第四百八十四話 空はどうなったのか理解してみる④
「クーが寝ている間に、クーが凄い事になったんだ!」
と、言ってくるシャーリィ。
彼女は空へと続けて言ってくる。
「クー、もう起きて大丈夫か?」
「え、あ……うん。どうして?」
「だったら、シャーリィについてきてくれ! そっちの方がわかりやすい!」
●●●
時はシャーリィについていって数分後。
場所は玉座の間。
「えっと……なにこれ」
現在、空はその玉座へと腰掛け、頭に王冠を乗せられようとしていた。
そして聞こえるのは――。
「新たなる王――偉大なる英雄ヒナタクウに栄光あれ!」
「「「「栄光あれ!!」」」」
と、玉座の間に集まった様々な人達の声。
騎士団長らしき人。
貴族のような服装をした面々。
そして――。
「突然でもうしわけない……事後確認になってしまったが、やってくれるかの?」
と、空の耳元で言ってくる元王様。
空はそんな彼へと言う。
「いや、いいも何も……あなたはいいんですか!?」
「構わん。おぬしが王になることは、この場の誰もが……そして、この世界の誰もが納得しておる」
「でも僕は――」
「安心してほしい。おぬしが忙しい時――この場にいないときは、この前王が全ての仕事を引き受けよう。おぬしは我等にとって平和の象徴……どうか、王の座についてくれんか?」
「いや、そんな急に言われも――」
「クウ様、わたしはクウ様が王様になるの、とってもいいと思います!」
「あたしも、別にいいと思うけど。向こうの世界に行ってるときとかは、前王様が今まで通りやってくれるんでしょ?」
と、言ってくるリーシャと胡桃。
さらには――。
「どうかの?」
と、豪華そうな杖を差し出してくる前王。
ここまでされて、断れるわけがない。
(それに、僕が王になることによって、みんなが少しでも安心できるなら……)
空はそんなことを考えながら、立ち上がる。、
そして、杖を集まる人々に向かって掲げる。
直後――。
人々の声が、エクセリオン全体を揺らすのだった。




