第27話 休息
ご覧いただきありがとうございます!
今回は書いてて楽しかったです。
では第27話 始まりです!!
―宿屋に到着した俺達―
宿屋の主人:「ありがとう…里を救ってくれて!」
「今日はサービスだ!…是非泊まっていってくれ!」
宿屋に入ると、主人のサビ猫獣人が超歓迎ムードだ…
俺:「そんな…悪いですよ」
宿屋の主人:「いいんだ!…今日はいいんだよ!」
ピョンピョン跳ねながら、譲らない!
俺:「…あ…はい…ありがとうございます」
勢いに押されて、タダで泊まる事になった。
部屋に着き、ベッドに横になる俺。
色んな事が起きた…今日一日で本当に長かった…
俺:「ヴァーリ…起きてるか?」
ヴァーリ:「マスター?…なんですかぁ?」
俺:「すまん…もう寝てたか?」
ヴァーリ:「はい…眠いですぅ…うーん」
俺:「なら…また今度でいいや…おやすみ」
話したい事があったが…また今度にするか。
ヴァーリ:「おやすみなさい…マスター」
目を閉じ、ゆっくり眠りに入る。
―――――――――――
―夢の中―
手が、血で濡れている。
俺は暗闇の中…一人で手を見ている。
俺:「血で真っ赤な手だ…」
呟くと真っ赤な手を洗い始める。
俺:「なかなか取れないな…」
更に強く洗い始める。
手は変わらず、血で汚れたまま。
洗いすぎて、手から自分の血が流れる。
俺:「自分の血で洗い流せと言う事なのか!」
大きな声を出す。
俺の声だけが響いて、やがて音もなくなる。
俺:「くそ…なんでだ!」
(ダン!!)
俺は足を思い切り地面に叩きつける!!
そして…しゃがみこみながら項垂れる。
(グラグラ…)
地面から…振動が伝わる。
(ドカーン)
地面が割れて…獣?や見たことない魚?…が出てくる!
俺:「なんじゃこりゃあ!!」
俺は、不思議な生き物に追いかけられる。
俺:「はぁぁぁぁ?」
――――――――――
ぱっと…目が覚める!
俺心:なんの夢だ!!
ぼーっとした頭で考え…周りを見る。
俺心:なるほど…コレが原因か!!
ヴァーリ:「うーん!…やっぱり美味しい!」
バクバク…スペシャルを食べている。
黙々と食べ進み…皿が山のように積まれている。
ミケ:「やっぱり!…ヴァーリさんも気に入ったッスね!」
ヴァーリ程ではないが、スペシャルをバクバク食べている。
匂いが…部屋中に充満している!!
俺は…匂いにやられて、意識を失いそうだ。
ミケ:「あ!…起きたッスね!」
ヴァーリ:「…マスター…おは…ようございます」
口をモゴモゴさせている。
俺:「ヴァーリ、おはよう…ミケもおはよう」
ミケ:「おはようッス!…ハクさんも食べるッスか?」
俺:「俺は…うぷ…いいや」
気分が悪くなってきた。
俺:「ちょっと外に出てくるわ…」
匂いに耐えきれなくなり…逃げようとする。
ヴァーリ:「マスター…私も…一緒に行きます」
残っているスペシャルを…飲み込むように全て吸い込む。
ミケ:「はやっ!…仕方ないッスね…ボクも行くッス!」
急いでスペシャルを食べる!
俺:「あぁ…じゃあ一緒に行くか…」
三人で外に出る。
――――――――――
―しばらく歩いていく―
俺:「そういや…ここの食事って…全部アレなのか?」
疑問をぶつけてみる。
ミケ:「アレってなんスか?」
俺:「スマン、えーと…スペシャルみたいな料理なのか?」
ミケ:「違うッス!…スペシャルは完全栄養食ッス!」
「スペシャルは、全ての願望を叶えた料理なんス!」
俺:「へー…どんな願望なんだ?」
ミケは…スペシャルについて、熱く語り始める。
「まず、料理注文から食べるまでの時間が…速いッス!」
「どんな材料も砕くッスから…消化吸収が速いッス!」
「一度で色々な味を楽しめるから、最高にうまいッス!!」
などなど…永遠と説明された。
ここではスペシャルの素晴らしさは割愛したいと思う。
ヴァーリは思い切り賛同していたが…
ミケ:「だから…スペシャルは!」
俺:「スマン…もう充~分!…素晴らしさは分かったよ…」
ミケ:「そうッスか…まだまだ足りないッスけどね…」
俺:「それで…他の料理を食べれる場所はあるのかな?」
ミケ:「もちろんあるッス!」
俺:「じゃあ…連れてってくれないか?」
ミケ:「いいッスよ!…じゃあ付いてきてくださいッス!」
ヴァーリ:「他の料理…」
ニヤニヤしながら呟いていた。
――――――――――
―店の前で立つ俺達―
見覚えのある店に到着した。
俺:「あれ?…前と同じ店だな?」
ミケ:「料理屋は里に一件しかないッス!」
俺:「ふーん…そうなんだ…ここで別メニューがあるのか?」
ミケ:「そうッス!…名付けて!スペシャルクッキー!」
ドヤ顔で言う!
俺:「ちがーーう!!…そうじゃない!」
つい大きな声を出してしまう俺。
ミケ:「ど…どうしたッス?…味に不満があるッスか?」
「大丈夫ッス!…スペシャルクッキーは…スペシャルのクッキーッスから…味は保証するッスよ!」
俺:「スマン…えっとな、例えば焼き魚やお肉とかは無いのか?」
俺心:このままだとドライスペシャルとか言いそうだ…
キリが無いので具体的な例を出してみる。
ミケ:「あ!…なるほどッス…そう言う事ッスね!」
「大丈夫ッス…頼めば出てくるッス!」
俺:「そうか!…じゃあ早速入ろうか!」
よし、久しぶりに感じる…まともなメシ!
俺達は店の中に入る!
大将:「いらっしゃい」
ミケ:「いつもの3つ!」
記憶喪失かのように、忘れてスペシャルを頼む。
俺:「違うっつーの!」
(ポカ)とミケを叩く!
ミケ:「ごめんス…いつものは2つで!メニューはあるッスか?」
大将:「あるよー…はいどうぞ!」
メニューを受けとる俺。
じっくり見てみる。
俺:「なになに…」
俺心:あるじゃん…普通のメニューが!…材料は謎だが。
――――――――――
ラットスの姿焼き/食用草の盛合わせ
トリアージの塩焼き/ザバスの煮付け/
魚エキスのジュース/ウッシーのミルク
――――――――――
俺心:こんな所か…
後は(目玉煮?)や(祈りを得た?)だの謎メニューだ。
魚エキスのジュースは除外だな…これは無い!
盛り合わせは…野菜はあまり好きでないのでやめとくか。
ウッシーのミルクは…魚や肉とは合わないな…今度にしよう。
ラットスは…まぁ大体想像できるが…うん。
トリアージも…恐らくアレだろう!…でもご飯はないのかな?
俺:「ミケ…ご飯って無いのかなぁ?」
ミケ:「ゴハン?…ゴハンはコレッスね…」
届いたスペシャルを見せる。
俺:「スマン…えっと…あれって何て言うんだ?」
「うーんと…そう!…白米!白米はあるか?」
ミケ:「ハクマイ?…ちょっと分からないッス」
「他の街で見た…ような?気がするッス!」
俺:「じゃあ…ミケ達はこのメニューをどうやって食べるんだ?」
ミケ:「どうやってって…スペシャルに追加するッス」
俺:「なるほど…分かった」
俺心:トッピングメニューなのか…コレは。
だから(祈りを得た)…とかの、分からんメニューがあるのか。
白米は…知らないんだな。
俺:「じゃあ…これを頼むか…」
俺はトリアージの塩焼きとラットスの姿焼きを頼む。
もちろん…スペシャル無しで!
―しばらく経ち、料理が運ばれてくる―
大将:「はい…おまたせ!」
俺:「はい…ありがと…う?」
料理を見て驚く俺。
続く
――――――――――――
マテリアル:「ほんわか~いいわね~」
ルビー:「そうね!こんな日が…あっても!いいわ!」
マテリアル:「何~そのドヤ顔~かわいいわ~」
ルビー:「ハイハイ…ミケが熱心に説明してるわね…」
マテリアル:「好きなものだから~仕方ないわ~」
ルビー:「本当に好きなのね…食べてみたくなったわ!」
マテリアル:「お試しは~良いと思うわ~」
いかがでしたでしょうか?
シリアス展開から抜け出た感がありますね。
後は、色々どうしましょうか…
楽しく書ければそれで良いですよね!
ここまでお読みいただきありがとうございました!