第五百二十話 空はやられた後の話を聞いてみる
「よければ、僕がやられた後どうなったのか知りたいんだけど」
「……大前提だけど、みんながあの怪人に手を焼いていたのは知ってる?」
と、首を傾げてくるノイン。
空はそんな彼女へと言う。
「うん。その辺りは時雨から聞いた」
あの怪人は異能を無効かする上に、ひたすらに硬い。
日本のヒーローは誰も倒せないでいた。
そこで――。
「……あんたなら倒せるかもしれないって、私達はそう考えた」
と、言ってくるノイン。
彼女は空へとそのまま言葉を続けてくる。
「だから以来、私達は――ここに居るプロヒーローや、異能を使える人間はあんたを探した」
「今ふと思ったんだけど、どうして僕が異世界から戻ってきたってわかったの? わかったから、あの時助けに来られたんだよね?」
「……あんたの戦い方は派手」
「そう、かな?」
「……そう。あんたは身体能力が凄いから、動く度に遠くまで爆音が響く……一発でわかる」
「…………」
それは知らなかった。
そして、思い当たることもある。
地面を思い切りけって走ったり、怪人を投げ飛ばしたり……とかとか。
今後は少し気をつけた方がいいに違いない。
まぁ、今回に限っては結果オーライなのだが。
と、空がそんな事を考えたその時。
「とにかく、それであんたが帰ってきたのがわかった……だから、私達があんたを助けに行った」
と、ノインがそんなことを言ってくるのだった。




