第四百八十八話 空はそろそろ帰ってみる④
「そっか……クーが帰っちゃうの、とっても残念だ……」
と、言ってくるシャーリィ。
空はそんな彼女へと言う。
「よかったら、シャーリィも一緒に来る? 僕は全然いいけど」
「本当か!? じゃあ、シャーリィも一緒に行きたい! ……でも」
と、耳をぺこりとさせるシャーリィ。
彼女は空へと続けて言ってくる。
「マリィとソフィアが心配だから、今回は遠慮するんだ!」
「あぁ、最近ずっとエクセリオンにいたしね」
「そうだ! シャーリィはお姉さんだから、マリィとソフィアの面倒をみないといけないんだ!」
「…………」
この時、空は思った。
シャーリィの中では、ソフィアも妹のような存在なのかと。
(まぁ、たしかにソフィアは精神年齢低そうだけど……ほんと、元魔王とは思えないよね)
「それでクー、いつ帰るんだ?」
と、言ってくるシャーリィ。
空はそんな彼女へと言う。
「うーん、前々から考えてたことだし、王様――前王にはもう言ってあるから、明日のお昼辺りは帰ろうと思ってる」
「じゃあ、明日の朝にもう一回パーティだ! お別れ会をするんだ!」
と、尻尾をふりふりシャーリィ。
彼女はそのまま空へと抱き着いて来るのだった。
なお、これは余談だが。
翌日の早朝――本当に盛大なお別れ会が開かれたのだった。




