第四百九十一話 空は日本に帰って来てみる?②
日本のヒーロー養成学校――学生寮の空の部屋。
そこにゲートを開け。
空はそう念じて、何度も《道具箱》を使った。
結果。
ゲートは何回やっても、この廃墟へと通じた。
「ねぇ何度も聞くけど、ここ本当に学校なの?」
と、言ってくるのは胡桃だ。
彼女は空へと続けて言ってくる。
「っていうか、ここって本当に日本?」
「…………」
正直、その質問をしたいのは空だって同じだ。
というのも――。
(状況確認をするために、瓦礫の上から見渡せる限り周囲を見回してみたけど……)
一面同じ光景なのだ。
空が目視する限り、あらゆる建造物は崩れ落ちている。
無論、かつては遠くに見えたヒーロー協会の巨大なビルも同様に。
(日本だとは……ここが学校だとは信じたくないけど)
瓦礫の数々が、訴えてくるのだ。
ここは日本であり、空達馴染みの学校だと。
なぜならば。
(あそこにあるのは学校の門の残骸……あっちに見える殆ど崩れてるビルも、電車の中から何回も見たことがある)
と、空はここで、自分がとんでもない事を失念していたことに気が付く。
それは――。
「みんなは……そうだ、みんなはどうなったんだ!?」




