第五百八十五話 空は最後の戦いに臨んでみる⑤
「ひょっとしたら、刀剣類での攻撃も効きずらいかもしれなですからね。念には念を入れさせてもらいます」
言って、空は地面を強く蹴りつける。
そして、岩石怪人へ向け、全速力で進む。
(こっちも見た目通りと言うべきか、動きが遅い。これなら、楽に間合いに入れる。あとは――!)
と、空は岩石怪人のカウンターを、姿勢を低くすることにより躱す。
すると、岩石怪人は続けて空へと攻撃をしてくる……だが、圧倒的におそい
となれば、ここからは空の番だ。
空は態勢低く、岩石怪人の懐へと潜りこむ。
必殺の間合いだ。
「いきます……拳技 《穿》!」
衝撃を内部へと通す技。
その効果は絶大だ――なぜならば。
空が技を入れた瞬間。
怪人は一度ビクリと震えた後、動きが完全に止まってしまったからだ。
だが、空の攻撃はまだ終わらない。
「念には念をと、言いましたよね――拳技 《破砕》!」
それは纏っている鎧を砕く技。
怪人の動きが止まっている以上、その技は完璧に――怪人の中央へと決まる。
その直後。
岩石怪人の表皮。
まさしく鎧のような岩石が弾け飛ぶ。
その内に見えて来たのは、柔らかそうな肉質の身体。
(予想通り。中身の防御力のなさを、表皮で守っていた……だったら、あとは簡単だ)
と、空は魔法 《ブラックスミス》を使用。
右手に片手剣を作り出し。
「剣技 《七閃》」
今度こそ。
岩石怪人を打倒するのだった。




