第14話 よくあるパターン!
お読みいただきありがとうございます!
前回のまま…進みました。
ご心配おかけして、本当にごめんなさい。
第14話…始まりです。
宿屋の主人に挨拶し、部屋に入る俺達。
俺:「ハー…疲れた」
ため息をつきながら、ベッドに仰向けで倒れる。
シリアスな展開で今日を終える…。
俺心:…いや…無理だ…衝動を抑えきれない!
何このベッド?…丸い!
…猫の里だから?…いや!その他にも!…
あれ…爪研ぎ棒じゃん!!…ご自由にお使いくださいって…
使うか!…爪剥がれちまうわ!!…はぁはぁ
頭の中で、思案を巡らせる俺を見て、ヴァーリが言う。
ヴァーリ:「今日のスペシャル…おいしかったですね!」
俺:「そうだね…!明日も早いし寝るか!」
嫌な記憶が脳によみがえり、フラっとした。
眠りに落ちる…俺。
――――――――――――――――――
ヴァーリ:「マスター…マスター」
ヴァーリが俺を…呼んでいる!!?
俺:「ヴァーリ!!」
上半身を飛び起こす俺!
意識覚醒と同時に、白い光が見える…
次の瞬間、鈍い痛みが頭に走る。
(ゴーン)と聞こえたような気がする。
ミル:「起きなさい!!」
俺:「くぅ…なん…だ…何があった?」
痛みに悶絶しながら、状況を把握する。
ヴァーリ:「マスター…ごめんなさい」
俺:「いや…だい…大丈夫だ」
それだけで何が起こったか…分かった。
固すぎるな…ヴァーリの頭。
俺:「俺の方こそ、すまない…ヴァーリは…大丈夫か?」
ヴァーリ:「はい…私は…なんとも!」
…なんともないんだぁ…少しイラッとするが、無事でよかった。
俺:「ミル…ミケも…何があった?」
二人がこちらを見ている。
ミケ:「兄貴が…兄貴が…!」
ミル:「落ち着いてミケ…私が説明するわ!」
「昨日の夜…アイツ一人で向かったみたいなの…」
俺:「なんだって!」
やっぱりか…嫌な予感はしていたが。
ミル:「今、見張り台の担当から…報告があって」
「狩りに出てくる…直ぐ戻るって、連絡したみたいだけど…」
ミケ:「戻ってきてないんス!」
ミル:「そう…だから!…私が伝えに来たのよ」
俺:「ミケ!今すぐ行けるか?」
ミケ:「はいっス!」
ミル:「今度は…冷静に対処できるわね!」
ミケ:「はいっス!」
俺:「ヴァーリ…準備は出来てるか?」
ヴァーリ:「はい!マスター!」
俺:「よし!いくぞ!」
「…っと思ったが…ちょっとまって!」
「俺の準備が出来てない!!」
外に行くなら…トイレにも行かなくては!
皆の空気が抜けるのを感じる。
俺:「仕方ないじゃない!!」
「俺!先程起きたばっかりだし!!」
―――――――――――――
10分後…宿前。
外は明るくなり始めている。
俺:「よし!今度はトイレも行ったし…準備万端だ!」
ミル:「私は行けないけど、頑張って!」
ヴァーリ:「場所はどこ…ですか?」
ミケ:「この里を出た所にあるっス!」
俺:「洞窟を出るのか?」
ミケ:「そうっス…街道の近くにあるっス」
俺:「じゃあ…ヴァーリ!…街道までの道は覚えているか?」
「…先導を頼んでいいかな?」
急いでるから、ヴァーリ先導の方が早い!
ヴァーリ:「はい…問題ないと思います」
俺:「俺達が付いてきているか…確認しながら進むんだぞ?」
ヴァーリならありえる…先に念を押しておく。
ヴァーリ:「はい…大丈夫です!」
俺:「ミケ!街道からは頼んだぞ!」
ミケ:「任せてくれっス!」
俺:「行くぞ!ヴァーリ!ミケ!」
二人に声をかけ…出発する!
――――――――――――
―里の入口―
ヨモギ達が近づいてくる。
ヨモギ達:「ミケ兄ー!…キジトラ連れて帰って来てねー!」
ミケ:「おぅ!任せるっス!」
走りながら答えて、ミケのやる気がすこし上がった!
里の入口にある穴まで移動して、洞窟までたどり着く。
光の魔法を発動し、ヴァーリを対象にする。
俺:「ヴァーリ…頼む」
ヴァーリ:「はい!…マスター!」
走り出すヴァーリ!
ヴァーリ:「スキル:碧の連閃」
スキル発動すると、ヴァーリが進む先の魔獣が切り刻まれる。
ミケ:「ヴァーリさん、強いっス…何者なんスか?」
俺心:…しまった…今更そんな事、聞く?
俺:「そんな事…今…関係、あるか…?」
走りながらキメ顔で答える。
ミケ:「そうっスね!今は兄貴に追い付かないと!」
俺心:よかった~…ノリで誤魔化せた…か?
ミケ:「兄貴に追い付いて…キジトラを助けたら聞かせて…くださいよ!」
俺:「あぁ!後でな!」
どうしよう…まじで!…考えとくしか、なさそうだ。
洞窟の入口が近いようだ。
段々と、入口に近づくにつれ…明るくなっていく。
暗闇の洞窟から出た…光が全身を包む。
―――――――――――――――――
(バサバサ!)と羽音がする!
俺:「なんだ!…」
ヴァーリ:「マスター…先日の魔獣です」
洞穴では気付かなかったが…翼が光ってない?
ミケ:「あれは…ザンバットっス!」
俺:「空気読まない…魔獣だな!」
俺はナタを持ち…構える!
ミケ:「あいつらは、素早く飛び…翼で切り付けるっス」
「そして…翼に着いた血をエサにする魔獣っス!」
俺:「何その魔獣!…暗闇なら危なすぎるな!」
この間は、逃げて…正解だったって事だな。
俺:「でも今は…外だから」
言いながら…一匹を大きく振りかぶって、ナタで切り付ける!
(カーン)とナタが弾かれて、手が痺れる!
俺:「嘘だろ…おい!」
打ち付けたザンバットが、衝撃で落ちる…が俺もバランスを崩す。
俺:「うおっ!…危ねぇ!」
バランスを立て直そうとするが、別のザンバットが襲いくる!
ミケ:「危ないっス!ハクさん!」
「スキル:猫掌打連撃」
(シュシュシュ)とザンバットを殴るミケ!
俺:「ありがとう!ミケ!」
成る程…本体部分を狙えば良いんだな。
俺も(はっ!)とナタで切りかかる!
(カーン)と同じように衝撃が腕に響く!
俺心:できるか!…どんな達人だ!!
俺:「ミケ…すまん!」
ミケ:「スキル:猫掌打連撃」
(シュシュシュ)とザンバットを殴るミケ!
俺:「俺が斬撃を防ぐから…ミケ頼めるか?」
ミケ:「はいっス!」
俺達は良い連携をしていた…そんな気がした。
ヴァーリ:「これで…最後です」
(スパッ)
最後の一匹を切り裂く音。
俺:「あぁ…ヴァーリ…ありがとう」
結局…俺達が倒したのは3匹だけで…後はヴァーリが倒した。
いいんだよ…別に!…力になれない!もどかしさが…半端ない!
ヴァーリ:「マスターが無事で良かったです♪」
ミケ:「ヴァーリさん…強すぎるっス!」
目をキラキラさせるミケ!
俺:「あぁ!そうだな!…ミケ!…案内を頼めるか?」
切り替えが大事なんだよ!…何事も!
ミケ:「そうだったっス…行かなきゃっス」
「もう近いっス!」走り出すミケ。
俺:「ここは…クマチャイルに銃撃されたとこだな…」
ヴァーリ:「そうですね…マスター」
ミケ:「あそこっス!」
建物が見える場所で、止まるミケ。
俺:「え?…あれ?」
あれは?遠くに見えるのは…コンテナか?
ミケ:「あれは昔…異世界人が作ったと言われるカヤクコっス」
ヴァーリ:「カヤクコとはなんですか?」
ミケ:「ボクもよく分からないっス…昔の英雄が建てたらしいっス!」
「ボクたちのご先祖様も、助けて貰ったらしいっス!」
ドヤ顔で言う。
俺:「それは…どのくらい前なんだ?」
ミケ:「分からないっス!…ずいぶん前からって、聞いてるっス」
俺:「どうやって、中に入るんだ?」
ミケ:「こっちッス!」
俺達はカヤクコに突入する。
続く
―――――――――――――――
ルビー:「あの宿…私も泊まりたい!」
マテリアル:「そうね~でも~ご飯はアレよ~?」
ルビー:「大丈夫よ!私達は超常の存在よ?…どうにかなるわ!」
マテリアル:「でも~食べないと~哀しい顔…されるかも~?」
ルビー:「そうなったら……た…べるわよ!」
マテリアル:「ルビーちゃん!偉いわ~…よしよし」
ルビー:「そんな事よりも!あのカヤクコよ!」
マテリアル:「以前送った~うちの~誰かよね~」
ルビー:「だから…クマチャイルは、近代的装備なのね!」
マテリアル:「そうかもね~?」
いかがでしたか?
まぁ…最近よくある展開ですよね。
それでも…やりたいので!やりました!
次回は…新たな趣向を考えてますので、お読みいただければ…と存じます。
ここまで、お読みいただきありがとうございました!