第10話 精霊が住む洞穴
ご覧いただきありがとうございます!
ついに…第10話です!!
始まりです!
―宿屋での朝―
少しだけ寝不足だ…意識するなっていう方が無理だから!
寝ぼけ眼でヴァーリを見る。
ヴァーリは変わらずの感じ…
少しだけ、早く起きて支度が終わっているようだ。
後ろ姿が見えたとき、昨日渡した髪飾りを着けてるのが見えた。
ヴァーリ:「お早うございます!マスター!」
元気よく挨拶しながら、手を差し出してくる。
手を掴みながら、俺は起きる。
俺:「やはり、似合ってるな」
支度しながら、ヴァーリに言う。
ヴァーリ:「はい、お気に入りです!」
かなり気に入ってるようだ…渡してよかったな。
準備は出来た…俺達は洞穴へ向かった。
―――――――――――――
洞穴の前に着いた。
道中、魔獣と戦闘するかと思ったが一度もエンカウントしなかった。
俺:「結構暗いな…あの魔法を試してみるか」
「光よ…我が内なる力において発現せよ…ライト」
俺の周囲に光の玉が一つ漂う。
俺:「さぁ!いくか…」
俺達は暗闇を、光る玉の明かりで進んでいく。
(バサッバサッ!バサバサー)
突然の羽音。
俺:「うぉっ!なんだなんだ…」
焦りながら飛び退く!
俺:「あれは…コウモリ…か?」
数えきれないほどの群れが俺達を通りすぎる。
ヴァーリ:「マスター!危ないっ!」
群れの中の数匹が俺に向かい襲ってくる!
剣を一回…二回と振るうヴァーリ!
翼の付け根を音もせず、斬り落とす。
コウモリ魔獣:(ギャアキャァ)
地面で鳴いてこちらを威嚇しているようだ。
俺:「ありがとう、ヴァーリ」
言い終わる前に、複数の羽音が聞こえる。
コウモリ魔獣達:(バサッバサッバサバサ)
仲間の悲鳴でも聞こえたのか、群れが襲いくる!
俺:「ヴァーリっ!逃げるぞ!」
声をかけ走り出す俺。
ヴァーリ:「はっ…はい!」
一瞬身構えていたが、続いて走る。
洞穴の中はかなり複雑な作りになっている。
まるで天然の迷路のようだ。
少しの明かりで走り抜ける。
羽音も聞こえなくなったぐらいで止まる。
俺:「ヴァーリ!大丈夫か?」
声をかけても返事が返ってこない。
俺:「ヴァーリ?…ヴァーリさん?」
少し大きな声で呼び掛ける。
俺の声だけが、洞穴に反響して響く。
俺:「まじ…?」
一人言を呟く。
俺心:まじ…なようです…はい!はぐれましたー。
ヤバいヤバい…どうする?…とりあえず明かりは…点いてるな。
意味の分からない確認をして、焦っているのが自分でもわかる。
俺心:来た道を戻るのは…無理だな!
無我夢中で走ったから…ここがどこかわからん!
まず、深呼吸だ…こういう時は落ち着こう。
俺:「ハーッフー」
少しだけ落ち着いた。
俺心:冷静に考えれば、ヴァーリなら呼べばくるんじゃね?
俺:「ハーッ」
息を大きく吸う…
俺:「ヴァーリー!!!!」
今までより大きく、洞穴全体まで響くように叫ぶ。
俺心:………来ないな?…無理かな?
(ドォン)
俺心:…いや!…遠くから音が聞こえるな…どこだ?
洞穴の壁にもたれかかる。
ヴァーリ:「マスター!マスター!」
ヴァーリの声が聞こえるが、姿は見えない。
俺:「ヴァーリ!ここだ!」
ヴァーリは見えないが…とりあえず呼んでみる。
その瞬間、もたれ掛かっていた壁から亀裂が走る。
(ドォン)
轟音が鳴り響く。
ヴァーリ:「マスター!良かった…無事で」
少し涙目でこっちを見る。
俺:「おぉ洞穴を斬り進んだのか…」
どっかの泥棒と一緒の剣豪みたいだな。
俺:「ヴァーリ!よかった、無事だったな!」
無事を確認しホッとする俺。
ヴァーリ:「マスター!」
俺をギュッと抱き締める。
俺:「大げさだ…ヴァーリ、ちょっとはぐれただけじゃないか」
ヴァーリ:「…あの時みたいに、もう会えないかと」
俺:「あの時?…まぁ大丈夫だ、今はいっしょにいるだろう?」
ヴァーリの頭を撫でながら言う。
俺心:あの時ってなんだろう…?
俺:「ん?」
ヴァーリが通ってきた道で無数の光が見える。
何か息遣いが聞こえる?…あれは…魔獣じゃね?
俺:「ヴァーリ!ちょっと!」
寂しかったからか、心配したからか…離れない。
俺:「ちょっ!ヴァーリ?ちょっとちょっと!」
「分かったから…後ろ後ろ!危ないって!!」
魔獣達:(グワァアア!)
一匹、また一匹と魔獣がヴァーリの後ろから飛びかかる!
危ない…せめてヴァーリだけでも…守ろう。
位置を入れ替え、庇う!!
その瞬間…ヴァーリが掌を魔獣に向ける!
ヴァーリ:「スキル:雷鳥渡流」
掌から雷の鳥が(バチッバチッ)と雷音が鳴り、発射される!
魔獣達:(ガァアア…ア…ァ)
悲鳴を発し貫かれる魔獣…
魔獣を貫いた雷の鳥は、そのまま近くの魔獣に引き寄せられる。
洞穴内に、別の魔獣の悲鳴と共に雷音が繰り返し響く。
ヴァーリ:「せっかく…マスターと一緒なのに、邪魔しないで!」
今まで見たことない様子で怒っているヴァーリ。
俺:「えっ…えー?ヴァーリさん?」
戸惑う俺。
ヴァーリ:「スキル:碧の連閃」
剣を振るいながら、瞬く間に魔獣達が倒れていく。
俺:「すげぇ…」
ヴァーリが倒した魔獣の部位をナタで切り取る。
俺:「近くに魔獣はいない…かな」
とりあえず、視認できる範囲にはいない。
俺:「ヴァーリ…落ち着いたか?」
「助けてくれてありがとう…そろそろ先に進もう」
ヴァーリ:「…はい…マスター」
俺はヴァーリの頭をポンポン叩き、歩き始める。
ヴァーリも続いて歩く。
しばらく進むと、道に…ニャンラット族が倒れている。
俺:「おーい…大丈夫か?」
モコモコの体を両手で揺すってみる。
ニャンラット族:「う…うーん」
ヴァーリ:「大丈夫です…か?」
心配そうに、ヴァーリも続いて、声をかけながら揺する。
二人でモコモコを触りながら、揺らす。
ニャンラット族:「はっ!…ちょっちょっ!」
「揺すりすぎっス!やめてほしいっス!」
俺:「あっ!起きた!ヴァーリもストップ!」
つい…感触が良すぎて我を失ってたようだ…
俺:「すまない…大丈夫か?」
ニャンラット族:「大丈夫っスけど、揺すりすぎっス!」
俺:「本当にすまん!俺はハク…こっちはヴァーリだ…」
「君はこんなところで何をしてるんだ?」
ニャンラット族:「ボクはミケ=エランド=ニャンラットっス」
「見たことない道を発見して探索してたんス…」
「そしたら…突然大きな音が…体がビリビリしたのは覚えてるんスけど…」
俺:「なるほど…無事で良かったな」
…ごめんなさい、多分それ俺達のせいです。
ミケ:「あんたたちは…何してるんスか?」
俺達はミケにギルドからの依頼を話す。
ヴァーリが後ろからミケをハグしようとしてるが見ないフリだ。
ミケ:「分かりました、ついて来て下さいっス!」
言い終わると、走り出すミケ。
ヴァーリ:「あう…」
後少しでハグ出来たが、ギリギリのタイミングでミケはかわす。
俺:「おい…どこいくんだ?」
ミケ:「僕達の里、ニャンラットっス!!」
俺とヴァーリは続いて走る。
よかった!…正直迷ってたから。
続く
―――――――――――
マテリアル:「なかなか良い感じじゃない~あの二人~」
ルビー:「そうね…ハクはまだ、ぎこちないし」
「ヴァーリの方は、何か抱えてるみたいだけどね…」
マテリアル:「まぁ~そのうち~なんとかなるわ~」
ルビー:「なんのことよ!」
マテリアル:「まぁ~でも~それは置いといて~」
「新しいモフモフの子が出てきたわね~」
ルビー:「ぐっ!…そうね…」
マテリアル:「今回も~用意~…」
ルビー:「えっ…♪」
マテリアル:「してません~!」
ルビー:「なんなのよ!もう…!」
今回は、大分悩みました。
いつもキリが良いとこまで書いてます。
ですが、かなり微妙なとこで、切れまして…。
まぁ終わりよければ、全てよしですね!
お読みいただきありがとうございました。




