第五百三十三話 空は回復を確かめてみる
わーわー。
きゃーきゃー。
背後から聞こえてくる時雨と胡桃の文句の声。
空はそれをスルーし、一人ゲートをくぐる。
当然、ゲートを通った先は――。
「なんだか懐かしいな、最近このデパートには来てなかったからな。とはいえ……」
現在、空の目の前にあるデパート。
それは以前と異なり、ボロボロになってしまっている。
と、空がそんなことを考えたその時。
建物の中から聞こえてくる悲鳴。
そして、戦闘音。
「っ……入り口は、あそこか!」
空は全力で地面を蹴り、デパートの外壁に出来た穴へと接近。
そして、そこからデパート内部へと侵入する。
すると真っ先に見えて来たのは。
「あいつらを近づけるな!」
「俺達だってプロヒーローだ! 誇りをみせろ!」
などなど。
数名のプロヒーローが円になり、一般人を守っている姿。
当然、戦っている相手は怪人だ。
けれど。
怪人の数は、明らかに多い。
ただでさえヒーロー一人の力より、怪人一匹の方が強いのだ。
(あれじゃ全滅する……早く助けないと!)




