第五百三十五話 空は回復を確かめてみる③
「僕の前で、誰かを傷つけることは……絶対に許さない!」
言って、空は空中の怪人たちへ、全力で蹴りを叩き込む。
すると。
聞こえてくるのは、周囲から聞こえてくる破壊音。
先ほど蹴り飛ばした怪人たちが、勢いそのままに壁に突っ込んだ。
中にはそのまま弾け飛んでしまった怪人さえいる。
空はそんな怪人たちに視線を向ける。
見た限り、怪人たちが動く様子はない。
(あの程度の怪人なら一撃で撃破……やっぱり身体の調子は問題ない)
全快したとみて、まず間違いない。
空はそんな事を考えた後、地面へと着地。
その後、空は周囲の人たちへと言う。
「皆さん、大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫だ! あ、あんたはいったい――」
と、言ってくるのはヒーロー達の一人だ。
空はそんな彼へと言う。
「僕は日向空。増援要請に応じてきました」
「日向……空って、あの!?」
「あのっていうのが、どれのことはわかりませんけど。あとは僕に任せてください」
「任せるって、俺達はどうすれば?」
「一般人の避難をお願いします……あの程度の怪人なら、僕だけで十分です」
言って、空は両手に剣を作り出すのだった。




