第四百六十八話 空は魔王に反撃してみる③
(例え二対一だろうがなんだろうが、僕は確実に勝たせてもらう)
空はそんなことを考えながら、シャーリィへと合図を送る。
するとその時。
「ふぅ……殺すか」
と、聞こえてくるアルハザードの声。
同時、空達の前から消える彼女の姿。
間違いない。
これはアルハザードが持つ、もう一つの魔眼の効果だ。
けれど、今回にかんしては脅威ではない。
なぜなら。
アルハザードが狙ってくる場所など、わかりきっているのだから。
と、空は考えると同時、その方向へと駆けだす。
そして、剣を盾のように前方へと構える。
直後――。
響き渡る鉄と鉄がぶつかりあう音。
舞い散る火花。
「やるなぁ……俺がどこに移動するか見切ったのか?」
と、楽しそうに空の方へ、剣を押し込んで来るアルハザード。
空はそんな彼女へと言う。
「アルハザードさんが、シャーリィを狙ってくるのはわかりきってた。次にあなたが動いたら、最初にシャーリィの安全を確保しようって、決めてただけですよ――それと、一応言っておきますけど」
空は全力でアルハザードの剣を弾く。
同時、彼は彼女のがら空きの銅へ手を翳しながら言うのだった。
「僕の前で、僕の大切な仲間を傷つけさせたりなんかしない!」




