言いながら膝をつき…下を向く。
クマチャイル:「ミケ…すまないな…ずっと一緒に居たかったが…」
ミケの肩に手を置く。
ミケ:「なら一緒にいるッス!…明日だってその先もずっと!」
顔をあげて…クマチャイルを真っ直ぐに見る。
クマチャイル:「すまない…里の皆を守る為なんだ」
ミケの目を真っ直ぐに見ながら伝える。
ミル:「ミケ……クマ!アンタはそれでいいの?!」
視線をミケからクマチャイルに移しながら言う。
クマチャイル:「オレサマだって悲しい…でもミケの為でもある」
言い終わるとミケに真っ直ぐ話しかける。
ミケ:「ボクの為…?」
クマチャイル:「そうだ!…お前達なら!…きっと大丈夫だ!」
「オレサマは!…そう信じる事が出来た!…今回やっと…分かったんだ!」
ミケ:「兄貴…」
クマチャイル:「ミル…お前には…迷惑ばかりかけるな」
ミル:「はぁ…長い付き合いだし…一度決めたら絶対譲らないわね」
クマチャイル:「ごめん…いや違うな…ありがとう、ミル!」
ミル:「たまには…帰って来なさいよ!」
クマチャイル:「あぁ!…ミケは…分かってくれたか?」
ミケ:「悲しいッスけど…兄貴の伝えたい事は分かったッス!」
クマチャイル:「すまないミケ…分かってくれたなら…いい」
ミャアマザー:「ごめんなさいね…クマ」
「ヴァーリさん…クマを預かって欲しいの…お願いできるかしら?」
ヴァーリ:「私は…マスターがよろしければ…」
言いながら俺を見る。
俺:「問題ないが…クマチャイルはそれでいいのか?」
クマチャイル:「問題ない…こんなオレサマだが…一緒に行きたい!」
ヴァーリ:「もちろん!」
俺:「俺達と一緒に来ると…苦労するからな?」
「それでもいいなら…一緒に行こう!」
クマチャイル:「あぁ…よろしく頼む…」
俺とヴァーリはクマチャイルと握手を交わす。
ミャアマザー:「クマ…では里長として、クマに依頼をするわ!」
「サーバルを探して…クマ自身の安全も確保してきなさい!」
クマチャイル:「あぁ…必ず探してくる…そして里に戻る!」
ロシアン:「クマチャイル…頼んだぞ!」
クマチャイルに手を差し出す。
クマチャイル:「あぁ!」
手を掴もうと差し出す。
(ワハハハハハ!)高笑いが会議場に響く!
ミャアマザー:「まさか…?」
(ボン!)爆発音と共に煙が出る。
マジシャン:「フハハハハハ!ついに!そう!…私です!」
「私の出番がやってきました!…フハハハハハ!」
―――――――――――
マテリアル:「お待たせしました~!」
ルビー:「え?なになに?急に…どうしたの?」
マテリアル:「ついに~出来たわ~!ど~ん!」
ルビー:「これは…?マザーのぬいぐるみ?」
マテリアル:「どう~?感想は~?」
ルビー:「マテリアル…貴方の気持ちは…本当に凄く嬉しいわ…」
マテリアル:「なら~もっと~喜んでもいいのよ~」
ルビー:「はぁ…でも!…今じゃないわ!!」
「今は…ハク達の!かーなーり大事で重要な話をしてるのよ?」
マテリアル:「ルビーちゃん…ひどいわ~せっかく作ったのに~」
ルビー:「うっ…!ったくアンタわ…本当に!」
「ありがとうね…大事にするわ!」
いかがでしたでしょうか?
スピーディに読めたかなと思います。
ちょっとシリアスですかね…?
ここまでお読みいただきありがとうございました!!