表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レベルの概念があるのは僕だけなので、最強無敵の英雄になってみる  作者: アカバコウヨウ
少女と英雄の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/612

第四十九話 空は伸び悩んでみる②

「クウさん! クウさん! 聞いてくださいよ! このギルドになんと……英雄アルハザードさんが来てくれるんですよ!」


 と、言ってくるのは受付のお姉さんである。

 彼女はカウンターをばんばん叩きながら、続けて空へと言ってくる。


「あ、来てくれると言っても他の街へ行く途中、このギルドで一泊するだけなんですけど! それでもこれはすごいことですよ! どうしましょう! どうしますかクウさん!」


「…………」


「英雄アルハザードさんですよ! 伝説の存在、唯一のレベル6にして最強の冒険者! くぅううう~~~! パーティです! 歓迎会の準備をしないと!」


「あの……アルハザードさんのことはわかったんで、そろそろクエストを……」


「あ、そうでした! そうでしたね、クウさん! クエスト、クエスト! いやぁ、ついテンションが上がって、我を忘れてしまいました!」


 と、お姉さんは「テヘッ」とでも言いそうな顔をしてくる。

 可愛いか可愛くないかで言えば、可愛い仕草ではある。

 だがしかし。


 クエストを受けようとしただけで、三十分続けられたアルハザードさんの話。


 棒立ちして聞いていた空の足は痺れ。

 シャーリィは野生に帰ったかのように、すみっこで丸まって眠ってしまっている――あれでは完全に狐だ。


 それがある以上、空は安易にお姉さんを可愛いとは思えない。

 むしろ、長話してくるお姉さん恐ろしい。


 と、空がそんなことを考えていると。


「ダンジョンでスケルトン退治のクエストと、発光キノコの採取……この二つのクエストで間違いないですね?」


 と、お姉さんはようやく仕事をしてくれる。

 空がそれに対し頷くと、彼女は再び言ってくる。


「クーさんが行くダンジョンは、未踏破領域のない比較的安全なダンジョンです。でも、森や草原より遥かに危険な場所であることには違いありません」


「冒険者たるもの、いついかなる時も油断せず……ですよね?」


「そういうことです! では、これがダンジョンのマップです……いってらっしゃい!」


 空はそんなお姉さんの言葉に対し、お礼を言ってその場を立ち去るのだった――再びアルハザードさん話が開始されるまえに。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ