第五百話 空は胡桃と一緒に暴れてみる②
「空、今!」
と、聞こえてくる胡桃の声。
同時、バランスを崩す怪人たち。
胡桃が不可視の盾を解除したのだ。
(ありがとう、胡桃……ここからは僕の番だ)
直後、空は魔眼 《王の左目》を発動。
続けて魔法 《ブラックスミス》で片手剣を両手に一本ずつ作成。
「剣技 《七閃》」
そうして、空の周囲に奔る十四の斬撃。
それは一撃一撃が、確実に怪人のを打倒していく。
しかし。
(やっぱり量が多いな……当然だけど、これだけじゃ倒し切れないか)
もっとも、対処法は簡単だ。
倒し切れないのならば、もっと攻撃すればいい。
そうして、空は斬りまくった。
遠くから攻撃を仕掛けようとしている怪人には、片手剣を投げ刺し。
近くに居る敵に対しては――。
相手の攻撃を躱してから斬り。
斬ってから、相手の攻撃を躱し。
時には斬ってからさらに斬り。
片手剣を投げた直後の場合は、両手両足を使って……。
空はとにかく怪人を攻撃した。
斬って殴って蹴って、時には胡桃に守ってもらった直後にカウンターで。
そうして気がつくと。
「今ので終わりか。エクセリオンの戦いに比べると、全然たいしたことないね」
空の周囲は静かになっていたのだった。




