第四百七十二話 空と魔王の最終決戦③
「なぁ、クウ……貴様は強い。そこで頼みがあるんだ――俺を殺してくれ」
と、意味不明のことを言ってくるアルハザード。
空はそんな彼女へと言う。
「殺せって……そんなこと、するわけないじゃないですか!」
「どうしてもか?」
「あたりまえですよ! 僕はアルハザードさんを助けたいから助けた……なのに、急にそんなこと出来るわけない!」
「俺は多くの人を傷つけた。その責任を取らないと行けない」
「死ぬのは逃げじゃないですか? あなたなら、生きて償う道はあるでしょ――アルハザードさんは、それを実行に移す強さも持っているはずだ」
「はぁ……なら仕方ない、か。俺はこう見えて、結構怖がりなんだけどな」
直後、アルハザードは魔法 《ブラックスミス》で、短剣を作り出す。
そして、それを自らの首に突き立てようと――。
「させるか!」
空は瞬時にアルハザードに接近。
そのままの勢いで、即座に短剣を弾き飛ばす。
すると。
「っ――邪魔をするな!」
と、空から距離を取りながら言ってくるアルハザード。
彼女は右手に片手剣を作り出すと、空へと続けてくるのだった。
「俺を殺してくれない……俺を死なせてもくれない。これ以上邪魔をするなら、邪魔を出来ないようにするしかないが、そう判断していいな?」




