第四百九十八話 空は異世界の英雄の力を見せつけてみる④
突如、頭上から聞こえてくる何かが開く音。
空がそちらを見ると、怪人の船のハッチが開き、大量の怪人が降って来るところだった。
(っ……あの船、中にどれだけ怪人がいるんだ?)
降下してきている怪人は、見た限り百を超えている。
きっと、空の戦闘能力から考え、数人では倒せないとふんだに違いない。
けれど――。
(別にあの程度の数、僕と胡桃なら捌ける)
問題は他のヒーロー達だ。
先も言った通り、あの船の中にも大量の怪人が居るに違いない。
そして、そんな量の怪人がこの日本に襲いかかった。
結果がこの廃墟。
知っての通り、怪人一体一体の能力はピンキリだ。
けれど、総じてヒーロー一人より強い――空が対応できているのは、あくまで空にレベルがあるからだ。
(本当に……みんな無事、なのか?)
と、空は一瞬そんなことを考えてしまう。
けれど、彼はすぐさま頭を左右に振る。
そして、雑念を無理矢理追い出すと、胡桃へと言う。
「胡桃、さっきと同じこと言うけど、サポートお願い!」
「言われなくても……今度こそ、あんたのサポートしてあげるんだから!」
と、返って来る胡桃の言葉。
それと同時。
空達の周囲に百体以上の怪人が、降り立つのだった。




