表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/612

第九話 空はスキルを買ってみる

「……らっしゃい」


 と、聞こえてくるのは明らかにやる気のない店主の声。

 店内はボロボロ、隅にはクモの巣が張られてしまっている。


 空がお狐様に連れてこられたのは、明らかにヤバそうな店だった。


(どうしよう……僕の本能がこの店で買い物しちゃけないと、そう告げている)


 空としてはそっこうで店から出て、別の店をみたい。

 けれど、それをすると案内してくれたシャーリィに悪い感が半端ない。


(仕方ない。シャーリィの顔を立てて、少し店内を見回るか)


 と、入って早々そんなことを考えたのが悪かったに違いない。


「クー! その顔、ダメな店に案内されたと思ってるな!」


 シャーリィである。

 彼女はぷくっと頬を膨らませ、続けて言ってくる。


「この店はボロくて臭くて、店主もやる気ないけど、売ってるものはまともだ! 獣人にも差別しないで物を売ってくれるいい店なんだ! 見た目が最悪なだ――もご」


「う、うちの子がすみません!」


 空は咄嗟に店主に向け、そんなことを言う。

 なぜならば、店主が凄まじい眼光でこちらを睨んでいたからだ。


(うぅ……本当にそんなにいい店なら、これが原因で出禁になったら最悪だ)


 と、空が今後に対する心配をしていると。


「ぷはっ! クー! いきなり何するんだ! びっくりしたぞ!」


 シャーリィは空に向きなおりながら、そんなことを言ってくる。

 だが。


「…………」


(いや、いきなりそんなことを言うから、ビックリしたのは僕の方なんだけどね)


 その後。

 空はシャーリィに『そういうことを言うときは、本人の前では言ってはいけない』ということを、しっかり言って聞かせるのだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ