第五百六十八話 空と狐と炎③
「リーシャに頼んでるやつを、今すぐ実行する様に伝えてもらいたい」
「むぅ~~~~! 本当はクーについて行きたいけど……ついて行きたいけど……でも、わかった! シャーリィは物分かりのいい狐なんだ!」
と、言ってくるシャーリィ。
彼女は空へと言葉を続けてくる。
「物分かりのいい狐は、物事の優先順位もわかるんだ! だから、シャーリィはクーの言う通りにする! 本当はクーの事が心配で、ついて行きたいけど……我慢してリーシャのところに行くんだ!」
「うん、ありがとう。それとごめんね、シャーリィ。今度ちゃんとお礼するから」
「お礼はいい! クーがシャーリィに頼ってくれること……クーがシャーリィにお礼を言ってくれること……シャーリィにとっては、それだけで充分なんだ!」
「本当に、シャーリィが居てくれると心強いよ」
「えっへんだ! シャーリィは心強い狐だ! だからクー!」
たたっと、空から離れるシャーリィ。
彼女はそのまま空へと言ってくる。
「こっちはシャーリィにお任せだ! クーは安心して、クーの世界に戻ればいい!」
空はそんな彼女へ一度だけ頷く。
そして――。
空は即座に魔眼を発動。
そのまま、ゲートを通るのだった。




