第19話 ニャンラットの本能
ご覧いただきありがとうございます!
お待たせしました!
第19話 始まりです。
マジシャン:「さあ!…ニャンラットの皆様方に!」
「素晴らしい!…showの幕開けです…」
腕を前に出し、手で顔を隠し、目がギラッと光る。
ロシアン:「貴様!…キジトラとクマチャイルに何をした!!」
明らかに苦しむ二人を見て、問いかける。
マジシャン:「さぁ?…何だと思いますか…?」
隠した顔を半分、出しながら…笑い顔を見せる。
クマチャイル:「ぐぅああぁ…」
キジトラ:「ミケ兄ちゃん…アァア」
マジシャン:「おや…キジトラ様の方が症状が早いですね…」
「やはり…子供いや幼年期だからですかね…?」
クマチャイル:「な…にを?…」
キジトラを見ながら呻くクマチャイル。
キジトラ:「アァア…ガルル…ギャアオオォ」
キジトラの毛が逆立つ!
ミケ:「キジトラ?…キジトラァ!!」
キジトラ:「グルルゥガアァ」
キジトラの眼が黒から金色に変わり光が宿る!
段々と体が大きくなっていく!
ミケ:「キジトラ…?」
キジトラ:「ガアァ!!!」
毛皮は茶色から白い雪のような毛皮に変わる!!
マジシャン:「フフフ…ハハハハ…素晴らしい!!…実に素晴らしい」
ミケ:「お前…!!キジトラを元に戻せッス!!」
キジトラの変貌に怒り叫ぶ!
マジシャン:「…私はこれが見たかったのです!なので…戻しません!」
ミケ:「マジ…シャーン…スキル:猫掌打連打」
名前を叫びながら…飛びかかるミケ!!
マジシャン:「ほぅ…そうですか…そう言った変化を…」
ミケを意にも介さず、キジトラを観察するマジシャン。
マジシャン:「さぁ!私に構わず…一緒にご覧下さい…ミケ様!」
ミケの攻撃を全て避け…サッとミケを捕まえ膝に乗せる。
ミケ:「フ…ン…放せッス!」
マジシャン:「ほら…落ち着いて下さい…もうすぐ!変化が終わりますよ?」ガッチリ捕まえてミケを離さない!!
ミケ:「キジトラァ!!」
身動きが取れず、叫ぶ事しか出来ない。
キジトラ:「ギャアオォォ…!」
マジシャン:「なるほど!そうなるんですね!」
俺:「あれは…ホワイトタイガー?」
猫が…デカい虎になった…
マジシャン:「大きさは…民家と同じくらいが限界ですか…」
「伝説の神獣にしては…予想より小さいですね…」
俺:「お前!…伝説の神獣ってなんだ!!」
マジシャン:「神獣…そうですねぇ…改めて問われると不明ですね…」
「貴方様の方が…詳しいのではないですか?ミャアマザー様!!」
ミャアマザー:「えぇ…あれは、雷獣よ…」
驚きを隠せないまま…話す。
ミケ:「雷獣?雷獣って…あの!…お伽噺じゃないんスか?」
マジシャン:「はぁ…ミケ様…少しうるさいですね…」
ミケの頭に魔力?を送り込む。
ミケ:「何を…うっ!」
気を失うミケ。
マジシャン:「それで…雷獣とは何なのでしょうか?」
マザーに問いかけながら、ミケをマザーに放り投げる。
ミャアマザー:「…雷獣、いえ雷獣様とお呼びした方がいいわね…」
「雷獣様は私達…ニャンラットのルーツ…始祖とも呼ぶお方よ」
ミケが…マザーの上に(ボフッ)と落ちる。
俺:「マザー…キジトラは…助かるのか?」
ミャアマザー:「私が必ず…元に戻して見せるわ!」
マジシャン:「ほぅ?…そうなんですか…是非やってみせてください!」
「私は…とても!見てみたいです!」
俺:「お前は…黙ってろ!!」
ナタを振り向け…言ってみるが、分かってる。
マジシャン:「フフ…」
俺を確認するが、興味はない…
そんな素振りを見せマザーの方に向く。
クマチャイル:「ウガァァア…」
変わらず呻き声をあげている。
ミャアマザー:「待っててね…クマチャイル、キジトラ…!」
「はぁっ!!…うにゃにゃにゃ……」
周囲に、風を巻き起こしながら…全身に力を貯めはじめる…
キジトラ雷獣ver:「ガルル…ガァァァ!!」
口を大きく開け…ミャアマザーに襲いかかる!!
ミャアマザー:「くぅ!!」
力を溜めているので…動けない!
ロシアンが…ミャアマザーとの間に割り込む!!
ロシアン:「マザー…!…今のうちに!」
キジトラの顔を手で抑える!!
俺:「やっぱり獣人だけあって…武闘派なのか」
ロシアン:「ぬぅおおおおぉ!!スキル:「筋肉強化」」
ムキムキになり、最早…変身!だな。
俺:「凄いな…」
こんな状況だが…あれがアレになるのか。
キジトラ雷獣ver:「ガァアッ!ガオォオン!」
明らかに苛立っている様子で、前足をロシアンに振る!
ロシアン:「フッ!…フッ!」
肩に飛び乗ったり…後ろに回り込みをしながら、攻撃を避ける!
ロシアン:「スキル:猫掌打連撃改!」
後ろに回り込みながら、連打を放ち続ける!!
乱打の音:(ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!…)
伏せの状態になりながら、地面にめり込んでいく!!
ロシアン:「伏せだ!!…このまま!大人しくしていろ!!」
キジトラ雷獣ver:「ガァアアッァア!!」
…押さえつけられるが、それでも暴れまわる!!
クマチャイル:「ガァァィ…!!!」
黒い長毛が…段々と白く代わり始める!!
ミル:「あ…あ…今まで抑えられたけど、もう…」
ドクン…クマチャイルの体の中で、確かな脈打ちが鳴る!!
クマチャイル:「ガァァァァアアアア!!!」
全身が白くなり…大きさが変わり始める!!
クマチャイル:「ガアァツ!!」
回りにいたミルを弾き飛ばして…飛び去る!!
ミル:「クマッ!!待ちなさい!!」
クマチャイルを追いかけ…ミルも飛び去っていく!
マジシャン:「おかしいですねぇ…?…こんなものですか?」
雷獣に向かい、静かに問いかける。
ロシアン:「うおおお!!」
続けてスキルを打ち続ける!!
キジトラ雷獣ver:「グワァアアア!」
マジシャン:「あ…なるほど…成長が足りないんですね♪ならば!!」
注射器を複数、投げ込む!!
ロシアン:「何をする?」
(スタタタタッ)とキジトラに薬液が注入される。
キジトラ雷獣ver:「グ…ガァア」
一瞬、止まったが…キジトラの体から電撃を放ち始める!!
ロシアン:「痛…!!…くそっ!
攻撃をし続けていた腕に、電撃による痺れが伝わる!!
ミャアマザー:「ロシアン!無事かしら?」
ロシアン:「えぇ…問題ありません!…マザーは大丈夫ですか?」
ミャアマザー:「えぇ…助かってるわ!…もう少しよ、待ってて!」
両手で光を、集め始める。
俺:「ヴァーリ!俺達もそろそろ行くぞ?」
ヴァーリ:「はい!…マスター!」
ミャアマザー:「まって!!…ここはいいから、クマチャイルを…助けてあげてくれるかしら?」
俺:「ここはいいのか…?」
ミャアマザー:「心配しないで…ここは任せて先にいってちょうだい!」
俺:「分かった…ヴァーリ!!」
ヴァーリ:「マスター…失礼します」
俺を抱える…!!?
俺:「うお?…え?ええええ?」
クマチャイルの飛び去った方へ、俺を抱え飛んでいく!!
ミャアマザー:「頼んだわ…クマチャイルを!」
ロシアン:「クマチャイルを頼んだぞ…」
ミケ:「うーん?…」
ミャアマザー:「起きた?…ミケ?」
ミケ:「何が?…何が起きてるッス?」
いつの間にか夜になっている。
この世界にも…月があるんだなぁ。
俺はヴァーリに…お姫様抱っこされながら、そんな事を考えている。
ヴァーリの腕の中で叫ぶのはアレだから…
俺は心の中で叫ぼう!せーの!!
俺心:「イイヤアアアァァァア!!」
続く
――――――――――
マテリアル:「神獣ね~あんなの~いたかしら~?」
ルビー:「いなかったわね…勝手に呼んでるだけ、そう思うわ」
マテリアル:「でも~どうやって~変異させたのかしら~?」
ルビー:「あの…注射よね!多分!」
マテリアル:「見てれば~分かるわ~そう言う事じゃ~ない~」
ルビー:「そうね!そうだと思ったわ!」
いかがでしたか?
今回は鳴き声ですね!
にゃあ、ではカッコつかないですから…
雷獣…どうなるんですかね?
ここまでお読みいただきありがとうございました!