第四百八十一話 空はどうなったのか理解してみる
「心配させてごめん……だけど、もう大丈夫。あと、僕のためにそんなに泣いてくれて、本当にありがとう」
けれど、空はここで一つ疑問に思うことがある。
どうしてシャーリィは、ここまで心配してくれたのか。
(昨日、魔物達との戦いが終わって、リーシャに回復してもらって……そのままベッドに入るまでは、シャーリィ普通だったよね?)
心配はしていたが、泣くほどの心配はしていなかった。
やはり違和感を覚える。
そこで。
空はシャーリィが落ち着くのを待った後、そんな彼女へと言う。
「えっとさ、シャーリィ。今さら聞くことでもないかもなんだけど……」
「いい! クーの質問になら、シャーリィはなんでも答える!」
「じゃあ――」
なんて聞こう。
どうしてそんなに心配してくれたの?
は、さすがにまずい。
(これは違う意味に取られる気がする――っていうか、こう聞いたらシャーリィはきっと、僕が好きだからとか言ってくるよね……なんか、自分で思うと恥ずかしいな)
と、空はここでふと気が付く。
シャーリィは先ほど、なぜ泣いたのか。
当然、シャーリィは空が心配だから泣いたのだ。
けれど、そもそもの理由はそこではない。
シャーリィはたしかに、こう言っていた。
『クーが起きたから、嬉しくて』
であるならば、空がシャーリィに聞くベこと。
それは――。
「ねぇ、シャーリィ……僕って、何日くらい寝てたの?」
「一週間だ! クーは一週間も寝てたんだ! だから、シャーリィはとっても心配で……ずっと尻尾でクーをマッサージしたりしてたんだ!」
と、言ってくるシャーリィ。
意図せず、空が狐の夢を見た理由もわかったのだった。




