第五百五十九話 空は色々と買い込んでみる!③
「シャーリィが貯めたお金で買ったんだ! クーへのプレゼントだ!」
と、シャーリィが言ってきてから数十分後。
場所はエクセリオンにある広場――とある屋台の近く。
現在、空とシャーリィは買い物を終え、アイスを食べていた。
「クー! クー! シャーリィのプレゼント嬉しいか?」
と、耳をピコピコ言ってくるシャーリィ。
空はそんな彼女へと言う。
「嬉しいに決まってるよ。でも、悪いしよかったのに」
「悪くなんてない! シャーリィはクーが喜べば、それで幸せなんだ! だから、クーのためにお金を使うと、シャーリィはとっても幸せになれるんだ!」
「…………」
なんだかシャーリィ。
少し怪しいことを言っている気がする。
例えるならば、ホストにハマった――。
(いや、考えるのはよそう。シャーリィにはそれとなく、色々なものを買ったりしてお返ししていこう)
現に空はシャーリィにそれとなく、アイスを奢っているのだから。
積み重ねれば、技能書の値段に届くに違いない。
もっとも。
(シャーリィには色々お世話になってるから、どうせなら技能書以上のお返しをしたいけどね……とはいえ)
きっとシャーリィは単純な金額など気にしないに違いない。
彼女の場合はいかに気持ちが籠っているかだ。
シャーリィといる時は、今まで以上にシャーリィを大切にしよう。
そして、楽しませてあげよう。
などなど。
空がそんなことを考えていたその時。
「あ! 大変だ! クーの口の端っこにアイスがついてる!」
シャーリィがそんなことを言ってくるのだった。




