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第五百八十六話 空は最後の戦いに臨んでみる⑥
「剣技 《七閃》」
直後。
バラバラに崩れ落ちる岩石怪人。
そして再び、その向こうに見えてくる怪人たちのグループ。
「…………」
空は片手を翳し、魔法 《ファイア》を放とうとする。
しかし。
「怪人たちが、離れていく?」
空が手を翳した先にいた怪人たちだけではない。
他全ての怪人が、そんな行動をとり始めたのだ。
まるで、とんでもない脅威から避難するかのように。
と、空がそんな事を考えたまさにその時。
最初に感じたのは、大地を揺らすような凄まじい振動。
続けて、空の背後から放たれる圧倒的なプレッシャー。
「っ」
心臓が締め付けられる感覚。
呼吸が苦しくなる圧迫感――間違いない。
この感覚を覚えている。
地球上で、空にこんな感覚を与えられる存在。
そんなものは、限られている。
「ようやく、ですか」
と、空はゆっくりと振り返る。
するとそこに居たのは――。
「死神の怪人。今日こそ、あなたを倒させてもらう……それが僕の使命だから」




