第五百四十八話 空は二連敗してみた
時は空が死神の怪人に敗れた翌日。
場所は地下にある空の部屋。
「入るわよ、空」
と、扉を叩く音と共に入ってくる胡桃。
彼女は空の隣へやって来ると、そのまま言葉を続けてくる。
「さっき時雨から言われたんだけど――あの怪人と戦ってくれたヒーロー達は、ボロボロだけど、ひとまず全員無事だそうよ」
「そう……よかった」
と、空は全力で肩の力を抜く。
理由は簡単。
(昨日、怪人から逃げてからずっと、プロヒーローの人たちがずっと心配だったんだよね。彼等は僕のために戦ってくれたんだから、なおさらに)
しかも、空が帰還してから数時間後。
ボロボロにやられたヒーロー達が、医療室に運び込まれた。
なんてことを聞かされれば、肩に力も入るに決まっている。
なんにせよ、怪我はあるものの全員無事でよかった。
あとで、お礼を言いに行こう。
と、空がそんなことを考えていると。
「でも空、あの怪人どうするのよ?」
と、言ってくるのは胡桃だ。
彼女はそのまま空へと続けてくるのだった。
「三度目の正直じゃないけど、そろそろ本格的に対策しなとやばいわよね……あれ」




