第八十三話 空は学祭について話してみる
「せっかく新しい道具――ではなく、仲間が加わったことだし、学祭についてのお話をするわぁ」
と、言ってくる氷菓。
今何かとんでもない事を言った気がするが、ここはスルー推奨に違いない。
空がそんな事を考えていると、胡桃が氷菓へと言う。
「あの学祭ってなんですか? あたしはまだ入学したばっかりだから、そういうの知らないんですけど」
「おまえ、入学パンフは見なかったのかしらぁ?」
「えっと……えへ?」
「風紀委員になるのなら、これからは配布物にはよく目を通すように」
と、氷菓はため息一つついた後、胡桃へと言う。
「学祭は……空、おまえが話しなさい」
と思ったら、空へと話しかけてきた。
どうやら氷菓、自分で説明するのが面倒になったに違いない。
別に空はその程度面倒とは感じない。
なので、空は氷菓の後を継いで、胡桃へと説明を始める。
「この学校では、毎年入学式の後くらいに学祭をやるんだよ」
「へー、やっぱりクラスごとに出店とかやるの?」
「楽しみにしてたなら悪いんだけど、この学校の学祭は普通と少し違うんだ」
「?」
と、首を傾げている胡桃。
空はそんな彼女へこの学祭の詳細――他校と違う点を説明していくのだった。




