第五百四十話 空とレベル7の力⑤
「残りはあなただけ……最後にもう一度聞きます、あなた達のボスはどこにいるんですか?」
「ほ、ほかの人間。みみみ、みんな弱かった! い、いい、一対五で、ででも勝てた!」
と、後ずさりしながら言ってくる怪人。
奴はそのまま空へと、言葉を続けてくる。
「ぷ、プロヒーロを名乗る奴ら……た、たたいしたことない。そういうやつら、ここころ殺すの楽しい! ででも、おまえ、おまおまえなんだ!?」
「……僕の話が理解できませんか?」
「り、りり、理解……?」
「あなた達のボス――あの死神はどこにいるかと、そう聞いているんです」
「ぼ、ぼぼ、ボス……お、王……わ、我等の王」
と、急にニタニタし始める怪人。
空が圧をかけすぎたせいで、少し精神がおかしくなってしまったかもしれない。
もしそうならば失敗した。
と、空がそんな事を考えたその時。
怪人が再び空へと言ってくる。
「わ、われれ我等の王は、みみ、見てる……いつも、いつついつでも見てくださっている!」
「いつも見てる? それはいったい――」
と、空が言いかけた瞬間。
天井から響く轟音。
何かが落下してくる気配。
同時、それに押しつぶされる怪人。
気がつくと。
空の目の前に立っていたのは、死神の怪人だった。




