第四百七十三話 空と魔王の最終決戦④
「俺を殺してくれない……俺を死なせてもくれない。これ以上邪魔をするなら、邪魔を出来ないようにするしかないが、そう判断していいな?」
と、言ってくるアルハザード。
空はそんな彼女へと言う。
「子供みたいなこと言うな……あなたは英雄でしょうが!」
「貴様みたいな小僧には、わからない責任があるんだよ!」
「そんなの――!」
ダメだ。
これ以上、言葉を重ねても平行線なのは目に見えている。
ならば。
(アルハザードさんが言った事と逆を、僕がやればいい)
アルハザードを無力化して、彼女が死ねないようにすればいい。
今の空ならば出来るはずだ。
(アルハザードさんは満身創痍……ジョブを失っている。条件は僕と完全に一緒なんだ)
一撃で倒す。
というより、一撃で倒さなければ危うい。
空もそろそろ限界なのだ――正直、今にも倒れてしまいそうなほどに。
「剣を構えて、どういうつもりだ?」
と、言ってくるアルハザード。
空はそんな彼女へと言うのだった。
「あなたを倒す。僕は今ここで、あなたを完全に越える」




