第五百三十八話 空とレベル7の力③
「あなた達は今ここで、僕が全員打ち倒す……どこからでもかかって来るといい」
と、空がそんな事を言った直後。
先の喋れる怪人が、空を指さし言ってくる。
「ば、ばばば、バカにした! おま、おまえ、お前たち、や、ややややれれれ! あい、あいつ、殺せ!」
同時。
空へと飛びかかって来る複数の怪人たち。
(この程度の速度なら、魔眼を使うまでもないかな)
空は怪人たちの初撃をバックステップで回避。
続く追撃を、剣を使って防ぐ。
その瞬間。
「に、人間の癖に、つつつつ、強い。な、なんなんななんで!?」
と、聞こえてくる先の怪人の声。
なるほど。
司令塔役の喋れる怪人。
それに従うその他多くの怪人。
一般人は言うまでもなく、きっとプロヒーローの多くも苦戦するに違いない。
(この口ぶり。きっと、こいつらはこの連携で多くの人……多くのプロヒーローを倒してきたんだ)
その犠牲者が、その後どうなったかなど考えたくもない。
けれど。
「もう人間に手出しはさせない。僕がこの世界に戻って来た以上、この世界は僕が守る」
言って、空は怪人たちの攻撃を防いていた剣を操り、攻撃を跳ね除ける。
そして、出来た怪人たちの隙へ。
「剣技 《七閃》」
直後。
剣圧により、怪人たちの身体は粉々になる。
空はそれを見たのち、残りの怪人たちへ剣を向け言うのだった。
「次はあなた達の番だ」




