第四百九十六話 空は異世界の英雄の力を見せつけてみる②
(魔眼を使うまでもない、か)
直後。
攻撃を仕掛けてくる怪人たち。
奴らは三方向から、それぞれ別種の攻撃をしかけてくる。
一匹は槍のような武器で。
もう一匹は鋭利な尻尾で突き刺すように。
そして、最後の一人は空の体勢を崩すように足払いで。
「…………」
本当に遅い。
もはや呆れるレベルだ。
空はそんなことを考えた後。
槍を素手で掴んで止め。
尻尾も掴んで止め。
足払いをしかけてきた怪人の足を、踏みつけて止める。
「「「な!?」」」
と、一様に声をあげる怪人たち。
きっと、空がこうも容易く攻撃を止めると思わなかったに違いない。
(まぁ実際、日本の常識の範囲に当てはめるなら、この怪人たちの速度はものすごく早かった)
さらにコンビネーションも取れている。
この三人に組まれたならば、並みのヒーローならばすぐに倒されてしまうに違いない。
けれど、空からしてみればやはり――。
「遅すぎますよ」
と、空は怪人の槍と尻尾を掴だまま、奴らの身体を振り回す。
そしてそのまま、二匹の怪人を岩へと叩き付ける。
さらに――。
「これで終わりです」
と、最後の一体に全力で蹴りを入れるのだった。
なお、その一体は攻撃の直後、粉々に弾け飛んだのだった。




