第四百八十五話 空はそろそろ帰ってみる
時はあれからさらに一週間。
その間、様々なことがあった。
やれエクセリオンでパレードがあったり。
様々な街に顔見せに行ってみたり。
何故か王自ら、騎士達の訓練相手になってみたり。
「ハードだった~……」
「お疲れ様です、クウ様」
と、言ってくるのはリーシャである。
彼女は玉座に腰掛けている空へと、言葉を続けてくる。
「でもクウ様、ハードだったという割には、とても活き活きしてました!」
「そうかな? パレードとかは、結構本気で疲れてたけど……むしろ、僕のためにこんなにお金つかっていいのかなとかって、そんなことばっかり考えてたし」
「クウ様は王様です! あれくらいは普通です!」
「うーん……」
空はたしかに、この世界では英雄行為をして王になったかもしれない。
けれど、日本では一学生なのだ。
(なんだか、やっぱり慣れないんだよな……)
だがしかし。
と、空はリーシャへと言う。
「でも、騎士達の訓練相手になったりしたのは、とってもやりがいあったかな」
「普通の王様ならやらないんですけど……クウ様が英雄故ですね、本当にお疲れ様です」
と、苦笑いしているリーシャ。
なにはともあれ、そんなこんなで主要行事はだいたい終わったのだ。
つまり。
「ところでリーシャ、そろそろ日本に帰ろうと思うんだ」




