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第四百九十五話 空は異世界の英雄の力を見せつけてみる
「胡桃、サポートをお願い……こいつらは僕がやる」
「サポートって言ったって――」
と、何かをいいかける胡桃。
けれど、彼女が最後まで言葉を言い終えるより先に――。
「いくぞお前ら!」
「「おう!」」
と、空目がけて同時に飛びかかって来る怪人たち。
空はそれに合わせて、即座に魔眼を発動させようとする。
だがしかし。
(これは……相手が遅く感じる)
当然ながら、空はまだ魔眼を発動させていない。
しかし、ゆっくり相手を見て考える程度の余裕を感じるのだ。
(きっと、アルハザードさんと戦ったせいだ。彼女の戦闘速度は凄まじかった……)
空は知らない間に、あの速度に慣れてしまった。
結果として、それ以下の速度を持つ者――今の怪人たちが遅く感じるのだ。
これならば――。
(魔眼を使うまでもない、か)
空がそんな事を考えたその時。
ついに怪人たちが、空を間合いに捕えたに違いない。
怪人たちは空へと攻撃を放ってくるのだった。




