第五百十四話 空は日本を襲った怪人について聞いてみる
「ところでさ、僕が戦った怪人について聞きたいんだけど……というか、日本のこの状況について聞きたいんだけど」
「あの怪人……ですか」
と、顔を上げ苦々しそうな表情をする時雨。
そんな彼女は空へと、言葉を続けてくる。
「あの怪人については、いくつか予想で話さないといけない部分があります……なので、まずは日本がどうなっているのか……それからでもいいですか?」
「うん、大丈夫。それで、僕が異世界に居る間に日本はどうなったの?」
「それは――」
と、喋り出す時雨。
彼女の話をまとめると、こんな感じだ。
空が異世界に行ってから数日後。
突如、あの巨大宇宙船がやってきたそうなのだ。
同時、中から現れたのは大量の怪人。
ヒーローと怪人の戦力差は知っての通り。
例外を除いて一対一ならば、怪人の方が遥かに強い。
結果、東京を始め日本は数日で壊滅した。
「地上はもう怪人のものと言っても過言ではありません……なんせ、人類はこうして地下で生活するしかないんですから」
と、ため息交じりに締めくくる時雨。
空はここで気になる事が出来た。
なので、彼は彼女へと言う。
「前からここがどこか気になってたんだけど、ここって地下なの?」
「はい……わたしとしたことが言い忘れました。人類は怪人から逃げるため、地下鉄や下水道に逃げ込んだんです」
「それにしては何というか――」
「綺麗で部屋も整っている……ですか?」
と、言ってくる時雨。
空はそんな彼女に対し、ゆっくりとうなずく。
すると、彼女は空へと言葉を続けてくのだった。
「そこは異能様様です……様々な異能者が、協力して生活環境を作りましたから」




