第五百三十九話 空とレベル7の力④
「次はあなた達の番だ」
「お、おお、おかしい。おまおまえ、おお、おかしい!」
と、慌てた様子を見せる怪人。
奴は空の方を指さし言ってくる。
「い、いけけ! あいあいつ、殺せ!」
そんな怪人の言葉と同時。
空の方へと、残りの怪人たちが向かってくる。
その速度は先の怪人たちよりも、なお早い。
きっと、並みのプロヒーローならば即座に圧倒されてしまうに違いない。
けれど。
「魔眼《王の左目》」
直後。
怪人たちの動きがピタリと止まる。
厳密には、そう見えるほどに動きが緩やかになったのだ。
そして、空はそんな緩やかな時間の中。
普段の――レベル7の早さで動き始める。
まず一匹目。
すれ違い様に怪人を両断。
二匹目。
左手で怪人を殴り、爆散。
続く、三匹目四匹目……そしてそれ以降も。
空は剣と素手で――あらゆる攻撃で、殆ど止まっている怪人たちを屠っていく。
それから。
空の体感時間にしておよそ一秒。
現実の時間の流れにして、秒すらいかない一瞬の後。
「残りはあなただけ……最後にもう一度聞きます、あなた達のボスはどこにいるんですか?」




