第28話 呼び出し
ご覧いただきありがとうございます。
日常編はこだわりが強い!!
妥協点が難しい…です!
第28話 始まりです!
―料理が運ばれてきた!―
台車に載せて…料理を持ってくる。
大将:「はい…おまたせ!…トリアージの塩焼き…お待ち!」
(ドン!)
普通の料理ではあり得ない衝撃音が耳に届く。
机の大半を占拠したのは…とりあーじ?
俺:「…これがトリアージか?」
見た感じはアジの様だが…大きさが1メートルはある。
俺心:それにしても…デカッ!!
机からはみ出してるよ…このトリアージ。
えっ?…これパーティー用じゃね?…まじですか?
こんな大きいのが、トッピングってどう言う事だよ!!
ミケ:「やっぱり大きいッスね!ボクも食べていいスか?」
俺:「あぁ…もちろんだ!…ヴァーリも良かったら食べてくれ!」
俺心:セーフ!!…白米も無く、永遠これは…絶対ムリ!!
大将:「で…こっちがラットスの姿焼きだよ!」
俺心:ラットスは…想像通りだな、ネズミだな…普通だ。
これは一般的な大きさだ…よかった!…本当に。
まぁ、カエルやワニとかも食べた事あるから食べれる!と思う。
仲間だ…ナカマ!!
トリアージを見た驚きに、心の許容量が大きくなる。
俺:「さぁ…食うか!」
スプーンを構える。
ミケ:「そうッスね!…ごく!」
俺:「トリアージ…どんな味だ?」
俺心:食べにくいな…箸はあるかな?
俺:「ミケ…箸はあるか?」
ミケ:「はいッス!」
俺に箸を渡して、器用にミケも箸で食べる。
俺心:ん?…どうやって食べてるんだ?
トリアージより、ミケの手が気になってきた。
俺:「ミケ…ちょっと手を見せてくれるか?」
ミケ:「今ッスか?…別にいいッスけど…」
ご飯を見ながら手を俺に差し出す。
俺はミケの手を掴んで、観察する。
俺心:ふむ…指は5本なのか…短い指だが太いな。
肉球はあるが…獣人だから人間に近い手になるのか?
ミケの肉球をムニムニしながら手を見る。
ミケ:「なんスか?…もういいッスか?」
嫌がっているようだ。
俺:「あぁ…スマン…少し気になってな…ありがとう」
俺心:柔らかい手だったな。
俺:「さぁ食うかな」
俺心:トリアージを忘れてた…
机に視線を移すが、魚はない…変わり果てた姿がそこにある。
俺心:骨?…アレ…トリアージは?…まさか?
答えは簡単だ…犯人は一人しかいない!
俺:「ヴァーリィィ…?」
虚ろな目で…呼ぶ。
ヴァーリ:「あ…マスター!…おいしいですね!」
満面の笑顔でこちらを見る。
俺:「こら…!」
(ポカ)と一撃をお見舞いする!
ヴァーリ:「マスター…なんで?」
頭を押さえて痛そうにする。
俺:「俺の分は…!」
頭に手を当てて、聞いてみる。
ヴァーリ:「はっ!」
驚いて声を出す。
俺:「はっ!…じゃないわ!…こっちのセリフだわ!」
ヴァーリ:「ごめんなさい…」
申し訳なさそうに謝る。
俺:「まったく…フフッ」
俺心:なごむなぁ…まぁいいか。
ミケ:「まったく…じゃないッス!…ボクも食べたかったのに!」
俺:「そうか…じゃあコレ食うか?」
言いながらラットスを差し出す。
ミケ:「いいッスか?…貰うッス!」
俺からラットスを受け取り喜ぶ。
俺:「はっ!」
バクバク食べるミケを見て気づく!
俺の分は…?
俺:「ミケ…そろそろ返してくれるか?」
ミケ:「ごめんッス…夢中で食べてたッス!」
そう言うと…余っているスペシャルの皿に残りをぶちこむ!
俺:「はぁぁぅあ!」
悲鳴とは言いがたい、叫びを発し固まる。
ミケ:「…どうしたッスか?…大きな声を出して」
俺の叫びを、気にせずスペシャルをかき混ぜる。
ミケ:「はいどうぞッス!」
固まっている俺に、スペシャルを差し出す。
俺:「そうか…結局こうなるのね!!」
ヴァーリ:「マスター?」
ミケ:「ほんと!…どうしたッスか?」
俺の声を聞いて…二人でこちらを見る。
俺:「スマン…いや、スペシャルが美味しそうなんでな」
俺心:またスペシャルを食べる事になるとはな…
目の前に置かれたものを見て呆然とする。
俺心:スペシャルにラットスの塩焼きをトッピングか…
スペシャルラットストッピングだな…長い名前だ。
必殺技みたいだな…まぁ実際…俺の舌を必殺するんだが…はぁ。
ため息をつく。
ヴァーリ:「大丈夫ですか…マスター?」
「いらないなら…私が食べていいですか?」
俺心:まだ食う気か…コイツ!
呆れたように顔をジッと見つめる。
ヴァーリ:「マスター…?」
ジッと見つめられ不思議そうに呼ぶ。
俺心:最初に…スペシャルはいらない!…って言えばよかったな。
ヴァーリを見ながら俺は考える。
俺:「食べるさ!…まだ俺はほとんど食べてないからな!」
覚悟を決めて、とりあえず口に出す。
目の前にある…スペシャルラットストッピングを食べる。
味は…スペシャルの味が強すぎて、ラットスの味が負けていた。
お腹は減っていたので、何とか食べる事が出来た。
――――――――――
―店を出る俺達―
ミケ:「うまかったッスー!」
ヴァーリ:「そうですねミケ…マスターは?」
俺:「あぁ…そうだな」
体力回復はしたが…心にダメージを負った俺。
食事前より、やつれているような気がする。
ヴァーリとミケは満足そうだ…
ミケ:「さて…そろそろッスね」
ミル:「ミケ!」
ミケを呼ぶ声が聞こえたので、そちらを向く。
ミケ:「姐さん!…兄貴も!」
クマチャイル:「おぅ…」
心なしか疲れているようだ。
ミケ:「どうしたッスか…兄貴?…まだどこか変スか?」
雷獣の件で心配している。
クマチャイル:「変じゃない…朝からミルが…な」
ミルをチラッと見ながら背中をさする。
ミケ:「あー…なるほどッス…」
ミルを見ながら納得する。
ミル:「なに?…私がどうかしたの?」
笑顔で聞くが…少し恐い。
クマチャイル:「なんでもない気にするな…それより…」
ミル:「まぁ…いいけど…今からマザーの所へ行くの?」
腑に落ちない感じで、ミケに聞く。
ミケ:「そうッス!…マザーに呼ばれてて…姐さん達もッスか?」
ミル:「そうよ…そろそろ時間だし…一緒にいきましょ?」
俺:「時間?…なんの事だ?」
ヴァーリ:「マスターが寝てる時に聞きました」
俺心:そうか…スペシャル大会してた時か。
ミケ:「マザーに連れてくるように!って言われたッス!」
俺:「ほぅ…クマチャイルの件か?」
クマチャイル:「そうだが…今回の件について!…だ!」
俺:「会議か…なるほど」
俺心:雷獣の件か…気になることもあるしな…
ミケ:「そうッス!会議ッス」
俺:「じゃあ行くか…」
俺達は会議場まで一緒に歩いていく。
続く
――――――――――
マテリアル:「では~今回は~トリアージを用意しました~」
ルビー:「大きいわ!…なんで?」
マテリアル:「実際に~見て~みたかったから~?」
ルビー:「…それで?…見た感想はどうなの?」
マテリアル:「大きいわ~」
ルビー:「それだけなの?!…どうするのコレ…」
マテリアル:「どうしようかしら~?」
ルビー:「海に!…返してきなさい!」
マテリアル:「え~せっかく用意したのに~ひどいわ~」
ルビー:「どうしようもないでしょ!」
いかがでしたでしょうか?
さぁラストスパート!
ニャンラット編から…続く???編へ!!
ここまでお読みいただきありがとうございました!