表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる  作者: アカバコウヨウ
少女と英雄の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/612

第九十四話 胡桃と空②

「今回は厳重注意ですましますけど、次からはそうはいきませんからね」


 と、そう言って二人を見送るのは空である。

 あの後、結局二人を鎮圧したのは空であった――胡桃が攻撃行動を起こすよりも早く、先に空が動いてしまったのだ。


 しかも、空は魔法などを使うことなく、素手のみで瞬時に鎮圧してしまった。

 胡桃は最初から、異能で二人を鎮圧しようとしたにもかかわらずだ。


(違う……異能で制圧しようとしたんじゃない。あたしは異能を使わなかったら、あんな奴らにも勝てないくらい非力なんだ。異能に頼らないと、あたしはただの――)


「胡桃、大丈夫?」


 と、胡桃の思考を断ち切る様に、声をかけてくるのは空である。

 彼は優しそうに首を傾げながら、言葉を続けてくる。


「裏庭の事件以降、なんだか悩んでるみたいだけど……どうしたの?」


「別に、なんでもない」


「いや、絶対なんでもなくないよね。自分で気がついてる? あの日以来、胡桃はすぐに相手の挑発に乗ったり、今みたいに挑発してみたり」


 わかっている。

 たしかに、今の胡桃には余裕がない。


 身近で空という強い存在に出会い、胡桃も強くなりたいと願った。

 けれど、空は凄まじい速度で成長しているのだ。


(きっと、空とあたしが今戦ったら、もうあたしは空に手も足もでない)


 空の能力の詳細は知らない。

 けれど、あの凄まじい速度で動く力を使われれば、《イージス》を使う間もなくやられるのは確かだ。


 仮に使用できたとしても、全く動きに対応できない。

 それでは守るばかりの亀――あの衝撃を伝える力で、《イージス》を抜かれて終り。

 勝てる確率はゼロだ。


「っ」


 いったい何が将来有望か。

 いったい何が序列十位か。

 いったい何が絶対防御か。


 胡桃は弱い。

 いまもこんな事を考えている自分が嫌になる。


 一方の空は、胡桃がうじうじしているここ最近。

 その間も、異世界で魔物相手に実戦を重ねていたに違いない。

 経験値そのものが違うのだ。


(強くならないといけないのに……唯花のために)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ