第五百二十一話 空はやられた後の話を聞いてみる②
「とにかく、それであんたが帰ってきたのがわかった……だから、私達があんたを助けに行った」
と言ってくるのはノインだ。
彼女は空へと言葉を続けてくる。
「助けに行ったのは、ここに居るプロヒーローほぼ全員……それと、わかるでしょ?」
「ノインと時雨、それと氷菓さんあたり、かな?」
「……正解。あんた、あんまり嬉しくなさそう」
「いや、別に」
嬉しくないわけではない。
空を助けるために、プロヒーロー達が動いてくれた。
それだけではない。
時雨や氷菓。
そして、ノインが助けに来てくれた事。
それ自体はとても嬉しい。
なぜならば。
空を助ける事は、かなりリスクを伴う行動だったに違いない。
なんせ、あの怪人と戦闘になる可能性が高いのだから。
にもかかわらず、彼女達は助けに来てくれた。
これで嬉しくないなど言ったら、罰が当たってしまう。
しかし。
「結果的には無事だったけど、僕のせいでみんながやられていたらと思うと……震えが止まらなくなる」
「私も時雨も……氷菓だって、そんなに弱くない」
と、首を傾げてくるノイン。
空はそんな彼女へと言うのだった。
「そうだけど、それでも心配なんだ!」




