第四百八十七話 空はそろそろ帰ってみる③
「はぁはぁ……まさかリーシャ、あそこまでアクティブだったとは」
現在、空はリーシャから逃亡。
一人、エクセリオンの廊下を歩いていた。
すると。
「…………」
すれ違う人すれ違う人が、頭を下げてくるのだ。
どうにも慣れない。
(うーん、もっと普通に接してくれていいんだけどな。所詮は僕なんて、ただの一般人なんだけど……でもあれなのかな。王様になった以上、僕もそれなりに振る舞わないと、みんなが安心できないとか――)
「ク~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
と、聞こえてくるシャーリィの声。
背中に襲い来る衝撃。
シャーリィが抱き着いてきたのだ。
彼女は尻尾をふりふり、空の前に回って来る。
そしてそのまま、空へと言ってくる。
「クー、帰っちゃうのか!?」
「帰るけど、どうして?」
「リーシャが騒いでた!」
「あぁ……」
どうやらリーシャ、結構大きな声が出せるようだ。
空がそんなことを考えていると、シャーリィが続けて言ってくるのだった。
「そっか……クーが帰っちゃうの、とっても残念だ……」




